D2Cビジネスで知っておくべき「ユニファイド・コマース」とは

ここ数年で耳にする機会が非常に多くなった、D2Cというビジネスモデル。

今では自社ブランドを持つメーカーがD2Cビジネスを展開していることでしょう。

D2Cとは、Direct to Consumerの頭文字を取った略称であり、製造者が消費者に対し、直接商品を販売するビジネスモデルです。

D2Cのような直販型ビジネスモデルは、一見すると真新しさは感じないものの、近年D2Cという概念が確立されているの理由は、モノと情報が溢れる今の時代で消費者の価値観が変化し、流行や高級志向ではなく、自分に合った商品を重視する方向にシフトしたことでしょう。

そしてD2Cビジネスが主流になるにつれて、新しいトレンドとして「ユニファイド・コマース」も注目されており、D2Cビジネスにおいての重要性も今後より一層高まっていくことが考えられます。

そこで今回は、D2Cビジネスで知っておくべき「ユニファイド・コマース」とは何か、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後D2Cビジネスを効率良く進めたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ユニファイド・コマースとは

ユニファイド・コマースを直訳すると、統一された商取引という、マーケティング用語です。

実店舗、ECサイト、コールセンターというチャネルの隔たりを取り払い、顧客に対し統合された購入体験の提供を目指しており、施策としては「統合されたレコメンド」「購入後のフォロー」「スタッフの接客」などのサービスがあります。

統合されたレコメンドでは、たとえば実店舗を運営しているD2Cコスメブランドの場合、そこで商品購入した顧客に対し、適切なタイミングで、アプリでのプッシュ通知やメールマガジンを送り、ECサイトへと誘導していきます。

購入後のフォローは、実店舗で商品を購入した顧客に対し、その日中にサンクスメールを送信し、商品のより良い使い方や、コーディネートなどのコンテンツを提供し、ECサイトでも購入することが出来るアイテムを紹介していきます。

そしてスタッフの接客は購入履歴、問い合わせ履歴などを統合した顧客データを作成し、そのデータを活用して接客を行います。

これにより、顧客に統合された購入体験を提供することができるのです。

なぜユニファイド・コマースが重要視されているのか

ここ数年で、実店舗とECサイトというように、複数のチャネルで商品販売を行うD2Cブランドが多くなっています。

ですが、マルチチャネルやオムニチャネルに取り組む際、チャネル間のデータが連携していなければ、顧客体験を高めることができません。

顧客属性や検索キーワードに関連付けたレコメンドでは、顧客が本当に求めているモノを、最適なタイミングで提供することは難しいので、このような課題を解決するためにも、ユニファイド・コマースにより、統合された購入体験を提供することが注目を集めているのです。

オムニチャネルの進化系

オムニチャネルは、実店舗やECサイト、SNS、ダイレクトメールなどのさまざまなチャネルにおいて、どこでも顧客が求めているものを同じように購入することができる環境を作ることであり、ユニファイド・コマースは、オムニチャネルの進化系のマーケティング手法であるとも言われています。

ユニファイド・コマースは、これらさまざまなチャネルから得た顧客属性、実店舗での購入履歴、ECサイトでの購入履歴、コールセンターへの問い合わせ、アプリ利用履歴、SNS上での行動、Webサイト閲覧履歴などのデータを活用し、顧客に合わせた最適なサービスや商品を、最適なタイミングで提供することを目指しています。

つまり、ユニファイド・コマースは、いつでもどこでも商品を購入することができるオムニチャルに、One to Oneマーケティングの要素を加えた販売手法なのです。

OMOとの違いとは

ユニファイド・コマースとよく似たマーケティング用語にOMOというものがあります。

OMOとは、Online Merges with Offineの頭文字を取った言葉であり、オンラインとオフラインの融合を意味する言葉です。

SNSにて商品を見つけ、近くの実店舗にて商品を実際に見てから、ECサイトで商品を購入する、というように、オンラインとオフラインをシームレスに行動することがOMOです。

ユニファイド・コマースとの違いを明確に分けて定義することは難しいのですが、OMOはオンラインとオフラインのチャネルが融合している、そしてユニファイド・コマースはオンラインやオフライン問わず、チャネルの垣根を超えた購入体験の統合している、という考え方をすると良いでしょう。

まとめ

以上、D2Cビジネスで知っておくべき「ユニファイド・コマース」についてお話させていただきました。

ショッピングのあり方は、時代と共にどんどん変化しており、D2C市場も今後さらに拡大することが予想されています。

D2Cのようなビジネスモデルが当たり前になってくるからこそ、その次のステップとして「チャネルの隔たりを感じさせないサービス」を提供する、つまり「ユニファイド・コマース」を実現させる企業も多くなってきます。

ぜひこの機会にユニファイド・コマースの知識を得て、自社D2Cビジネスに役立ててくださいね。