単品リピート通販でNPSを有効活用して顧客満足度を上げよう!

従来、企業は顧客満足度を測ることを重要な指標としてきましたが、近年、それに代わる指標としてNPSと言う指標が注目されています。

このNPSは、顧客がどの程度企業へ愛着を持っているのかを測るものです。

このNPSが、顧客満足度よりも重要視される大きな理由は、NPSが会社の業績に直接影響するものだと言うことです。

そこで今回の記事では、NPSの特徴について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

NPSとは?

NPSとは、NetPromotorScore・ネットプロモータースコアの略称で、顧客が企業やブランドに対して、どのくらい愛着や信頼と言う感情を持っているかと言うことを数値化し、顧客のロイヤルティを測る指標です。

顧客に決められた質問を行い、第三者への推奨の度合いを回答してもらうことで算出していきます。

具体的な算出方法は、自社の顧客に対し、「この会社やブランド、商品などを友人や同僚などの第三者に勧める可能性はどのくらいありますか?」と言う質問を行い、0点から10点の11段階で評価してもらうことで算出します。

その評価とは、0点が全く思わない、5点がどちらでもない、10点が非常にそう思うという評価になります。

そして、0点から6点を批判者、7、8点を中立者、9、10点を推奨者とし、全体の推奨者の割合から批判者の割合を引くことで算出します。

従来、多くの企業は、顧客満足度調査(CS)を行うことで、顧客が満足しているかどうかを数値化してきました。

しかし、この調査結果が良い結果であったとしても、必ずしもリピート購入や購入回数の増加と言うような成果には繋がらないことが明らかになり、これを判断基準とはできなくなったのです。

実際に行われたある調査では、解約した顧客の8割が、直前に行われたCSにおいて、満足していると回答していたという結果が出ています。

これは、顧客が取引や商品に満足していても、その後また商品を購入してくれるとは限らない、つまり、満足しているからと言って、その顧客はロイヤルカスタマーとは言えないということなのです。

このような背景により、顧客満足度に代わる指標としてこの指標が注目され始めたのです。

NPSは業績に直結する!

NPSが注目を集めているのは、その結果が業績に直結するものであるからです。

実際にこの指標を開発した企業が、400以上もの企業やブランドにおける、1万人以上の評価を分析した結果、NPSは企業の売り上げ高成長率と高い相関があると明言しています。

NPSを向上させることは、企業にとって批判的な顧客が減り、推奨してくれる顧客が増えるということになります。

これは、顧客のリピート購入や購入回数が増え、アップセルやクロスセルも増加することに繋がるわけです。

また、NPSにおける推奨者は、批判者に比べ7倍以上もの好意的な口コミを発信するという調査結果もあり、第三者への好意的な口コミが増えることも期待できます。

このように、推奨者が増えるということは、企業の業績に多大な影響を与えるのです。

NPS導入の具体例

この指標には上記のような特徴があり、導入している企業も増加しています。

具体的な例として、某損害保険会社の場合、そもそも顧客満足度90%以上と言う高水準を保っていましたが、さらなるリピーターの獲得を目的としてトライアル的にNPSを導入しました。

社内では、顧客満足度が高めで安定していたため、既存顧客の維持はできているという認識でいましたが、いざNPSを算出したところ、思っていたよりも良い数値ではなかったのです。

そこで、実際に顧客の声を調査したところ、顧客は満足しているわけではなく、他社と比較検討するのが面倒、他社に変えるのが面倒と言うような理由で契約を継続していたのです。

つまり、顧客はこの会社だからと言う積極的な理由で契約を継続する訳ではなく、面倒を避けるという消極的な理由で契約を継続していたのです。

そして、さらなる調査により、NPSの値は、継続率と好意的な口コミ数と相関関係にあることが分かりました。

つまり、この指標を向上させることにより、リピート率、新規顧客獲得も向上させることが可能となると言うことが分かったのです。

これは、すなわち、NPSを向上させれば収益も向上するということですから、事業を展開していくうえで重視していかなくてはならない指標であることが分かったと言うことになるのです。

また、この会社ではNPSの導入により、従業員のモチベーションを向上させることにも成功しています。

前述の収益性を向上させるということは、会社としては非常に重要ではありますが、従業員にとってはそれほど重視すべきことではありません。

しかし、この指標の向上を目的とするということは、顧客に商品やサービスを推奨してもらうことであり、これは現場の従業員の明確な目標となります。

つまり、顧客に推奨されるために、具体的に何をしたら良いのかと言うことを考え、行動するようになるのです。

まとめ

このように、この指標は、その数値を向上させることにより、会社の収益を向上させ、さらに、従業員のモチベーションを向上させることもできるのです。

従来のCSと言うのは、良い点を見つけるというよりも、悪い点を見つけるためのものになってしまっており、従業員にとって前向きに捉えることができるものではありませんでした。

しかし、NPSは推奨してもらうために何ができるだろうかと言う前向きなとらえ方ができるようになるのです。

従業員のモチベーションが向上すれば、顧客への対応も確実に向上します。

そしてそれは、顧客の満足度や収益の向上などすべてに繋がっていくことになるのです。