商品を販売していくためには、どのような形態であっても販売を促進させる活動が必要です。
そして、その活動は、現在の商品が売れなくなっている状況ではより欠かせないものとなってきています。
実際に、多くの企業がその販促活動に注力していますが、それらは必ずしも成功するわけではありません。
成功している販促には成功の理由があり、成功したいのであれば、それらから学ぶことが大切なのです。
そこで今回の記事では、成功事例から学ぶ販促活動について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
販促とは、販売促進の略称で、セールスプロモーションとも呼ばれ、消費者の購買意欲を刺激し、商品の購入を促すための活動を指しています。
この販促は、広告運用などのマーケティング活動と混同されることが多いですが、両者は基本的に異なる活動であり、その違いは簡単に言うと、その活動の対象が異なると言うことです。
マーケティングが消費者を対象としているのに対し、販促は商品自体を対象として活動を行います。
従って、実店舗における商品の陳列方法や、販売員の教育なども販促活動に含まれるのです。
従来では、商品を販売するためには、マス広告を利用するのが主流となっていました。
このマス広告は、テレビやラジオ、新聞、広告などのマスメディアのことを指し、情報の入手方法が限られていた時代では、最も効果のある広告戦略でした。
しかし、インターネットの普及により、消費者はインターネットから情報を入手できるようになります。
そのため、広告の流れもマス広告から、WEB広告へと移行し、WEBを利用したマーケティング活動が主流となっていきます。
そして、現在では、IT技術はさらに進化を遂げ、スマートフォンやタブレットなどの端末が幅広く普及し、消費者は様々な経路から膨大な情報を簡単に入手することができるようになっています。
商品に関する情報もたやすく入手できるようになったため、商品に対する消費者の目は厳しくなり、数ある商品の中から自社の商品を選択してもらうことが難しくなっているのです。
しかし、このようにインターネット検索やSNSの活用などで膨大な情報を得ることが可能となったとはいえ、インターネットへの依存が低いシニア層などの間では、いまだに4マスが主要な情報源となっています。
そして、高齢化が問題となっている現代では、そのシニア層は企業において重要なターゲット層なのです。
つまり、現在の主流となっている情報経路だけでなく、従来から利用されているすべての情報経路をおろそかにすることはできない状況となっているのです。
このような情報過多の状況の中で、必要とされているのが販促活動であり、膨大な商品の中から自社の商品を選択してもらうためには欠かすことのできない活動となっているのです。
現在では、多くの企業が様々な販促活動を行っています。
しかし、同じような商品は数多く市場に出回っていますので、効果を得られないケースも多く、販促にも明確な差別化が必要な状況となっています。
実際に、差別化に成功した事例としては、大手の飲食店チェーン「ガスト」が挙げられます。
ガストでは、まず、アプリ限定で特別クーポンを発行し、さらに、位置情報を用いてプッシュ通知やGPS機能を利用した店舗検索などを活用し、集客に成功しています。
通常、店舗検索は公式サイトへアクセスしなければなりませんが、その手間を省き、ユーザーが手軽に確認できるようにしたのです。
また、無印良品を運営する良品企画では、客室内が全て無印良品の商品でコーディネートされたホテル、MUJIHOTELを開業しました。
このホテルは、シンプルでありながら高品質である無印良品のコンセプトを体現したものであり、宿泊を通して、商品の実際の使い心地を体験してもらうという狙いもあったのです。
もともとの無印良品の顧客であれば、気になっていた商品を試すことができますし、全く使用したことの無いユーザーにも商品の品質を体感してもらうことができるわけです。
そして、これにより無印良品は自社のイメージアップに成功し、新規顧客の獲得とさらなるリピーターの獲得にも成功しているのです。
さらに、大手コンビニエンスストア「ローソン」では、Ponta会員に対し、Twitterを活用した販促を行いました。
これは、ハッシュタグをつけてツイートを行うだけで、キャンペーンにエントリーができ、さらに、その後実店舗で買い物をするとボーナスポイントがもらえると言う仕組みであり、これによりユーザーに来店を促したのです。
この試みは、SNSを利用したエントリーの手軽さから大きな注目を集め、実際に、ユーザーの多くが来店し、集客に成功したのです。
このように、販促活動には様々な方法があり、企業はそれぞれに合わせた販促施策を打ち出しています。
成功した事例には、ユニークな切り口のものが多く、アイデア次第ではいろいろな販促活動に役立てる事ができます。
ただし、注意しなければならないのは、大切なのは商品を購入してくれる消費者だということです。
どのような販促活動を行うにしても、まず、消費者のことを考え、何をしたら消費者に興味を持ってもらえるのかを第一に考えることが大切なのです。
販売促進と言っても、その業種、提供している商品、サービス、またターゲット層によって、効果のある施策は異なります。
そのため、今回説明したような成功事例を参考にしても、必ずしも成功するわけではありません。
まず、どのような施策が自社に適しているかを考え、最大限の効果を得られる施策を行うことが重要なのです。