D2Cは、企業が消費者に直接販売を行う新たなビジネスモデルとして注目され、多くの企業がこのD2Cに参入しています。
この流れは、新型コロナウイルスの流行前から見られていたものですが、現在のコロナ禍において、さらに注目が集まっているようです。
そこで今回の記事では、コロナ禍でD2Cが求められる理由について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
新型コロナウイルスの流行により、消費者のライフスタイルは大きく変化し、消費活動にも多大な影響を及ぼしています。
そのような状況の中においても、D2Cビジネスは消費者から注目を集め、人気が高まってきています。
その理由として考えられているのは、外出の自粛によってオンラインショッピングの利用やSNSの利用頻度が増加したことです。
ある調査結果によると、新型コロナウイルス流行前の2020年3月に比べ、緊急事態宣言により外出が自粛された5月のECの利用頻度は、3割以上増加したとされています。
これは、日ごろから日常的にECを利用している層の利用頻度が増加したこともありますが、今までECを利用していなかった潜在層が、コロナをきっかけとしてECの利用を始めたことが大きく影響していると考えられます。
また、SNSの利用頻度も3月に比べ、4月、5月と増加しています。
これは、人との接触を避けなくてはならないことから、オンライン上でコミュニケーションを求めるユーザーが増加したことが理由の一つであると考えられます。
また、近年では、情報の収集にSNSを活用するユーザーが増えており、コロナ禍においてそういったユーザーがさらに増加したことも利用頻度増加の理由と言えます。
さらに、注目すべきは、ECやSNSそれぞれの利用目的です。
コロナ禍においてのECの利用目的はその多くが、自宅で過ごす時間を快適にする商品を購入することです。
具体的には、ゲームやおもちゃ、書籍、家電など、いわゆる巣ごもりアイテムと呼ばれるものを求めるユーザーの多くがECを利用しているのです。
また、SNSの利用目的の一つである情報の収集では、どのような情報を求めているのかはユーザーそれぞれに異なり、その情報をどのSNSで収集するのかもそれぞれ異なります。
コロナ禍においては、それに関連したニュースや情報を求めるユーザーの多くは、TwitterやLINE、Facebookを利用しています。
一方で、Instaglamでは、そのような情報ではなく、グルメやコスメ、ファッションと言った、日常の生活を充実させる楽しみについての情報を求めるために利用されているのです。
このように、外出がままならない状態となったコロナ禍においては、ECを利用して買い物をし、SNSで情報収集、コミュニケーションをとるユーザーが大幅に増加したのです。
そして、D2Cはそもそも自社ECを軸として販売を行い、SNSを軸としてマーケティングを行うビジネスです。
特に、マーケティングにおいては、Instagramを活用するブランドがほとんどです。
このD2Cの特徴と前述のコロナ禍におけるユーザーの行動の変化が上手く合致したことにより、D2Cに注目するユーザーが大幅に増えたのではないかと考えることができるのです。
D2Cにとって、このコロナ禍はブランドの認知度を上げ、顧客を獲得する好機となっています。
しかし、ECやSNSの利用の増加は、コロナが流行する以前から見られていた現象であり、コロナ禍において一時的に加速したにすぎません。
そのため、D2Cはこの好機に浮かれるのではなく、次の局面を見据えて新たな戦略を練る必要があるのです。
この次の局面とは、新型コロナの流行が終息したその後を指しており、これを一般的にはアフターコロナと呼びます。
D2Cだけでなく、ビジネスにおいては、現在あらゆる企業がアフターコロナを見据えた戦略を練っているのです。
このコロナ禍では、大幅に収益を下げている企業も多く存在し、多くのビジネスが多大な影響を受けています。
しかし、D2Cはこのコロナ禍においても、ビジネスを拡大することができているのですから、アフターコロナではさらにそれを加速させることが重要なのです。
前述のように、D2Cには、SNSを最大限に活用できると言う特徴があり、コロナ禍で増加したSNSユーザーを取り込むことが可能なのです。
また、店頭での接客販売はコロナ禍では不安要素となっており、D2Cの販売手法は、この接客販売に代わる販売手段として非常に有効となります。
この状況を最大限に利用し、D2Cを新たな販売方法として広く認知してもらうことが重要となるのです。
コロナをきっかけにSNSを利用したユーザーは、企業やブランドとSNSを利用してコミュニケーションがとることが容易になっていることを知ったはずです。
このコミュニケーションと言うは、従来は、店頭に足を運び、直接顔を合わせなければ出来なかったことであり、実際にそうしていたユーザーが多いのです。
しかし、SNSで気軽にコミュニケーションがとれるのであれば、商品に関する詳細な情報や疑問点などを、わざわざ店頭に足を運ばずとも得ることができます。
そして、その得た情報を吟味したうえで、ECで商品を購入すれば良いのです。
このD2Cの販売手法は、利便性が高く、コロナ禍においては非常に有効な方法です。
今までは、店頭で購入してきたユーザーも、安全面を考えれば、この方法を選択せざるを得ないのです。
そして、D2Cでは、これをきっかけとして今まで縁のなかったユーザーを取り込んでいくことが大切なのです。
新型コロナウイルスの流行により、消費者は外出や人ととの交流をできる限り避けることが求められ、現在でもその状況は続いています。
この状況において、消費者に求められたのが、ECを利用した買い物、SNSを利用した情報集やコミュニケーションなのです。
そして、D2Cの特徴は、消費者が求める要素に上手く合致し、注目を集めることとなったのです。
しかし、この状況がいつまでも続くわけではありません。
ビジネスにおいては、次の局面を見据えることが必要であり、D2Cはこの好機をきっかけとして、認知度を上げ、新たな顧客を開拓していくことが重要となるのです。