1990年代以降の単品リピート通販とテレビ通販の発展の歴史

前回の記事では、日本国内の単品リピート通販がいかにして1770年代から1990年代初頭まで急激に成長し、1990年代初頭のバブル経済の崩壊によって1998年まで通販市場の発展が低迷したのかお話しました。

【前回記事】1970年代以降の日本国内の単品リピート通販の発展について

今回は1999年から現在にいたるまでいかに毎年単品リピート通販市場が成長したのか、その理由も含めてお話したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

1999年以降の通販産業再生の要因

前回の記事でも少し触れましたが、1990年代に一度低迷した通販産業が再び発展を始めた大きな要因は3点挙げられます。

通販産業再生の要因

1. インターネットの成長

2. テレビ通販の台頭

3. コールセンターまたはコネクトセンターの発達

特に第一の要因「インターネットの発展」は「情報技術革命」とも呼ばれ、この革命は通販産業に限らず、ありとあらゆる産業に多大な影響を現在も与え続けていますね。

1. インターネットの発展

1990年代後半からインターネットと携帯電話の普及により、通販産業は構造的に大きな変化を遂げることになります。

携帯電話やスマートフォン、タブレット端末などを利用してインターネットで商品を購入したお客様の数は年々増えており、2017年には遂に通販産業全体の商品購入の54%を占めるまでに発展しました。

この数値はPC(パソコン・デスクトップ)利用によるインターネット購入の46.9%を超えており、テレビ・新聞・雑誌・チラシ等のその他の媒体の割合(約10%〜20%)と比べても圧倒的だという点はご理解いただけると思います。

2. 成長するテレビ通販

1990年代より以前にもテレビという媒体を使った通販番組は存在していましたが、テレビ通販が大きく成長した背景にはケーブルテレビやCS・BS放送などの多チャネル化が挙げられます。

このような衛星放送やケーブルテレビは2002年の日韓ワールドカップがきっかけで急激に普及したといわれていますね。

衛星放送の発展などにより多チャネル化したテレビには、ショッピング専用番組が増えて、保険、健康食品など様々な分野においてテレビ通販が活発化しました。

代表的なテレビ通販分野

・保険

・健康食品

・化粧品

・地方特産品

・ファッション・アクセサリー商品

日本通信販売協会の調査によると、2017年における50歳以上の女性のテレビ通販利用率は平均で約26%にもなるそうです。

インターネットが普及して視聴率の低下が続くテレビですが、このような層には依然として強い影響力を持っていることが伺い知れますね。

3. コールセンターの発展

当然のことではありますが、インターネットがこれだけ普及した現在でも、電話というコミュニケーションツールは単品リピート通販のオペレーション上重宝されていますね。

現在の若年層にはSkypeやLINEなどのアプリ上の通話機能を活用することで、電話番号を所有しない人が年々増えていますが、年配層のお客様にとって電話は依然として重要なコミュニケーションツールです。

特に単品リピート通販のコールセンターでは電話とコンピューターを連動することにより、受注管理・お問い合わせ対応などのオペレーションの迅速化が現在でも進んでいる状況です。

この記事で述べた通り、現在インターネットによる受注が急激に増えているため、電話とインターネットをまとめた「コンタクトセンター」という呼称も広まりつつあります。