単品リピート通販におけるエンゲージメントとは何?満足度、ロイヤリティとの違いを解説!

顧客満足度、顧客ロイヤリティと言う言葉は、マーケティングを行う中でよく耳にする言葉です。

しかし、最近では、これらの言葉に代わるエンゲージメントと言う言葉が注目を集めています。

この3つの言葉は、よく似た言葉であるため混同されるケースも多いですが、その本質は大きく異なるのです。

そこで、今回の記事ではエンゲージメントについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

エンゲージメントとは?

エンゲージメントとは、そもそも契約、成約、婚約と言った意味を持つ言葉ですが、マーケティングにおいては、企業と消費者の関係性を表す概念として使用されています。

マーケティングにおけるエンゲージメントは、主に顧客エンゲージメントと呼ばれ、顧客エンゲージメントが高いということは、顧客との関係性を構築できている状態であると言えます。

すなわち、顧客から信頼を得ることができ、親密な関係にある状態を指しているということです。

このエンゲージメントの高さは、自社や自社の商品、ブランドに対する愛着度の高さでもあるため、他社の商品やブランドへの乗り換えを防ぐことができるのです。

このような、顧客との関係性の構築を目的とするマーケティング戦略は、近年重要視されており、エンゲージメントマーケティングと呼ばれています。

ロイヤリティ、顧客満足度との違いとは?

このエンゲージメントと、間違われやすい言葉にロイヤリティ、顧客満足度と言う言葉があります。

どれもマーケティングにおいてよく使用され、顧客に関する言葉であるため、混同されているケースもあるようですが、この3者には大きな違いがあります。

先ほども述べたように、エンゲージメントとは、企業と消費者の関係性を表す言葉であり、その関係は単方向ではなく、双方向となります。

つまり、企業と消費者の立場は同等であり、主導権は双方にあるわけです。

一方で、ロイヤリティとは、忠誠心と言う意味から分かるように、顧客が企業や商品、ブランドなどに対しどの程度信頼をおいているか、愛着を感じているかの度合いを表しています。

つまり、ロイヤリティは顧客から企業に向けた単方向の関係を示しており、あくまでも顧客が抱く愛着度を知るために用いられる概念なのです。

その証拠に、ロイヤリティを測るには、NPSと言う顧客が企業の商品やサービスを第三者に勧める可能性はどの程度あるのか?と言う質問を顧客に行う測定方法を行いますが、エンゲージメントは、顧客の実際の商品の選定から購買に至るまでの行動を基に判断されるのです。

また、顧客満足度もエンゲージメントと混同されやすい言葉ですが、この両者の大きな違いは評価の対象にあります。

エンゲージメントは、企業と消費者の関係性を表すものであり、その対象は商品やサービスの直接の利用者である顧客以外にも存在します。

一方で、顧客満足度はあくまでも商品やサービスに対する顧客の評価なのです。

この顧客満足度やロイヤリティは、従来多くの企業で重要視されていたものですが、近年はこれらよりもエンゲージメントを重要視する企業が増えています。

その背景には、技術の進化により商品やサービスの品質が向上し、低価格で高品質の商品を手に入れることができるようになったこと、インターネットの普及により、様々な経路から情報を入手することが可能となり、消費者の購買行動も多様化していることが挙げられます。

機能や価格の面で商品やサービスを差別化することが困難となっているうえに、消費者の商品やサービスに対する評価が厳しくなっているのです。

このような状況の中で、顧客を獲得し、収益を上げていくためには、消費者と良好な関係性を構築していくエンゲージメントが重要であると考えられているのです。

エンゲージメントを高めるには?

エンゲージメントを高めていくには、まず、ターゲットを詳細に設定し、そのターゲットの購買行動を予測し、時系列で可視化することが必要です。

ターゲットの設定は、性別や年齢、居住地、職業、収入と言った基本的な要素だけでなく、そのターゲットが何に悩んでいるかと言った感情面に関する要素まで詳細に設定し、そのうえで、そのターゲットがどのような購買行動をとるのかを段階に分けて考えていく必要があります。

段階に分けることにより、どの段階にいる消費者にどのようなアプローチを行い、どのように接点を持つのかと言うことを考えることが可能となるのです。

そして、それに対する最適なマーケティング施策を実施することができるようになります。

この最適なアプローチにより、消費者と接点を持つことができ、関係性を築いていくことができるのです。

また、既存の顧客の購買行動をデータ化し、それを分析することもエンゲージメントの向上に役立てることができます。

顧客がどのような行動をし、商品の購買に至ったのかを詳細に分析することにより、どの段階でアプローチを行えば、エンゲージメントを高めることができるのか判断できるようになるのです。

この場合、顧客の情報が多いほどデータの精度が上がりますので、顧客に対するアンケート調査の結果なども含めてデータ化することが大切です。

さらに、効果的となるのが、継続して消費者に有益となる情報を提供し続け、消費者と接点を持ち続けることです。

こうすることで、商品やサービスの購入には至っていないものの、関心が高い見込み客を抽出することができます。

ここで発見できる見込み客は、有益な情報を継続して提供してくれる企業に対し、関心だけでなく、信頼感や好意を持っていることが多く、将来的に商品やサービスを購入してくれる可能性が高い消費者です。

消費者と接点を持ち続けることにより、このような商品やサービスを購入してくれる可能性が高い消費者を取り込むことも可能となるのです。

まとめ

従来は、顧客満足度や顧客ロイヤリティによって、顧客が商品やサービスに満足しているかを測り、マーケティングに役立てていました。

しかし、現在の質の良い商品やサービスが溢れかえる市場においては、これらの要素は役に立たなくなってきているのです。

そこで、注目され始めたのが、今回説明したエンゲージメントです。

エンゲージメントは、商品やサービスに対する顧客の評価ではなく、企業と消費者が商品やサービスを通じて良好な関係を構築していくことであり、これを高めることにより、関係性はより強固なものとなり、顧客の増加、収益の安定に繋がっていくのです。

エンゲージメントの高さは、消費者からの信頼の高さであり、これを高めることが現在の市場において最も重要なことと言えるのです。