「Hims」から学ぶ、D2Cビジネスの基本

ここ数年で、D2Cというビジネスモデルが非常に大きな盛り上がりを見せていますね。

D2Cとは、Direct to Consumerの略称であり、製造者となる企業やブランドが消費者と直接取引を行うビジネスモデルです。

つまり、仲介業者を介すことがないので従来までのビジネスモデルよりも大幅にコストを削減できることが魅力的なポイントですね。

アメリカで登場したビジネスモデルであるものの、日本でも2000年後半頃から徐々にD2Cビジネスモデルを採用する企業が多くなってきました。

D2Cビジネスを成功させたいと思えば、やはり成功しているビジネスモデルを参考に基本から理解していくことが一番でしょう。

ですが、日本ではまだ新しいビジネスモデルであるからこそ大きな成功を収めているD2Cブランドはまだ数が少ないことが現状です。

そこで今回は、海外D2Cブランド「Hims」から学ぶD2Cビジネスの基本を詳しくご説明させていただきたいと思います。

今後D2Cビジネスを展開していきたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

「Hims」とは

Himsは、メンズウェルネスD2Cブランドであり、薄毛やED、スキンなどの領域で男性の悩みに答えるためのプロダクトを展開しています。

日本国内ではまだあまり知られていないものの海外では新奇性があるD2Cブランドであり、そのアプローチ方法が注目を集めているのです。

従来までであれば薬を購入するとなると対面診療が義務付けられていたのですが、法律が変わり、一部では条件をクリアすることができればオンライン購入をすることができました。

そこに着目したHimsは、人と対面して薬を購入したくないというミレニアル世代の気持ちを捉え、急成長したのです。

デザインが工夫されたコンプレックス商材

男性にとって薄毛やEDとはコンプレックスと感じ、悩みの種になってしまいます。

ユーザーが抱えるコンプレックスを解決する商材のことをコンプレックス商材と言われてます。

もともとコンプレックス商材は存在していたものの、従来までのコンプレックス商材に関しては「デザイン性」を重視することはほとんどなかったのです。

だからこそ、ただ単にユーザーのコンプレックス心理を捉え、その悩みに対する解決策として自社商品を提示し期待値を作ることが一般的であったのですが、Himsでは、従来までの方法とはまったく異なり、デザインに注力したのです。

たとえばWebサイトのLPひとつをとって見ても、単純に素晴らしくデザインが良く見えるよう工夫したのです。

もしファッションブランドであれば、このようなデザイン性に工夫した商品を販売したとしてもそこまで話題に上がることはありませんが、コンプレックス商材であるからこそ人気を集めるD2Cブランドになったのです。

SNSを活用しコンプレックスをオープンに

Himsは上記の通り、高いデザイン性によって注目を集めたことでSNSでシェアをするユーザーが非常に多くなったのです。

通常であれば、薄毛やEDはできるだけ隠したいコンプレックスだと考えられるのですが、それよりもSNSでシェアをしたいという心理にさせたのです。

つまり「薄毛である自分」よりも「Himsというかっこいいブランドを使っている自分」という比較になり、自分を開示したいという気持ちが勝ったのです。

男性が自身の健康状態について1人で悩み相談できない状況ではなく、悩みやコンプレックスをオープンにして語り合い、感情を共有できるような状況になっているのです。

特にD2CビジネスのターゲットとするZ世代は、オープンコミュニケーションを重視することが特徴なのですが、だからこそこのようなコンプレックスをオープンにすることに抵抗がないのでしょう。

創業者のバックグラウンド

全世界規模で考えると今D2Cブランドは非常に多くの数があり、Himsは先陣を切ってD2Cビジネスに取り組んではおらず、すこし遅いスタートでした。

ではなぜここまで多くの注目を集め、ビジネスを成長させ続けているのでしょうか。

それには、Hims創業者のバックグラウンドに答えがあります。

Himsの創業者、アンドリュー・デュダム氏はAtomicの出身です。

AtomicはD2Cビジネスを拡大させるため、資金調達やサプライチェーンマネジメント、ブランディング、PRなどさまざまなことを行いブランドを支えており、D2Cブランドの成長には欠かせません。

アンドリュー・デュダム氏は、Atomicでの経験をもとに、ビジネスを確実に成長させています。

だからこそ後発ではあるもののここまで大きなD2Cブランドを創り上げたのでしょう。

まとめ

以上「Hims」から学ぶD2Cビジネスの基本についてお話させていただきました。

特にIT業界においては何でも素早く参入すれば良いと考えますが、実はHimsのように後発であるからこそ有利であることも多いのあるのです。

もちろんすべてのタイミングが合致した上でビジネスは成長するのですが、これからD2Cブランドの展開を検討されている方もぜひこのような事例を参考に、D2Cの基本を学んでくださいね。