単品リピート通販におけるテレマーケティング発展の歴史

テレマーケティングとは、テレコミュニケーションとメーケティング合わせた造語で、「顧客の創造、顧客満足の向上、顧客の保持といったマーケティング・プロセスをパーソナルで双方向性を持つ各種通信メディアを通じて、円滑かつ効果的に実現する方法」と現日本コールセンター協会により定義されています。

この定義は理解が難しいかと思いますが、簡単に「電話を利用したマーケティング」と認識しても問題ありません。

今回はこのテレマーケティングがいかに単品リピート通販の歴史の中で発展してきたのかお話したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

電話業務の歴史

電話が普及して以降、1960年代まで電話は一家につき一台が一般的でしたが、1970年代に入ると一つの世帯の中の個室にも電話が架設されるようになりました。

このように一家に一台以上が一般的になる1970年代までは、企業のマーケティング活動において電話業務は単なる裏方的な業務としか捉えられていませんでしたが、1970年代以降顧客サイドは電話を企業の営業や催事の内容の問い合わせ手段として使い始め、企業サイドも顧客と直接接触する手段として電話の活用を始めました。

これはまだスマートフォン・携帯電話が普及する以前の話ですね。

1980年代に入ると電話の高機能化は更に進み、ファクス・受信人払い・フリーダイアル・CTIなどが導入されることにより、日本のみに限らず世界中でコールセンターの発展が始まります。

CTIとは?

CTIとは(Computer Telephony Integration System:電話とコンピュータの統合システム)の略です。

一般的には、電話がかかってきた際に、電話の着信音(呼出音)と同時にそのお客さま情報をコンピュータに表示させるものです。

簡単にいうと、電話がかかってきたらパソコンの画面に「顧客情報表示」を行うシステムです。

このような一般家庭への電話の普及とコールセンターの発展と共に、電話を重要なマーケティングツールとして認識する企業も増えました。

コンタクトセンターへの進化

1970年代に入り注目され始めたコールセンターはその後も発展を続けますが、2000年代に入りインターネットが普及することで、コールセンターはまた新たな進化を遂げます。

インターネット上で商品を検索する消費者が増えると、本来コールセンターで受けていたオペレーション上の業務に、「メールによるお問い合わせ対応」という業務が追加されることになります。

もはやコール(電話)だけではなくなった、コールセンターとウェブサイトの顧客接点を統合化することで、「コンタクトセンター」という新しい呼称が広まります。

このようにインターネットの普及と共に、コンタクトセンターの役割は益々重要になり、顧客の声(VOC)をデータとして収集し、車内にフィードバックする重要な部門として現在も活用されています。

VOCとは?

VOCとは顧客の声(Voice of Customer)」を意味します。

SNSなどのCGM、アンケート、デプスインタビューなどさまざまな手法を利用して、顧客の声を集めて調べ、業務改善に反映させる活動を指す際に使われることが多いです。

成長するテレマーケティング

インターネットの普及により、マーケティングツールとしての価値が更に高まったテレマーケティングは、2017年度に上位33社で初めて売上高が1兆円を超えました!

2017年度の実質の伸び率も対前年度比で6.0%増となっており、テレマーケティングは現在も安定的に成長を続けています。

テレマーケティングの主要な業務は、大まかにアウトバウンド(発信)とインバウンド(受信)の2つに分けることができます。

主要業務

アウトバウンド: コミュニケーター(オペレーター)から顧客に電話を発信する業務のことです。アウトバウンド業務には新規獲得を目的とする業務や、既存顧客に「お知らせ」や「お勧め」をするご案内業務があります。
例)マーケティングサポート、テレセールス、テレリサーチなど

インバウンド: コミュニケーター(オペレーター)が顧客からの電話を受信する業務のことです。顧客の問題を解決して顧客満足度を上げつつ効率よく人員配置することがコールセンター運営のキーポイントとなります。
例)ダイレクトレスポンス広告や自社媒体からの受注、予約、資料請求、問い合わせ、サウンセリング、ヘルプデスクなど各種顧客サービスライン

プライバシー問題

電話はメールなどの他の媒体と比べ、より迅速に、より確実に個人と直接コミュニケーションがとれることが利点ですね。

しかし、この利点は逆にトラブルやプライバシー新開などの消費者問題を引き起こしてしまう可能性も大きいため、社内の情報管理とリスクマネジメントが必要となります。

例えば電話上でお客様のクレジットカード情報を入力する際はテンキーパッドを使用することで、個人情報を暗号化することも重要です。

このことをカード情報非保持化ソリューションと呼び、クレジットカードの不正利用の増加を受けて政府も対応を急いでいるのが現状です。

現在でも大手企業の顧客情報が数十万単位で漏洩・流出したケースが多発しており、インターネット上のショッピングがより活発になるであろう未来に残る課題です。