お客様満足度をアップさせる?!カスタマーエクスペリエンスとは?!
一般的には顧客満足度と呼ばれています。営業や販売の経験がある方ならご存知だと思いますが、初めて聞いたという方にも分かりやすく紹介していきたいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
まず、顧客満足度について調べてみました。
顧客満足とは、企業が提供するサービスや商品によって、顧客に満足してもらうことを目的とした概念のことです。英語では「Customer Satisfaction」といい、一般的に「CS」と言われています。
「顧客がどれほど満足したかどうか」は、本来漠然としており、個人の主観によるところですが、その満足の度合いをアンケートなどの調査によって数値化し、客観的に評価できる指標として可視化されたものを【顧客満足度】といいます。
(引用:顧客満足度ガイド URL:https://cs.oricon.co.jp/guide/about.html)
顧客満足度が高いほど、ブランドやお店の「リピーターが増える=利益が増える」ので、多くの企業がお客様満足度(顧客満足度)を重要視し、意識しています。
では、どのような企業が顧客満足度が高いのでしょう?次のコーナーでリサーチします!
満足度が高い企業は超有名なところばかり!!
2018年に日本生産性本部のサービス産業生産性協議会が発表した調査によると、上位の企業やブランドは以下の通りとなっています。
具体的には、2018年度のJCSI(顧客満足度調査)の第4回調査として、8業種(百貨店、生活用品店、ホームセンター、衣料品店、各種専門店、旅行、国際航空、国内長距離交通、教育サービス)等の88企業の満足度調査を実施しています。
1 | 2 | 3 | |
旅行(企業・ブランド) | 日本旅行 | ジャルパック | 近畿日本ツーリスト |
国際航空 | ANA | シンガポール航空 | JAL |
国内長距離交通 | スターフライヤー | スカイマーク | ANA |
日本旅行は、「顧客満足」以外にも「知覚品質※1」や「推奨意向※2」などの部門でも1となっています。加えて、「ロイヤリティ※3」の部門でも首位であり、高い人気を誇っていることが分かります。
※1知覚品質:顧客が購買目的に応じて感じている品質のこと。商品・サービスをほかのものと比べた時に顧客が優位性を感じた品質のこと。企業がいくらこの機能を
高めたといっても、顧客にとって意味のないものであればブランド資産を高めることはできない。
※2推奨意向:使った商品やサービスを口コミで他の人に進めたいかどうかの指標。最近はネットで大多数の人に向けて評価や感想を発信することもある為、この指標も顧客満足度に繋がる重要なポイントとなる。
※3ロイヤリティ:この先も同じ商品やサービスをリピートして使っていきたいかどうかの指標。商品やサービスに1度満足しただけでは、リピーターになるかどうかは定かではない。よって、この指標も重要である。
また、国際航空では、ANAが「顧客満足」から「顧客期待※4」、「知覚価値※5」~「ロイヤリティ」までの6部門すべてで1位という快挙を獲得しています。
※4顧客期待:商品、サービスへの、こうあってほしいという「お客様の気持ち」のこと で、その名の通り期待値を指標で表す。
※5知覚価値:消費者が製品に対して抱く品質や費用に対する総合的な価値判断のこと。
そして、国内長距離交通の部門では「スターフライヤー(国内線の航空機)が、なんと9年連続での1位という快挙を得ています。
さらに、国内航空部門においては、10年連続1位を獲得しており、根強い人気がうかがえます。各指標においては、6項目中、5項目で1位となっていました。
これらの企業は、なぜこれほど総合的に顧客満足度が高いのでしょうか?次のコーナーで素朴な疑問を解いていきたいと思います。
トップ3企業の満足度が高い理由を探ってみた
まず、日本旅行から。こちらはリサーチしてもなかなか解明できるような記事が出ておらず、利用者の方々の評価から調べてみました。
ここでは、「Rank roo みんなの口コミを集計したランキングサイト ランクルー」を参考にします。総合的な評価数は15件(2019/6/3現在)であり、評価5段階のうち、3・81となっています。
良い口コミを中心に集めてみました。
・現地でのツアーも本当に楽しく、盛りだくさんで素敵な時間を過ごせた。担当の方にも親切に対応していただき、とても感謝している。
・日本旅行は旅行会社の中でも有名なこと、JRのセット旅行が多いことから利用。ホテル・JRが一緒になりお得な料金で旅行することができた。従業員の方もとても親切に対応してくれ、旅行の手配中も丁寧に説明してくれた。
・赤ちゃんを連れての初めての旅行で利用。申し込む前に新幹線の座席や授乳室、オムツ交換スペースなどについて尋ねると旅行会社なのにとても親切に教えてくれた。
旅行中だけではなく、申し込む際の対応や、お客様からの不安や疑問にも丁寧に対応されている印象を受けました。ツアーの企画や接客面でお客様の立場になり、満足のいく旅行となるように充分に配慮されている様子も伝わってきます。人気の理由が分かりますね!
