単品リピート通販のカニバリゼーションを防いで売上を上げる!

マーケティング活動を行っていくうえで、知っておくべきである重要な言葉はいくつもありますが、その中で、最近注目を集めているのが、カニバリゼーションと言う言葉です。

一般的に、あまり使用される言葉ではありませんが、マーケティングを行う上では、その意味を正しく理解していくことが必要となります。

そこで今回の記事では、カニバリゼーションの意味や活用方法について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

カニバリゼーションとは?

この言葉は、本来、生物界における共食いを意味する言葉です。

マーケティングにおいては、市場において自社内やグループ企業内のブランドや商品同士が競合してしまう状況を、生物界の共食いに見立て、この言葉を使用しています。

この場合共食いとは、すなわち、自社の商品同士で顧客の奪い合いとなるということです。

具体的には、同系列のコンビニエンスストアが周囲に乱立するというような状況や、同じ企業が類似商品を多数販売しているというような状況を指して、カニバリゼーション現象と呼ぶのです。

この現象が発生するのには、2つの要因があります。

1つ目は、予想外に発生してしまうケースです。

これは、市場における商品の位置取りや流通の統制がとれていないというようなことで発生するケースであり、商品戦略や流通戦略の失敗が大きな原因と言えます。

2つ目は、企業が戦略上必要と判断し、計画的に発生させるケースです。

これは、市場における自社の立ち位置を堅固にする、競争力を強化するためと言った理由で、戦略の一環として用いられます。

予想外に発生するケースはどう防ぐ?

意図していないにもかかわらず、予想外に発生してしまうケースの典型的な例が、新商品が類似商品の既成商品の市場に進出してくるケースです。

これは、既存商品と価格設定や機能が類似している新商品を販売する際に、市場の位置取りやターゲティングが間違っていたり、曖昧になっている場合に発生します。

自社に同じような商品があるにもかかわらず、明確に差別化をしなかったために、ターゲット層が重複してしまい、この現象を引き起こしてしまうのです。

このような状況に陥らないためには、新商品の企画の時点から、市場リサーチやテストマーケティングなどを徹底して行うことが大切です。

これにより、新商品の位置取りやターゲティングの精度が上がりますので、既存商品とのこの現象の発生を防ぐことができます。

また、新商品の位置取りやターゲティングが的確であっても、既存商品の位置取りやターゲティングに徐々にずれが生じてくることで、この現象を引き起こすこともあります。

市場は刻々と変化するものですから、既存の商品の周辺の環境も変わっていきます。

その変化した立ち位置に新商品が投入されれば、事前の位置取りは的確であってもこの現象は起こってしまうのです。

これに対応するには、既存商品の位置取りを再度行う必要があります。

また、この現象が起こる前に、既存商品の市場リサーチを行うことも重要です。

計画的に発生させる理由とは?

計画的に発生させるケースの代表的な例が、お菓子類です。

同じ商品でありながら、味の違う商品が複数販売されていることが多いため、当然のことながらこの現象が発生してしまいます。

しかし、これは、あえて類似商品の種類を豊富にすることで、消費者がどの商品を選択しても自社の商品を選択するという状況を狙っているのです。

たとえ、これによりこの現象が発生したとしても、競合他社の類似商品を排除することはできますので、自社全体の商品売り上げを上げることはできるのです。

この手法は、前述のコンビニエンスストアや自動車などでも良く用いられています。

駅前などに同系列のコンビニエンスストアを乱立させるのは、消費者を自社の系列内に取り込むためです。

また、自動車業界では、ターゲット層が重なってしまうにもかかわらず、似たような車種をあえてラインナップすることで、この現象を発生させ、どのターゲットも自社の車種を選択するように仕向けているのです。

これは、どのような業界でも行われている手法であり、自社の売り上げを上げるという目的だけでなく、この現象を無闇に発生させることで、競合他者が市場に参入しているのを予防するという意図もあるのです。

この現象は、市場に商品が溢れかえっている現在では起こりやすい現象と言えます。

商品が増加したことにより、自社内で顧客を奪い合うような状況になってしまっているのです。

この現象が発生してしまえば、マーケティングを行う上で、見込んでいた成果を出すことができなくなりますので、戦略を一から見直さなければならないということにも成り兼ねません。

普通であれば、起こしてはならない現象であり、多くの企業はこの現象を引き起こさないように取り組んでいます。

しかし、中には、前述のように、戦略的にこの現象を発生させるケースも存在しています。

このケースは、そもそも市場シェアが大きい企業だからできることです。

あえてこの現象を起こすというは、非常にリスクの高いことであり、通常であれば、そのような戦略をとることは不可能なのです。

まとめ

この現象は、予想外に発生してしまうケースが多く、事前に予防することが重要です。

戦略上、あえて発生させる場合もありますが、これは一般的には非常にリスクが高く、現実的ではありません。

いくつもの商品を販売していく中では、どうしてもターゲットが重複してしまうということはありますが、商品を明確に差別化するなどで防ぐことは可能です。

発生してから困ることがないように、事前にこの現象を防ぐ施策を行うことが重要となるのです。