単品リピート通販においてオンボーディングが重要な理由と実施事例

デジタル業界を中心に、どんどん規模を広げているビジネスモデルと言えば、「サブスクリプションビジネス」ですよね。

拡大当初は、デジタルサービスこそサブスクリプションビジネスとしてふさわしい、と言われていましたが、成功事例が非常に多く、その余波から今では非デジタル業界にまでもサブスクリプションが広がって来ております。

サブスクリプションビジネスでは特に重要視したい指標と言えば、解約率でしょう。

サブスクリプションビジネスは、毎月継続して利用してくれる顧客がいてこそ成り立つビジネスですので、解約されてしまう場合であれば、確実にその対策を取らなければなりません。

そしてこの解約率を低下させ、防止するには「オンボーディング」という考え方が必要であることをご存知でしょうか。

そこで今回は、オンボーディングが重要な理由と、サブスクリプションビジネスにおける実施事例についてお話させていただきたいと思います。

今サブスクリプションビジネスを行われている方は、知識を深めるためにもぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

オンボーディング

まずはオンボーディングについて、ご説明していきたいと思います。

オンボーディングとはそもそも、「on-board=船や飛行機に乗っている」という言葉から派生した言葉であり、新しく乗り込んできたクルーや乗客に対して指導を行い、その環境に慣れてもらうためのプロセスのことを言います。

人事用語としては、いわゆる「新人研修」を意味しており、企業に入社した新入社員が、組織の一員として定着し、戦力となるまでの一連のプロセスのことを言います。

これをサービスの意味として考えると、サービス利用者に対し初回利用時に「このまま利用を継続したい」と思ってもらえるようなサービスを提供することを言います。

どの意味にしても、「人(利用者)の定着を目指すための仕組み、もしくはプロセス」という意味だと覚えておきましょう。

オンボーディングでは「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」の3つの部類に分けたアプローチが実施されます。

なぜオンボーディングが重要視されているのか

オンボーディングは、特に月額定額や年額定額が定められている、SaaS業界での注目度が高まっていると考えられます。

サブスクリプションビジネスは、顧客定着率こそ重要な根幹と言われていますので、どのような方法で解約率を下げるか、どうすれば利用し続けてもらうことができるか、ということを検討することは重要です。

顧客としても、多くのサービスがある中で、「自分にマッチしたものを早く見つけたい」「早くより便利に利用したい」と考える方も多いので、顧客のこの悩みを解消するためにも、オンボーディングは非常に重要になってくるのです。

そして、継続率を上昇は、収益の上昇を意味しますので、そのためにもユーザーの成功体験に繋がる「カスタマーサクセス」が必要になるでしょう。

オンボーディングによる「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」に分けたアプローチを行わなければ、たとえば利用初心者には必要のないサービスを提供してしまったり、使いづらいと思われるようなサービスを提供してしまっては、継続を見込むことはできません。

顧客の継続利用によって、収益を上げるサブスクリプションビジネスこそ、オンボーディングを重視すべきであると言えるでしょう。

オンボーディング実施事例

Sansan(ハイタッチ)

「Sansan」は、企業内で名刺の情報を共有し、企業の人脈を可視化することができるサービスです。

大企業向け、中小企業向けの営業グループ、電話やメールで支援するオンボーディンググループ、アップセル提案やチャーン逃がしフォローなどのリニューアルセールスグループに分け、それぞれのチームが一丸となり、さまざまな効果的な施策を考案します。

このように企業内全体にSansanを浸透させるサポートを行い、利用後にも安心なサポートを確立しているからこそ、顧客満足度向上を目指すことができると考えられています。

KARTE(ロータッチ)

小売業から金融、保険、クラウドサービスなど、非常に多くの業種の「オンライン顧客体験」を可視化するツールとして人気の「KARTE」。

オンラインでの情報を把握し、それと共に会員情報をベースとし、それぞれに合った働き方を考察し、実行できるようになっています。

顧客ひとりひとりに合わせたアクションでありますので、顧客の「今」を察知し、顧客成功体験を引き出すオンボーディングのシステムを提供しているのです。

グループ勉強会や情報交換会、顧客ミーティングなどを行っているので、顧客の顔を見て生の声を聴くことができる仕組みは非常に有効的でしょう。

Slack(テックタッチ)

チャットツールとして有名な「Slack」は、自社利用を目的として開発したものです。

使い勝手が高評価を得て、どんどんシェアを伸ばし、今ではSlackをコンサルティングする企業は非常に多くなってきました。

DropboxやGoogleDriveなどのファイル共有サービスとの連携や、Slackを通じて個人宛に送られるメールの一括管理、ヘルプセンター情報の充実などがあり、普段使いしているツールとの連携が簡単で、誰にでも使いやすいデザインが人気の理由になっています。

まとめ

以上、オンボーディングが重要な理由と、サブスクリプションビジネスにおける実施事例をご紹介させていただきました。

サブスクリプションビジネスにおいて、解約率は非常に大きな脅威であるからこそ、解約率を低下させるためにもオンボーディングを成功させることが重要です。

もちろん、オンボーディングにもさまざまな手法があるからこそ、「顧客満足」を最重視した仕組みを構えることが大切ですので、オンボーディングという視点をしっかり持ち、サブスクリプションビジネスに取り組んで下さいね。