次はANAです。
こちらは、ANAのサイトを参考にさせていただきます。
驚いたのが、お客様サービスのクオリティを段階を踏んで評価、改善できるように徹底し、常に進歩していけるようなシステムが存在していた点です。以下を参考にしていただければと思います。
「サービス・クオリティ・マネジメント全体図」
Plan⇒ | Do⇒ | Check⇒ | Action |
商品戦略の立案 | 商品・サービスの提供 | 顧客満足度調査
・インターネット調査 |
ブランド戦略会議 |
クオリティの明確化 | クオリティチェック
・モニタリング調査 |
部門別品質管理 | |
クローズド・ループ
・「お客様の声」の分析 ・サービスフロントのレポート |
職場の改善活動 |
また、表の中で「クローズド・ループ」という聞きなれない言葉が出てきましたが、それについては次のように説明されていました。
・「お客様の声」および「社員の気づき」を組織を通じて集約・分析し、商品・サービスの企画・改善に活用するしくみ。
⇒常に変化するお客様の声にダイナミックに対応し、継続的に確信し続けるグループ企業を目指す。(出典・参考・一部引用:ANA お客様満足向上を支えるしくみ https://www.ana.co.jp/group/csr/customers/contrivance.html)
このような徹底したお客様満足の追求と分析を、より良いサービスに活かす姿勢が顧客満足度調査において6部門すべてで1位を獲得した理由の一つかもしれません。
最後はスターフライヤーです。
こちらは、「格安チケット・金券ショップ チケットレンジャー」を参考にさせていただきます。以下が主な人気の理由のようです。
<料金>別の国内線の航空運賃よりも約10%安い。また、航空券がスターフライヤーの株主優待券を使用すると航空券が半額になる。
<座席>一般のエコノミークラスより前後の感覚が広めに作られているので、のんびりと寛げる。また、フットシートを常時配備し、足を伸ばして座ることも可能。
<充実した機内のサービス>各席に液晶モニター搭載。ビデオ・オーディオで20チャンネル視聴可能。(全便・全座席で装備しているのは国内緯線ではスターフライヤーだけ)
また、飲み物サービスも充実していて温かいスープなども用意されている。特にコーヒーが美味しいと評判で、タリーズコーヒーが提供している。
利用するお客様の費用の負担を抑えめに、でも提供するサービスは出来る限り満足度が高くなるように配慮されており、長く首位を獲得している理由が分かった気がします。
では、これらの成功している企業のようにお客様の満足度を高めるには、具体的にはどのような戦略が必要になってくるのでしょうか?ここでカスタマーエクスペリエンスがいよいよ登場します!詳細はラストのコーナーで説明していきます。
カスタマーエクスペリエンス=「顧客体験」全てはお客様を理解することから
カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience)を日本語に訳すと「顧客体験」という意味になります。一般的には略してCXと呼ばれていることが多いです。
具体的には、サービスや商品そのものの金銭的な価値ではなく、それらを使用した時に得られる体験などを通したお客様の満足感などの価値を指していいます。
最近のネット社会において、ユーザーが容易に他の企業やブランドに乗り換えることが増えてきており、多くの企業で対策としてこのカスタマーエクスペリエンスに力を入れ始めているといいます。
カスタマーエクスペリエンスの特徴としてお店や商品の外装、サービスの質、スタッフの接客態度などを含めてお客様と企業(ブランド)との関わりを一筋の「流れ」として解釈する点が挙げられます。
また、その一筋の流れの中で、お客様の評価や気持ちに注目する点も特徴として含まれています。
カスタマーエクスペリエンスの仕組みをグラフにしてみました。