ここ数年、消費形態が変化する中で、「D2C」というビジネスモデルを展開する企業が多くなってきました。
D2Cは、コト付きのモノ消費とも呼ばれており、世界観を構築するブランドが多く導入している手法です。
D2Cビジネスとは、ブランドやメーカー自らが生産した商品を、広告代理店や小売業者を介すことなく、直接消費者にモノを販売する方法です。
特にSNSやECサイト上で消費者とコミュニケーションを取り合いながらビジネスを進めていく仕組みであり、アパレル業界や美容化粧品ブランドが多く採用しています。
D2Cビジネスは、スタートアップ企業が多いことから、ECビジネス初心者でもD2Cビジネスを成功させる可能性は大いにありますので、これからD2C市場に挑戦しようと考える方も多いのではないでしょうか。
特にスタートアップ企業の場合、いかにコストをかけずに自社の知名度を向上させ、集客を行い、売り上げに繋げていくか、ということが重要ですよね。
そこで今回は、D2C香水ブランド「LE LABO」から学ぶ、広告に頼らずファンを獲得する方法について、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後D2Cビジネスで効率良くファンを増やしたいと考えられている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
LE LABOは、ニューヨークを拠点とした化粧品ブランド「ESTEE LAUDER」から誕生した香水D2Cブランドです。
ニューヨーク、ロンドン、パリ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、東京、香港と各国で人気を博しており、香水が好きなユーザーを魅了する、伝統的なフレグランスなのです。
LE LABOの香水は、防腐剤や動物実験に頼らずに作られており、純粋でクリーンな香りを創ることを目的としています。
LE LABOのブランドの基礎となっているものは、「ラグジュアリーの未来はクラフトマンシップにある」という考え方であり、高級ブティックや伝統的な香水作りを反映した店頭体験を提供しているのです。
ハンドメイドで作られたユニセックス香水のほかにも、動物に優しい天然成分と合成成分がベースとして作られた商品が多く、一切有害物質が用いられていないことが特徴なのです。
また、マーケティングにおいても控えめにアプローチされていますので、より良い香水を求める顧客にとっては非常に魅力的なのです。
LE LABOのマーケティングで特徴的なことは、過度な広告はしていないということです。
シンプルなモノを好むミレニアル世代がターゲットであるからこそ、その世代が求めるシンプルな香水を提供することを最重要視しているのです。
フレグランス業界でのトレンドの中心であるミレニアル世代は、生産の透明性とヴィーガンや無農薬の成分のみといった、ジェンダーニュートラルな香りを求めています。
このようなユーザーが求めているものを正確に理解し、そしてそのニーズに真摯に応えていくことで、D2Cビジネスの成功へと繋がっているのです。
「ミレニアル世代の求める香水を提供する」ということに重点を置き、派手なマーケティングではなくシンプルなマーケティング施策を行わないという美学は、より多くのファンの獲得に繋がったのです。
LE LABOは、店舗を所有しており、その店舗で重視していることは、顧客との繋がりを最重視した店内体験です。
そこでは、顧客が実際に肌で試しながら香水を選ぶことができるようになっており、顧客は店内を歩きテスターで遊んだり、腰を下ろしてゆっくり香りを検討することができるのです。
店舗スタッフも、顧客が実際に香水を試しながら選択肢を絞り込んでいく、という自分だけが表現することができる空間づくりをミッションとしているのです。
このような方法は、一般の小売店では出来ない方法であり、LE LABOは体験のためのスペースも提供しているのです。
以上、D2C香水ブランド「LE LABO」から学ぶ、広告に頼らずファンを獲得する方法についてお話させていただきました。
LE LABOは顧客との関係性の本質を考えると、LE LABOは香水をしっかり探求している事が分かりますし、そして顧客に対しいかに自分を表現するための体験を真摯に提供し続けるか、ということを重視したからこそ、D2Cビジネスとして大きな成功を収めたのでしょう。
どのようなビジネスであっても、ビジネススタート当初は、できるだけコストを抑えたい、と思われる方が多いかと思いますので、この事例は非常に参考になるのではないでしょうか。
今後D2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこのLE LABOの事例も参考にしてみてくださいね。