コーズマーケティングで単品リピート通販の定期購入の継続率を上げる!

コーズマーケティングは、近年、多くの企業が取り組み始めているマーケティング手法です。

社会貢献の一環として実践する企業が増えていますが、自社の収益にどの程度効果が出ているのかを測ることが難しく、うまく運用できていないケースも多いようです。

しかし、中には成功事例もあり、そのケースでは定期購入の継続率の向上に繋げることが可能となっています。

そこで今回の記事では、コーズマーケティングについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

コーズマーケティングとは?

コーズマーケティングとは、特定の商品を購入することで、その収益の一部が寄付などの社会貢献に使用されると言うことを消費者に訴求することで売り上げを上げる販促手法の一つです。

具体的には、商品を販売する際に、「この商品の売り上げは10%が環境保護の活動に役立てられます」と言うようなことを、消費者にアピールしていく手法となります。

この手法の大きな特徴は、商品を購入するだけで社会の役に立てたと言う気持ちを顧客に持たせ、寄付先も財源を得ることができ、自社においては商品が売れることで収益を得ることができるだけでなく、イメージアップにも繋がると言う、関わる全てに対しメリットが大きい事です。

この商品の売り上げの一部を寄付するという手法は、以前から行われていましたが、近年導入する企業が増えています。

しかし、この手法は社会貢献とともに、売り上げを上げることを目的としていますが、売り上げへの影響がどの程度かわからず、ただ単に社会貢献をしているだけと言う状態になっているケースも多く見受けられます。

自社の利益で社会に貢献をしたいというのは素晴らしいことですが、利益を求めずにこのような活動を続けていくことは非常に困難です。

長期的に取り組んでいくためには、利益と両立させることが必要になります。

また、この手法は、活動内容によっては、利益だけが目的と思われてしまうこともあります。

そうなった場合、売り上げが低下するだけでなく、会社全体のイメージダウンとなってしまうことも考えられますので注意が必要です。

コーズマーケティングを行うメリット

上記のように、コーズマーケティングは自社の利益を生み出しながら、社会に貢献ができるマーケティング手法です。

環境保護活動や人道支援活動などの社会貢献に関心のある消費者は多いですが、実際に行動に移すということはなかなか難しいものです。

この手法は、そのような消費者に対し、企業全体が社会貢献に取り組んでいる姿勢を見せることにより、会社そのもののイメージも向上させ、自身も社会の役に立ちたいと考える消費者を引き付けるのに最適な方法です。

実際に、このような商品は、多くの消費者の購買意欲に強く影響します。

似たような商品であっても、一般の商品と社会貢献に繋がる商品が並んでいれば、後者を選択する消費者が多いのです。

また、そういった消費者は、社会に役立つのならば、より多くの金額を支払っても良いと考えます。

その商品を選択することによって、消費者自身が社会貢献に参加することができているという思いを持たせることができるというのがこの手法の大きな特徴なのです。

さらにこの手法は、消費者だけでなく、その企業の社員にも社会貢献に熱心に取り組む企業であるという誇りを持たせることもできます。

これは、社員のモチベーションを向上させる非常に大きな要素であり、こういったことを積み重ねていくことによりさらに、消費者に信頼できる企業だということを示すことができるのです。

コーズマーケティングの具体例

実際にこの手法を取り入れた例として、健康食品を取り扱う会社のケースを挙げると、この会社では、定期購入の継続率を向上させるために、コーズマーケティングを取り入れることを選択しました。

具体的には、定期購入の売り上げの一部を子供の教育支援に寄付しすることを顧客に訴求し、商品の同梱物にその寄付を受けた子供からの感謝のメッセージを添えたのです。

そして、このようなメッセージを毎月同梱し続けたところ、3か月後にはそのメッセージを同梱した顧客の継続率が明らかに向上したのです。

これは、顧客が社会に貢献できていると自己認識し、商品を続けて購入すれば、さらにこの社会貢献を続けることができると考えたからだと思われます。

誰でも、人から感謝をされるのはうれしいと感じるものです。

そして、それが困っている子供を助けて感謝されるということであれば尚更うれしく感じますし、自身が良いことをしているという思いが強くなります。

しかし、商品の購入をやめてしまえば、その良いことも辞めることになってしまいます。

そして、商品を続けて購入するかを決断する際に、このことが頭をよぎるのです。

つまり、商品を購入することで得られた子供からの感謝のメッセージや良いことをしている自身のイメージが、商品の購入をやめることにブレーキをかけるのです。

このように、自身の行動を一貫させたいと言う強い欲求から行動が制限されることを、心理学的には一貫性の原理と呼んでいます。

このケースでは、この一貫性の原理によって、定期購入をやめることが良くないことだと言う感情を顧客に抱かせ、それにより継続率が向上したのです。

まとめ

上記のように、コーズマーケティングは、うまく活用することにより、顧客の心理に影響を与え、利益を上げることができるようになります。

特に、近年は新規顧客の獲得が難しくなり、リピート購入、定期購入に注力するケースが多くなっており、その場合に、この手法は非常に効果的と言えます。

ただし、活動の内容が信頼にかけていたり、あまりに利益を求めすぎてしまうと逆効果になる恐れもありますので、注意して行うことが大切です。