単品リピート通販のカタログ通販はこのまま無くなってしまうのか?

通信販売市場は年々拡大化しており、特にインターネット通販は、スマートフォンの普及により著しい成長を見せています。

一般的にもインターネット通販が話題になることは多いですが、ほかの通販が注目されることはほとんどありません。

特に、カタログ通販は以前はいたるところでカタログを見かけるほど支持の高かった通販ですが、現在では従来のような勢いは見られないのが現状です。

そこで今回の記事では、カタログ通販の現状について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

カタログ通販とは?

カタログ通販とは、通信販売会社が商品カタログを顧客に提供し、顧客はそのカタログを見て好みの商品を電話やインターネットで注文する販売方法です。

インターネット通販と同様に、自宅に居ながらにして手軽に商品を購入できるところが大きな特徴であり、インターネット通販が普及する以前から、電話注文を主として行われてきました。

インターネット通販と異なる点は、カタログと言う紙媒体で商品を選択することができるという点であり、インターネットになじみのない中高年世代には現在でも支持されています。

このカタログ通販で購入できる商品は、多岐にわたっており、アパレル関連商品はもとより、大型家具、化粧品、食品などあらゆる商品を購入することができます。

このカタログは、DMとして顧客個人あてに配布されるケースが多いですが、街頭や建物内にフリーマガジンとして置かれているケースや雑誌として書店で販売されているケースもあります。

このカタログには、商品の画像や詳細な情報、購入方法、また、カタログ提供元である企業の情報や、コールセンターの情報などその通販に関する情報がもれなく掲載されていますので、安心して商品を購入することが可能です。

カタログ通販の代表的な企業のなかでは、ディノス、セシール、千趣会(ベルメゾン)、ニッセン、ベルーナ、イマージュ、ムトウ、通販生活などが人気が高く、これらの企業はカタログだけでなく、インターネット通販も行っています。

カタログ通販は、以前はテレビ通販とともに、通販市場をけん引する代表的な存在でしたが、現在では、インターネット通販の陰に隠れ、以前の勢いはまったく失われてしまっています。

この大きな要因は、インターネット通販の躍進ですが、この躍進を後押ししたのは、顧客の視点に立つという顧客重視の考え方であり、インターネット通販では早くからこの重要性を認識し、顧客満足度を高める努力を続けており、その結果としてこれほど成長することができたのです。

カタログ通販が生き残るには?

そもそも、通販は顧客との接点が少ない販売手法であり、注文時と商品発送時位にしか顧客と接することがないケースがほとんどです。

しかし、インターネット通販では、この数少ない接点を最重要事項と考え、顧客が使いやすいようサイトの利便性を上げるといった様々な対策をとっているのです。

これは、売り上げにも直結する問題であり、顧客重視の施策を行い顧客満足度を上げる努力をしているサイトは、実際に、売り上げも伸ばしています。

この顧客の視点を重視することは、インターネット通販だけでなく、カタログ通販などのすべての通販において重要であり、これを取り入れることで現在も成長を続けているカタログ通販も存在します。

その一つが、カタログ通販の代表的な企業である、ディノス・セシールです。このディノス・セシールは、2000年にディノスとセシールと言う大手の通販会社が合併して誕生した通販会社です。

ディノス・セシールは、マーケティングに注力していることでも有名ですが、マーケティング専門のスタッフは存在していないそうです。

これは、顧客データを社員全員で共有し、会社全体でマーケティングを行っているためであり、社員全員が専門のマーケターでもあると言うことなのです。

このディノス・セシールのカタログは、顧客のデータから嗜好や関心などを徹底的に分析し発行しています。

近年は、インターネット通販になじみのない60~70代の高年齢層をターゲットとしたカタログを発行し、好評を博しています。

この高年齢層向けカタログは、この年代が抱える悩みや関心を反映した品揃えになっています。

具体的には、健康食品やサプリメント、健康グッズや体の機能の衰えをカバーする商品などが豊富に揃っています。

さらに、高年層でも読みやすく、わかりやすいカタログ作りを行っており、通販に慣れていない顧客でも簡単に購入できるようになっています。

これらはすべて、顧客の視点に立って考えられており、この施策の効果から、ほかのカタログ通販が売り上げを落としている中で堅調に売り上げを伸ばしているのです。

また、この顧客の視点に立つという考えのもと、さらなる改善も行っており、今後も顧客の利便性を上げる工夫をし続けることで、売り上げを伸ばしていくことが予想されています。

まとめ

以上のように、インターネット通販に押され、勢いを失っているカタログ通販の中でも、売り上げを伸ばしている企業も存在するのです。

これは、インターネット通販がいち早く取り入れた顧客重視の考えを取り入れ、さらに会社を上げてマーケティングに注力した結果なのです。

ほかのカタログ通販でも、この考えを重視し、実行に移すことができれば、同じように以前ような勢いを取り戻すことができると考えられます。