D2Cと「4E」の関係性

ここ数年トレンドワードになっている「D2C」は、消費者形態が少しずつ変化数る中で登場したビジネスモデルです。

コト付きのモノ消費とも呼ばれており、世界観を構築するD2Cブランドが多く導入し、どんどん事例が多くなっています。

D2CとはDirect to Consumerの略称であり、ブランドやメーカー自らが企画、生産した商品を仲介業者を介すことなく消費者と直接取引する販売方法を言います。

特にアパレルブランドや美容化粧品ブランドで多く採用されており、ここ数年でよく取り上げられるようになっています。

D2Cビジネスではマーケティングが欠かせないのですが、そのマーケティングフレームといえば「4P」が主流になっていましたよね。

ですが、現代人はD2C全盛期であり、古くからある商習慣と今の人の購買行動は大きく異なっており、今まさに4Pから新たなフレームワークに移り変わろうとしているのです。

何に移り変わろうとしているのか、それこそ「4E」と呼ばれるものなのです。

そこで今回は、D2Cと「4E」の関係性について、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後D2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

4Pとは

4Eを理解するにはまず、4Pについて理解しておかなければなりませんので、4Pとは何か、簡単に説明していきます。

4Pとは、1960年代にエドモンド・ジェローム・マッカーシー氏が提唱したものであり、

「Priduct(プロダクト・製品)」
「Price(プライス・価格)」
「Place(プレイス・流通)」
「Promotion(プロモーション・販売促進)」

この4つのPから成り立っています。

4Pの各要素を細かく分析することで、マーケティング戦略や具体的な施策を考えることができるのですが、4Pが提唱されてから数十年経った今は、事情が変わっていることも事実です。

D2Cと4Eの関係性

今のビジネスモデルには、4Pよりも4Eの考え方が重要と言われています。

4Eの要素とは、

「Experience(製品から体験へ)」
「Exchange(価格から交換へ)」
「Evangelism(販促から伝道へ)」
「Every Place(流通から場所へ)」

という4つのEの要素から成り立っているのです。

「Experience(製品から体験へ)」

D2Cビジネスにおいては、プロダクトの素晴らしさはもちろんのこと、それに加え非常に質の高い顧客体験を提供しなければなりません。

つまり、どれだけプロダクトが良くても、世界観がチープであれば顧客のファン化を図ることはできないのです。

もし人気のある市場であるのならば、競合ブランドとは一線を画す取り組みが必要です。

製品の質は当然のこと、そして何より顧客へ提供する「体験」に軸足を置いたサービスの提供を行わなければならないのです。

「Exchange(価格から交換へ)」

今のミレニアル世代では、シェアリングサービスの需要が高まってきています。

今後ミレニアル世代が社会の中心になりますので、どんどんシェアの概念は拡張されていくでしょう。

実際にも今まさにシェアエコノミーは年々活発化していますよね。

所有と使用の境目が曖昧になってしまうと、消費者は価格だけ表示されている従来までの価格表示は納得感を得にくくなってしまっているのです。

たとえば今注目を集めている車のサブスクリプションサービス「KINTO」の場合、テレビCMでは「車には諸経費が掛かるから、月額税込39,820円は安い」と訴えていますが、ユーザーから見るとその価格が本当に安いのかを判断することは少し難しいでしょう。

このように、その商品やサービスはサブスクリプションなのか、単品であるのか、無料期間が設けられているのであれば、それはいつまでなのか、最終的には購入し所有できるのか、それともずっとレンタルなのか、など顧客が知りたい情報は非常に多くあります。

だからこそ、価格だけではなく価格と対価の交換を明確にし、顧客の不安をなくすことが大切なのです。

「Evangelism(販促から伝道へ)」

現代はブランド側の一方的なメッセージである「販促」だけではモノは売れません。

顧客は企業の販促活動よりも、影響力のある個人が行う信頼できる発信、いわば「伝道」を信じるのです。

ユーザーと二人三脚でコミュニティを創ろうとする姿勢が大切であり、販促ではなく信頼に裏打ちされた「伝道」こそ、必要不可欠なのです。

「Every Place(流通からあらゆる場所へ)」

4Pにはなくて今の時代にあるものは、「デジタル空間」です。

まだまだEC化率は低い現状にあるのですが、D2Cビジネスをてがけるブランドであれば、データドリブンなECを展開していて当然ですよね。

オンラインとオフラインどちらからも商品展開をする場合、全ての顧客視点に立って最も良い体験を提供することが重要ですので、流通という表現ではなく、あらゆる場所をシームレスに捉える必要があるでしょう。

まとめ

以上、D2Cと「4E」の関係性についてお話させていただきました。

実際に時代の流れに応じて4Pから4Eへ移り変わっており、各要素はすべてが大切です。

そして4つのEは全てが繋がっていることも忘れてはいけません。

ですが4Pから4Eに変わり、フレームワークや戦術が変わったとしても、本質的に考え抜くべきことは変わっていないことを忘れてはいけません。

D2Cビジネスを展開する場合は、ぜひこの4Eのフレームワークを元に、ビジネスを進めてくださいね。