マーケティングに使用される言葉の中には混同されやすいものが多く、その中でも特に間違われやすいのがDSP、DMP、SSPと言う言葉です。
これらは、広告配信において非常に重要な言葉ですが、3つの違いやそれぞれの特徴など十分に理解していない方も多くいるようです。
そこで今回の記事では、DSP、DMP、SSPの違いについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
DSPとは、DemandSidePlatform・デマンドサイドプラットフォームの略称で、広告主側の広告効果を最適化・最大化するためのプラットフォームと言う意味を持ちます。
広告主側の広告効果を最適化・最大化すると言う目的のために、ユーザーに適した単価の安い配信先を探す役割があります。
このDSPは、独自のアルゴリズムによって自動的に最適化するアルゴリズム型、広告配信の結果に応じて手動で最適化する運用型の2種類があります。
アルゴリズム型は、基本的な運用を自動化できるため、運用の手間を減らすことができ、運用型はコストがかかりますが、設定や調整を自由に行え柔軟な対応することが可能となります。
DSPを利用するメリットとしては、自社の商品やサービスに関心の高いユーザーに容易にピンポイントでのアプローチが可能となり売り上げに繋がりやすい、類似ユーザーへ広告配信することで広告の費用対効果を最大化することが可能と言った点が挙げられます。
DMPとは、DateManagementPlatform・データマネジメントプラットフォームの略称で、DSPとSSPの精度を高めるためのプラットフォームと言う意味を持ちます。
インターネット上にある様々なユーザーのデータを統合・管理し、効率的なデータ活用を可能とします。
DMPには、ユーザーのサイトの閲覧履歴・行動履歴、検索キーワード、購買データ、性別や年齢などの属性データ、ユーザーの興味や関心などありとあらゆる様々なデータを蓄積することができます。
DMPは、蓄積している情報の違いから、外部が提供する情報を使用するオープンDMP(パブリックDMP)、自社が保有しているユーザーの情報を使用するプライベートDMPの2種類に分かれています。
オープンDMPは、ユーザーの年齢や性別、興味関心、サイトの閲覧履歴や行動履歴と言った第三者が提供する情報を管理し、プライベートDMPは、購買データやサイトへのアクセスログ、会員情報と言った自社で保有する情報を管理しています。
また、プライベートDMPはより膨大なデータの有効活用をするため、オープンDMPと組み合わせて使用するケースも増えているようです。
SSPとは、SupplySidePlatform・サプライサイドプラットフォームの略称で、広告を表示させる媒体側の収益を最大化するためのプラットフォームを意味します。
媒体側があらかじめ広告枠、価格、広告主の業種などを設定し、その条件を元に提示された中から最も収益性が高い広告を自動で選定し配信することができます。
これは、運用コストの削減にも役立ち、手間をかけずに収益を最大化することが可能となります。
DSP、DMP、SSPの違いとは、広告配信における役割の違いであると言えます。
具体的に言うとDSP、SSPの間では、媒体側のサイトにユーザーが訪問してから、広告が表示されるまでに、どの広告を表示するのかと言う交渉が行われます。
その流れとしては、まず、ユーザーがサイトを訪問するとSSPへ広告のリクエストが送信されます。
受け取ったSSPはサイト訪問者の情報を連携している各DSPに送信、その情報を受け取ったDSPはその訪問者に合った広告をSSPに提示、SSPはその中から一番収益が最大化される広告を選択する、そして選ばれた広告がユーザーに表示されると言う形で行われます。
このやり取りにおいてDSPは広告の収益を最大化する、SSPは広告を安く効果的に出稿すると言う視点で最適な広告を選出します。
このようなやり取りがユーザーがサイトに訪問した瞬間から、ミリ秒単位と言う短い時間で行われ、ユーザーに最適な広告が表示されているわけです。
この時のDSP、SSP間のやり取りによる仕組みは、RTB(RealTimeBidding)と呼ばれ、2010年にアメリカニューヨークで誕生、日本には2011年に初めて導入され、現在では広く普及しています。
DMPには、上記のDSPとSSPのやり取りであるRTBにおいてDSP、SSPそれぞれの目的を手助けし、効率化すると言う役割があります。
RTBにおいてDSPはサイト訪問者の情報を元にどの広告を出稿するべきかを判断しますので、できる限り多くの情報を必要とします。
そしてSSPは、サイト訪問者の情報が多いほうがDSPから提示される広告が増え、選択肢が増えます。
その必要な情報を提供するのが多くの情報を蓄積しているDMPであり、RTBはDMPの情報を元に取引を円滑に行うことができると言うことになります。
以上のように、DSP、DMP、SSPには、それぞれに重要な役割があり、どれか一つでも欠けてしまうと、広告配信を効果的に行うことができなくなってしまいます。
この3つをうまく利用することで、広告取引の効率化やターゲティング精度の向上が可能となりますので、3つの違いや関係性を正しく理解し活用していくことが重要です。