単品リピート通販における媒体選定の基本

インターネットが普及した現在、単品リピート通販でどの媒体の広告を選ぶのかは事業の成功に直結した問題といえます。

この記事では媒体を選定する際に活用するべき指標や、複数の媒体を同時に扱うメディアミックスについても言及します。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

目標は効率良く見込み客を獲得できる媒体選定

単品リピート通販の広告は、現在紙媒体やテレビの他ネット上のものも含めほぼすべての媒体で見かけるほど多様化が進んでいます。

無店舗である単品リピート通販事業にとって媒体の選定とは、店舗がある一般的な小売業の売り場や店舗の選定に等しいと考えるべき重大な課題です。

店舗のある小売業の売り場と無店舗の単品リピート通販事業の最も大きな違いが、商品をいち早く確認できない点(1)商品の購入を促す店員がいない点(2)です。

この二つの役割を無店舗の単品リピート通販で担うのが広告だと認識しましょう。

店舗販売では自社の商品がどのような層の顧客に購入されやすいのか分析し、その層の顧客が訪れやすい立地を選定して店舗を構えますよね。

この店舗設置の流れと同じように、単品リピート通販企業ではターゲット層の絞り込みをした上で、予算枠内での適切な媒体選定をする必要があります。

しかし、広告料が安価=より多くの広告を打てる、という安易な理由だけで媒体を選定することは当然のことながら適切ではありません。

そこで、単品リピート通販において適切な媒体を選定するための指標と呼ばれているのがCPO(cost per order)です。

このCPOという指標は、広告費用(cost)を受注件数(order)で割った数であり、ある特定の媒体で獲得できた顧客一人あたりの獲得コストを指しています。

つまり、このCPOが低ければ低いほど、その媒体は効率よく顧客を獲得できているといえます。

事業開始当初はデータの母数が少ないため、予算の一部を使い広告テストを行うことで、どの媒体のCPOが低いのか算出するケースがほとんどですが、CPOのデータの収集・蓄積を行うことでデータの母数が増えると、それぞれの媒体に対してより精度の高い分析を行い、より適切に効率的な媒体選定を行うことが可能になります。

このように、CPOとは1回限りの施策ではなく、日々の営業活動の指標であり、CPOによって常に最適な広告運用に調整し続けることが、単品リピート通販通販にとっては非常に重要です。

では、次に広告媒体の定義に移りましょう。

それぞれの媒体の特徴を理解することで、自社が売り出そうとしている商品の広告にはどの媒体が適しているのか理解が深まります。

広告媒体の定義

ここでは単品リピート通販企業が主に使用している以下の9つの媒体をご紹介します。

まずは通販業界で最も古くから使われている6つの紙媒体から始めましょう。

カタログ: 17ページ以上のとじてある印刷媒体です。

ダイレクトメール: 16ページ以下の印刷物で直接顧客に送付するものを指します。

チラシ: とじていない印刷媒体を指し、直接送付するダイレクトメール以外の手段で配布されるものです。

新聞広告特集: 新聞本紙とは別刷りで、なおかつ新聞の題字が入っているものを指します。

雑誌: 説明するまでもありませんが、一般的な週刊誌、月刊誌などを指します。

会員紙: クレジットカード会社や企業、団体が発行する会員誌で、クレジットカードの請求書や明細などに同封されるチラシを含みます。

では、次にテレビとインターネット上の3つの媒体です。

テレビ: 地上波のほか、BSやCS、ケーブルテレビなどを含みます。BSとCSはどちらも衛星放送ですが、人工衛星の種類の違いから区別されます。

インターネットPC: パソコン(デスクトップ)によるインターネット媒体を指します。

インターネット携帯: 携帯(ガラケー、スマトフォンを含む)や携帯端末によるインターネット媒体を指します。

スマートフォンの技術が発展した結果、現在のインターネット広告はPCと携帯の区別が付かないことが多々ありますが、PCが職場や自宅の机に座って使用しているのに対し、携帯は外出先のどこでも使用できる点に注意してください。

より効果的な広告運用にはメディアミックスが最適

日本通信協会の会員である単品リピート通販企業では実際どの媒体が人気があるのでしょうか?

これをお読みの方なら予想の通りかもしれませんが、90%以上の企業がインターネット(PC)を使用しており、インターネット(携帯端末)がその次に70%程度となっています。

ダイレクトメール(リーフレット)は2017年の段階で使用率が前年の70%台から50%台に落ちていますが、紙媒体も依然として人気のある媒体であることが見受けられます。

ここで注目していただきたいのが、上記の会員企業の平均の利用媒体数です。

2017年度には利用媒体数の平均が5.2媒体となっていることからも、多くの企業が複数の媒体を利用していることがわかります。

単純にCPOが最も高い媒体にすべての予算を投入するのではなく、それぞれの媒体の特性を活かしてメディアミックスすることが通販業界では効果があるといわれています。

新規の顧客を獲得するためにインターネットで広告を行い、既存顧客に対しては商品の同梱物としてリーフレットなどの紙媒体を使う組み合わせが、単品リピート通販では最も多く採用されています。