ASP・ISP・SaaSの違いとは?導入前に正しく理解することが大切!

ASPは、インターネットを介し手軽に新しいサービスを導入できるサービスやその事業者のことを指す言葉で、IT業界はもちろんマーケティング業界にも広く普及し、近年では一般にも普及してきています。

しかし、中にはASPが何かわからないと言う方も多く、さらにISP、SaaSと言ったASPと間違われることが多い言葉も存在します。

そこで今回の記事では、ASPの詳しい内容とASP・ISP・SaaSの違いについて説明したいと思います。 

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ASPとは?

ASPとは、ApplicationServiceProvider・アプリケーションサービスプロバイダの略称で、インターネット上でアプリケーション(ソフトウェア)を利用するサービスやそのサービスの提供者のことを意味します。

従来のこういったサービスは、パソコンに直接ソフトウェアをインストールする方法がとられていたため、複数で使用したい場合、それぞれのパソコンにインストールが必要でした。

しかし、このASPでは、ネットワーク上で複数による同時アクセスが可能であり、インターネット環境にある場所であれば、パソコンだけでなくスマートフォンからでも利用することができるようになっています。

また、ECサイトの構築から顧客管理、マーケティング、財務管理まで様々なサービスが提供されていますので、自社に必要なサービスのみを選択することが可能です。 

ASPは、提供者側が用意している配信サービスを、ライセンス料を支払うことで借りることができるもので、初期費用を抑えられるため導入しやすいと言う点がメリットとして挙げられます。

導入には、システム構築のための特別な技術やサーバーの用意など特殊な環境も必要なく、ネットワークに接続するだけで、常に最新のサービスを受けることができます。

セキュリティ対策も提供者側で行われるため、システム保守や管理コストも削減することが可能です。

またこのような形式でサービスを提供している場合、パッケージ版のように違法ダウンロードで自社のアプリケーションを不正利用される心配がありません。 

ただし、ASPはアプリケーションを借りるだけで購入するわけではないですから、自由にカスタマイズすることはできません。

また、データの管理もASP側で行われるため、機密性の高いデータの管理は自社で行ったほうが良い場合もあります。 

このASPと合わせて良く使用されている言葉に、ISP、SaaSと言う言葉があります。この3つの言葉は混同されることが多いですから、それぞれの特徴を正しく理解することが大切です。

ISPとは?

ISPとは、InternetServiceProvider・インターネットサービスプロバイダの略称で、インターネット接続を可能にするサービス提供者、いわゆるインターネット回線の提供者を指しています。

代表的なものだとYahoo!BBやOCN、BIGLOBEなどが挙げられ、インターネット接続工事が必要な場合は、このISPに依頼することになります。

ASPとは全く異なる言葉ですが、アルファベット表記が似通っていることから混同しやすいですので注意が必要です。 

SaaSとは?

SaaS(サース)は、SoftwareasaService・ソフトウェアアズアサービスの略称で、ASPがアプリケーション(ソフトウェア)のサービスやその提供者を指すのに対し、SaaSはそのアプリケーション(ソフトウェア)そのものを指します。

しかし、日本では本来の意味と異なり、ASPと同じ意味合いで使用されていることが多いです。

ただし、サービス内容はASPとは異なり、一人の使用者に対し一つの環境を構築するシングルテナントであるASPに対し、SaaSは複数の利用者を一つの環境の中で管理するマルチテナント方式を採用しています。

SaaSもASPと同じように必要な機能を選択することができますが、ASPと大きく異なる点は、機能を必要な分だけ利用できるという点です。

サービスや機能を短期間のみ、あるいは少量のみ使用したいという場合に向いています。

常に最新の機能を利用できるという点はASPと変わりませんが、処理数の増減にも対応できるため、運用を開始してみないと活用頻度がわからないという場合に最適です。 

以上のように、3つの言葉はそれぞれ異なる意味を持っていますので、正しく理解することが大切ですが、ASPとSaaSは同じ同じような意味合いで使用されることが多く、特に注意する必要があります。

意味が異なるこの2つの言葉が同じ意味で使用されるようになった背景には、日本市場に先に展開されていたASPがあまり浸透しなかったことが影響しています。

その中でSaaSが展開され始めたため、ASPの代わりの言葉として利用されるようになったのです。

ASPにはビジネス的に成功しなかったと言う悪いイメージがあるということで、それに代わる言葉として意図的にSaaSを浸透させたということです。

そのため、日本ではASPとSaaSが同じ意味合いで使用されており、この2つをクラウドコンピューティングと総称し厳密な区別をしていないのです。

まとめ

以上のように、ISPはASPと表記が似通っているだけで、全く意味の異なる言葉ですが、ASPとSaaSは根本的なコンセプトが同じで、一般的にも同じ意味合いで使用されていることが多いです。

ただし、内容は異なりますので、正しく理解して活用していくことが重要となります。