単品リピート通販の顧客インサイトを見抜いて、新たな顧客を開拓しよう!

近年、マーケティングを行っていく上で、インサイトと言う言葉が良く聞かれるようになりました。

このインサイトは、顧客インサイトとも呼ばれ、顧客の購買行動の裏にある、自身も気付いていない動機のことを指しています。

この言葉がマーケティングにおいて重要とされているのは、これを見抜くことができれば、顧客が求める商品やサービスを提供することが可能となるからなのです。

そこで今回の記事では、顧客インサイトについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

顧客インサイトとは?

インサイトとは、日本語では、物事を見抜く、洞察と言ったことを意味する言葉です。

マーケティングにおいては、人を動かす力のある隠れた心理と言う意味で捉えられ、顧客インサイト、または、消費者インサイトとも呼ばれています。

これは、顧客自身も気付かない無意識の状態での心理のことを表します。

例えば、同じ商品の中から1つの商品を選び出す際には、本人は全く意識していない動機があり、それが決め手となって商品を選択しているのです。

この時の意識していない動機がインサイトとなります。

マーケティングにおけるインサイト

このインサイトが、現在のマーケティングにおいて重要視されている背景には、従来のマーケティングではモノが売れなくなってきていることがあります。

近年では、商品やサービスの供給が増え、それらの品質も向上し、何を購入してもそれほど失敗することはありません。

品質だけでなく、価格にも差がない商品やサービスによって、消費者の多くは満たされているのが現状です。

しかし、市場に商品やサービスが溢れかえるほど存在しているにもかかわらず、次々と新たな商品やサービスは供給され続けています。

そのような状況の中で、消費者は商品を選択することに疲弊し、モノが売れなくなっているのです。

この現状では、従来の消費者が必要とする商品やサービスを提供するという考えではモノが売れることはありません。

従来消費者が求めていた、品質や価格には差がなくなっているのですから、その点で、差別化することは難しくなっているのです。

そこで、重要視され始めたのが、消費者が意識していない商品を選択する際の動機であり、インサイトなのです。

つまり、従来のように、消費者の需要を見つけて商品を提供するのではなく、消費者のインサイトを掘り起こし、需要を作り出すことが、現在の状況において重要とされているのです。

顧客インサイトの活用事例

実際に、このインサイトを活用した事例として、大手商品メーカーである日清食品が行ったカップヌードルのマーケティング施策が挙げられます。

このカップヌードルは、45年もの長きにわたり愛されているロングセラー商品ですが、若年層向けと言うイメージが強く、60歳以上のシニア層の間での売り上げは長らく低迷していました。

しかし、現在の日本は高齢化が進み、売り上げを上げたければ、シニア層の取り込みは欠かせない状況となっています。

そこで、日清食品が注目したのは、シニア層の中でも、健康に問題がなく、消費にも積極的なアクティブシニアと呼ばれる層です。

アクティブシニアは、シニアとはいえ、趣味やスポーツなどにも活動的で、健康への意識は高いですが、グルメにも関心が高く、そして新しいものにも敏感であるということに着目したのです。

そうして、作り出されたのが、シニア向けの「カップヌードルリッチ」と言う商品なのです。

この商品は、シニアが気にする健康面にも十分な配慮をしつつ、ぜいたくな素材を使用したプレミアム感が特徴であり、味わいにもこだわりが詰まっています。

通常の商品よりも高価格帯ではありますが、それがさらに商品のプレミアム感を引き立て、シニア層を中心として、1.400万食を売り上げる大ヒット商品となったのです。

これは、シニア層は健康志向が強いと言う概念を打ち破り、シニアであってもカップヌードルに興味があり、美味しければ食べたいと言うインサイトを最大限に活用した好事例と言えます。

インサイトを見つけるには?

実際に、成功事例のようなインサイトを見つけるには、顧客のあらゆる情報を収集する必要があります。

インサイトは、顧客自身でも認識していないものであるため、様々な方向から、顧客の情報を洗い出し、表面的な情報から、隠れているインサイトを見つけていくことが必要なのです。

具体的な方法としては、顧客へのアンケート、インタビュー、顧客の閲覧、購入、行動履歴など様々な方法があります。

これらの方法は、一つ行えば良いというものではありません。

情報は多ければ多いほど良いわけですから、いくつもの手法を行い情報を集める必要があります。

そして、そのように集められた情報を分析し、結果を基に隠れたインサイトを見つけ出していくのです。

顔も分からない顧客の様々な表面的な情報から、その奥に隠されているインサイトを掘り出していかなくてはならないのですから、その作業は非常に困難です。

しかし、顧客に関心を持って観察し、顧客の心理を突き詰めて考えていけば、顧客の心の奥底にあるインサイトも見えてくるものです。

そしてその地道な努力が、結果へと繋がっていくのです。

まとめ

このように、顧客自身でも気付いていないインサイトを見つけ出すのは簡単なことではありません。

顧客に関する膨大な情報を収集、分析し、さらにその中からインサイトを探り出さなければならないため、洞察力も必要となります。

しかし、見つけてしまえば、それはマーケティングの強力な武器となり、結果として、売り上げの向上にも繋下ていくことが可能となるのです。