単品リピート通販においてシニアマーケティングは「シニア」を強調しないことが大切!

現在日本は、超高齢化社会となっており、マーケティングにおいても、その高齢者に注目が集まっています。

この高齢者は、一般的にはシニアと呼ばれていますが、なかには、シニアと呼ばれることに抵抗を感じるシニアもいるようです。

そこで、今回の記事では、シニアを強調してはいけない理由について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

シニアとは?

シニアと言う言葉は、日常的に良く使用されていますが、何歳以上がシニアなのかと言う明確な定義はされていません。

一般的には、還暦を迎え定年退職となる60歳以上のことを指す場合が多いですが、50歳以上をシニアとする場合や、65歳以上をシニアとする場合もあります。

世界的に見た場合では、国連は60歳以上をシニアと定義し、WHO(世界保健機構)は65歳以上をシニアと定義しています。

シニアと言う言葉は、そもそも英語のSeniorが語源となっています。

これは、年長者、上級生、上級者、高いランクの地位にあると言った意味を持ち、どちらかと言うとポジティブな印象のある言葉です。

実際に、海外では、学校の上級生のクラスはシニアクラスと呼ばれているのです。

この言葉が、日本において高年齢の世代を指す言葉として一般的となったのは、それほど古いことではありません。

以前は、老人と言う言葉に代わる言葉として、シルバーと言う言葉が一般的でした。

この言葉は、年を取ると頭髪が黒から白に代わることから連想され付けられたものです。

それが、その後年月を経て、より語感が柔らかくマイルドな印象を持つシニアと言う言葉が使われ始め、シルバーに代わる言葉として定着したいったのです。

しかし、このシニアと言う言葉は、前述のようにポジティブな印象のある語源を持った言葉であるにもかかわらず、現在の日本ではネガティブにとらえられてしまっているようです。

シニアは自身をシニアだと思っていない!

実際に、一般の消費者が何歳以上をシニアと考えているのかと言うと、とある調査では、20代から50代までは、シニアとは平均61~63歳くらいのことだと答えています。

しかし、その60歳代になると年齢が上がるにつれ、シニアだと考える年齢も急激に上がっていきます。

60歳では、65歳がシニア、65歳では、69歳がシニアと答えているのです。

これが70歳代になると、自身の年齢をシニアと答える数が増えていきます。

この結果から、60歳代の消費者は自身をシニアとは考えておらず、70代になると自他ともにシニアであると認めていくということが分かります。

以上のように、シニアと言う言葉は一般的にネガティブな印象のある言葉となってしまっているのが現状です。

特に、調査の結果からみると、60歳代は自身をシニアと考えていないわけですから、シニアとひとくくりにされることを嫌がる消費者が多いと考えられるのです。

シニアと言う言葉は、シニアと呼ばれる年代にとってはポジティブな印象のない言葉だと言えるのです。

シニアマーケティングではシニアと言う言葉を使ってはいけない!

現在のマーケティングでは、シニアをターゲットとするシニアマーケティングに注力する企業が増えています。

しかし、シニアをターゲットにすると言っても、購買力の低いシニア世代をターゲットにしても商品が売れることはありません。

シニアの中でターゲティングをするのであれば、比較的若く、現在においても就労による収入がある世代をターゲットとする必要となります。

このような購買力のあるシニアは、アクティブシニアと呼ばれており、多くは60歳前後の消費者のことを指しているのです。

しかし、上記のことから、60歳代をターゲットとする場合、シニアと言う言葉の使用は控えたほうが良いと考えられます。

60歳前後の消費者は、自身をシニアと思っていない、もしくは思いたくないのですから、商品やサービスがシニア向けとされている時点で、全く関心を持たなくなるのです。

また、これは、シニアと言う言葉に限ったことではなく、シニアを連想させるような言葉全般に同じことが言えます。

例えば、悠々自適、いきいき人生、長寿、お達者などは、一般的にシニアに向けられる言葉であり、こういった言葉が使用されているだけで、自身には関係のない商品と判断されてしまうのです。

実際に販売されているシニア向けの商品では、シニアと言う言葉ではなく、シニアを連想させない他の言葉や画像、イラストなどでシニア向けの商品であることを表現しています。

具体的には、シニアの代わりに「大人」と言う言葉を使用する、シニアのイメージのイラストを使用する、シニアモデルを起用すると言ったことで、シニアと言う直接的な表現をできる限り避けているのです。

しかし、いくら60歳代の消費者が、自身をシニアと思っていないからと言って、実際はシニアであることに変わりはありません。

従って、若い世代と同じようなアプローチを行っても、シニア世代には通用しないのです。シニアにマーケティングを行うのであれば、シニアに適した手法を選択することが重要なのです。

実際に、多くの企業がシニアマーケティングの一環として取り入れている施策としては、文字を大きくするということが挙げられます。

これは通信販売やECにおいて、画面の文字を見やすくすると言うことだけでなく、実店舗においても行われており、シニアが見やすいように、案内板から飲食店のメニューなどすべての文字を大きく表示し、視認性を高めているのです。

また、百貨店やショッピングモール、飲食店などでは、シニアのために椅子やソファの高さを変更し、ぶつかることがないように間隔も広くとられています。

さらに、飲食店によっては、照明を明るくする、食べやすくやわらかいメニューを増やすなどの対策も行われているのです。

そして、このような施策は、全てシニア向けとは明言されていません。

あくまでも、消費者全体のために行われていることとし、シニア対策と感じさせないことが重要となるのです。

まとめ

シニアと言う言葉は、一般的には良く使用されていますが、シニア自身にとっては、あまり使用してほしくない言葉だと言えます。

人はいつまでも若々しくいたいものですし、年を取ったことを認めたくないものです。

シニアと言う言葉は、シニアにとって年を取ったという現実を突きつけられるようなネガティブなイメージの言葉であり、そのためにできるだけ避けたいと考えるのです。

シニアマーケティングは、シニアに商品やサービスを購入してもらうために行うものですから、わざわざシニアが嫌がる言葉を使用することは避け、シニアが気分よく商品やサービスを利用できるようにすることが重要となるのです。