単品リピート通販におけるロングテールマーケティングとは?

2010年代といえば2000年代から引き続きインターネットの普及により社会が劇的に変わった時代といえますね。

今回は2010年代に単品リピート通販を取り巻く状況がどのように変化し、それと共に変化しつつあるビジネスモデルについてもお話したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

情報ネットワーク時代の到来

インターネットが我々の生活の一部になるまでに普及すると、当然のことながらそのインターネットを経由した通販、コンテンツ配信や予約なども増加しますね。

昨今歴史のある大手百貨店の閉店が相次いでいますが、これは店舗小売がネット上の店舗に顧客を奪われていることを表す象徴的な出来事といえます。

このような状況から、百貨店のような店舗小売の中でもインターネットの利便性を積極的に取り入れ、実店舗との連動や使い分けを進める動きが活発になっています。

日本におけるインターネットの普及はスマートフォンが大きなきっかけになりましたが、このような携帯電話やスマートフォンなどの各種デバイスの普及により、消費者が発信する口コミも活性化しています。

2010年代はインターネットの普及と口コミの活性化により、店舗・無店舗の区別はなくなり、いつ・どこでも・誰でも情報ネットワークに繋がることができる「情報ネットワーク時代」といえますね。

ロングテールマーケティングとは

インターネットの普及により、通販のビジネスモデルも変化しつつあります。

従来のビジネスモデルは、2割の顧客が全体の8割の売り上げを構成するような「パレートの法則」を想定し、その2割の顧客を大事に扱い利益を上げるモデルでした。

パレートの法則とは?

パレートの法則とは、「2:8の法則」とも呼ばれ、顧客全体の2割である優良顧客が売上の8割をあげているという法則のことをさします。

全ての顧客を平等に扱うのではなく、2割の優良顧客を差別化することで8割の売上が維持でき、高い費用対効果を追求できるとされています。

パレートの法則は当初の所得分布の経験則としてだけではなく、現在では、品質管理、在庫管理、売上管理、マーケティングなどにも適用できるとされており、経済以外の自然現象や社会現象まであてはまると言われています。

例えばマーケティングにあてはめると、「全商品の上位2割が8割の売上をあげる」、「10項目の品質向上リストのうち上位2項目を改善すれば8割の効果がある」などのように使われています。

しかし、アマゾンをはじめとするネット通販では、従来の店舗型小売業とは異なり在庫にかかるコストが少ないため、パレートの法則における2割に集中する必要がありません。

2割に集中せずとも、受注頻度の低い8割の少量多品種の商品(ロングテール)で十分に採算が合うことが、このビジネスモデルの変化の大きな一因です。

ロングテールとは?

ロングテールとは、販売数の少ない商品群の売上の合計が売上全体の大きな割合を占めるという法則のことです。

インターネットネット販売では、商品の売上グラフを、縦軸を販売数量、横軸を商品名として販売数量が多い順に並べると、販売数が少ないニッチな商品が動物のしっぽのように長く伸びることから、long tailと名づけられたそうです。

通常の店舗では、品目数上位20%が全体の売り上げの80%を占めるのが一般的ですが、ネットのビジネスでは残り80%の品目の売り上げが上位20%の売り上げを上回ると言われています。

これは、売り場や在庫スペースなど、物理的な制約の多い実際の小売店と異なり、Web上に広大な売り場スペースを持つことができるインターネット環境が可能にしたもので、ヒット商品の大量販売に依存することなく収益を上げることができるビジネスモデルです。

ロングテールマーケティングの追い風

今やネットビジネスでは一般的になったこのロングテールマーケティングですが、ここまで一般的になった第一の要因は「生産手段の一般化」です。

この生産手段の一般化という表現は、言い換えればパソコンやスマートフォンで誰でも創作活動(印刷・画像・音楽などの芸術・文化生産)ができるようになったことです。

第二の要因は「流通の一般化」といわれており、ネット配信の発達などにより様々な情報の流通コストが引き下げられました。

そして、第三の要因である「需要と供給の結合」は、口コミや検索エンジンなどを通して顧客サイドの「探索能力」が上がったことにより、テールと呼ばれるパレートの法則における8割の商品の需要が上がったことです。

本来需要が少なかった8割の商品(テール)でも、ネットワークを活用して需要を重ねていけば大規模な売上をあげることも可能ですね。

ググる(Googleで検索すること)という言葉が若年層に定着しつつあるように、インターネットは顧客の「探索能力」を上げ、2010年代には通販のビジネスモデルを変えるまでの影響を及ぼしました。

ロングテールマーケティングの3つの追い風は・・・

生産手段の一般化

流通の一般化

需要と供給の結合