組織を改革できなければD2Cは成功しない!

D2Cビジネスは、その特徴から、スタートアップ企業がブランドを立ち上げるケースが多くなっています。

しかし、市場が成長し、D2Cビジネスの注目度が増すにつれ、既存の企業やメーカーもこのビジネスに進出しているのです。

既存の企業やメーカーがブランドを立ち上げるとなれば、その知名度や資金力から容易に成功できると考えられがちですが、実際には、それほど上手く進んでいないケースも多いのです。

その理由は様々ですが、中でも多いのが組織全体にD2Cの概念が浸透していないということです。

そこで今回の記事では、D2Cを成功させるための組織改革の重要性について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

D2Cビジネスとは何か?

D2Cビジネスは、自社で企画、生産した商品を、中間業者を介することなく、自社ECサイトにおいて、消費者に直接販売する仕組みのビジネスモデルです。

このビジネスモデルは、2010年頃にアメリカで誕生し、その後2010年代後半に日本国内にも普及し始めました。

そして、順調に成長を続けていたところに、コロナ禍が訪れ、これを契機に急激にブランドの数を増やしています。

一般の消費者の間にも、D2Cと言う名前は広く知られるようになっていますが、実際に、何をもってD2Cなのかと言うことを理解している人は意外と少ないようです。

D2Cの仕組みは、先ほども述べましたが、簡単に言えば、自社で作った商品を、デジタルを活用しながら、消費者に直接販売していくモデルです。

しかし、この説明では、これまで行われてきたビジネスの中にも、同じようなビジネスがあったはずではないかと考える人もいます。

それは、間違いではなく、確かに似たような仕組みのビジネスモデルは以前より存在しています。

それにもかかわらず、D2Cが新しいビジネスモデルとされるのは、何に重きを置いているかが、これまでのビジネスとは全く異なるからなのです。

D2Cビジネスが重要と考えるのは、ただ商品を販売することではありません。

ブランドの世界観を構築し、それに対して消費者の共感性を生むことを最も重要と考えるビジネスモデルなのです。

既存の企業がD2Cを成功させられない理由

実際に、D2C市場には、徹底してブランドの世界観を追求しているブランドが多く、その世界観に共感した顧客を数多く集めています。

そして、その多くが、スタートアップ企業であり、デジタルを当たり前のように使いこなし、ビジネスとして成功させているのです。

このように、D2C市場が盛り上がりを見せている中で、増えてきているのが、既存の企業やメーカーによるD2C進出です。

名の知れた大手の企業やメーカーまでもが、D2Cに強い関心を持ち、事業を展開しようとしているのです。

そして、実際に多くの企業やーメーカーが、D2Cブランドを立ち上げたり、また、D2Cブランドを支援する事業を行ったりと、何らかの形でD2Cビジネスに関わってきています。

しかし、それらの事業が上手くいっているケースはそう多くありません。

その理由は、D2Cの考え方を社内に浸透させることができていないため、ビジネスを上手く転換させることができないからなのです。

これは、これまで企業やメーカーが行ってきたビジネスと、D2Cビジネスが大きく異なることが原因です。

従来のビジネスの概念からD2Cビジネスの概念への切り替えを行うことができていないのです。

そしてこれは、企業やメーカーの規模が大きくなるほど顕著となります。

これまでは、商品を売ろうと思った場合、企業やメーカーが商品を作り、それを卸売り会社や小売店などで販売するのが一般的な方法でした。

企業やメーカーが直接ECサイトで商品を売るようなことはなく、中間業者を介するのが当然と言う考え方であったのです。

しかし、近年スマートフォンが広く普及し、SNSを利用して消費者同志が直接つなることが当たり前となる中で、ビジネスの流れも大きく変わっていったのです。

そして、この流れは既存の企業やメーカーが考えていたよりも強く、早いものであったため、新らしいビジネスの概念を理解できないまま流れに乗ることとなってしまったのです。

これは、特に年代の高い層に多くみられ、企業やメーカーにおける地位の高い人ほど、D2Cの概念を受け入れることができていないのです。

企業やメーカーにおいて、現在高い地位にいる人は、既存のビジネスを長く経験し、また成功をさせてきた人たちです。

それ故に、既存のビジネスの概念に捉われており、新しいビジネスを受け入れることができないのです。

このような状況では、いくら現場の担当者がD2Cビジネスを理解し、進めていきたいと考えても上手くいくわけはありません。

ビジネスを成功させるためには、組織全体が同じ方向を向くことが必要であり、無理に進めても、情報の格差などが生じ、前に進むことはできないのです。

まとめ

既存の企業やメーカーがD2Cビジネスを成功させるためには、今回説明したように、まず、上に立つ人間の意識の改革組織全体の改革が必要となります。

D2Cビジネスの概念を受け入れる体制を整えたうえで、それに対応できる組織を構築していかなければならないのです。