単品リピート通販、定期購入契約の特定商取引法改正の4つのポイント

特定商取引法改正の4つのポイント

ネット通販事業に携わっているみなさま、「特定商取引法」をご存知でしょうか?

特定商取引法とは、訪問販売等に関する法律である「訪問販売法」の新名称であり、商品売買の際の消費者を守るために作られた法律なのです。

ネット通販の場合ではとくに、商品を実際に目で見て、手で取って確認しながら購入することができないので、販売者と消費者のあいだにトラブルが発生しやすい取引形態なのです。

ですので、ネット通販販売業者自体が、この特定商取引法をきちんと理解していなければ、大きな問題になりうる可能性もあるのです。

この特定商取引法は違反した場合には、業務改善指示や、業務停止命令等の行政処分の対象となる場合がありますが、そんな特定商取引法が改正されたこともご存知ですか?

そこで今回は、特定商取引法改正の4つのポイントについてお話させていただきます。

消費者に自社を信頼してもらい、安心して購入してもらうためにもしっかりとルールを学んでおきましょう。

特定商取引法について詳しくご存知でない方、ネット通販事業を行われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって参考にしてみてくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

 

1:SNSでのアポイントメントセールスの規制

最近ではスマートフォンアプリでSNSが多く普及し、それに伴いSNSを利用した商品販売が多くなってきました。

その商品販売件数が増える中で、SNSを利用した勧誘トラブルも非常に多くなっているのです。

従来であれば、SNSでのメッセージ機能を利用して、特定の場所に来訪を要請し、商品販売をすることは規制対象外ではありましたが、特定商取引法改正後は、訪問販売の一形態であるとして、規制が追加されたのです。

 

2:定期購入契約に関する表示義務

ネット通販での販売方法で、定期購入契約は非常に多い販売形態でしょう。

最近では頻繁に、サプリメントや健康食品の定期購入を勧誘するインターネット広告を目にしますよね。

その販売形態の増加に伴い、定期購入契約に対する相談件数が飛躍的に増加してしまっているのです。

この類のトラブルにおいて特に多い相談が、「初回は通常価格より低価格で購入することができると広告上には記載されているが、定期購入を条件とした場合の取引」です。

そこで、特定商取引法改正後は、定期購入契約に関して、通信販売の広告や、インターネット通販における申込みや確認画面において、定期購入契約であること、そして支払総額などの詳しい金額の提示や契約期間、商品の引き渡し時期、代金の支払い時期をすべて明確に表示することを義務としました。

また、インターネット通販に関して、購入者の意に反した売買の購入契約をさせようとする行為は禁止されているので、当該禁止行為の明確化を図るため、購入時の最終確認画面において、定期購入契約の主な内容をすべて表示して、その画面上には注文確定ボタンをせっていすることは当該の禁止行為には該当しない一方、定期購入契約の主な内容をすべて表示していない場合や、容易に表示内容を理解できないほど、離れた場所に表示されている場合、もしくは極端に小さな字で表示されている場合は、当該禁止濃い位に該当するといった、一定の指針が示されました。

 

3:業務禁止命令の創設

特定商取引法の本来の目的は、不公正取引による消費者被害を防止するためとされており、この法律に違反した業者に関しては、一定期間の業務停止命令を発することができるのですが、最近では悪質業者の中に、業務停止命令を受けた後に、その企業の役員などが直ちに別の法人を立ち上げて、実質的に業務を継続する、といった事案などが起こっていました。

ですので、特定商取引法改正に伴い、このような悪質な業者が行う事案に対処するため、業務停止命令を命じられた個人事業主、または法人の役員に対して、新たに法人を設立して、停止期間内の業務を継続することなどを禁じました。

また、この悪質業者に対する強制強化のため、業務停止命令の最長期間は、従来の1年から延び、2年に伸長されました。

 

4:不実告知・事実不告知の取消権の行使期間の伸長

通信販売など、各取引における勧誘の際に、所定事項に関する不実告知、または事実不告知により、消費者が誤認の上で契約してしまった場合、消費者はその契約の取り消し権を行使することができるのです。

従来であれば、この取消権の行使期間については「追認できるとき」とされており、誤認に気付いたときから6ヵ月間とされていたのですが、特定商取引法改正後より、1年間に伸長されました。

ですが、取消権は、契約締結日から5年が経過してしまうと、追認できる時の到来の有無に関わらずに行使できなくなることは、従来の規定に変更がありません。

 

まとめ

以上、ネット通販に関する特定商取引法改正の、4つのポイントについてお話させていただきました。

特定商取引法は、私たちに非常に身近な取引を規律する法律ではありますが、その取引行為については非常に複雑で細かい内容があります。

ネット通販事業を行う上で、消費者とのトラブルを防ぐためにも、必ず知識をつけておくようにしましょう。

ぜひこの記事を参考に、特定商取引法改正について学んでくださいね。