D2Cブランドはマス広告に何を求めるのか？

D2Cビジネスは、デジタル化が進む現代に即し、デジタルマーケティングを主流としていました。

しかし、現在では、市場の急激な拡大により、競争が激化し、デジタルマーケティングだけでは、新たな顧客を集められないような状況となっています。

そして、その中で、注目されているのが、マス広告なのです。

そこで今回の記事では、D2Cブランドがマス広告を利用し始めた理由について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

マス広告とは何か？

広告には様々な種類がありますが、その中でも、最も多くの消費者に情報を幅広く発信できるのがマス広告です。

このマス広告のマスとは、大衆や群衆と言う意味を含む言葉であり、マス広告はその大衆や群衆に向けたアピールをする広告手段のことを指しています。

そして、その代表的な媒体が、4マスと呼ばれる、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4つの媒体です。

このマス広告が広く普及していたのは、この広告が、他の広告と比べ、圧倒的に幅広い年代にアピールすることが可能であるからです。

また、それぞれに内容やターゲットを合わせて使うことができると言うのも大きな特徴であり、さらに、信頼性が高いと言うメリットもあるのです。

インターネットがこれほど普及していない時代では、広告と言えば、この4マスの広告が主流でした。

しかし、時代は変わり、インターネット環境が整い、スマートフォンが広く普及したことにより、現代では、デジタル広告が4マス広告に代わり主流となってきています。

現代では、若い世代は、この4マスを利用しなくなっていると言われ、これは、若い世代になるほど顕著となっています。

代わりに、若い世代が利用するのが、SNSなどのソーシャルメディアであり、それ故に、若い世代をターゲットとする場合には、SNSなどを主体としたデジタルマーケティングが主流となっているのです。

D2Cがマス広告に注目する理由

D2Cビジネスでも、マーケティングには、デジタルを活用するのが基本となっています。

自社ECサイトで販売を行い、SNSにおいて情報を発信し、顧客を取り込んでいくのです。

少なくとも、D2Cビジネスの創成期のころには、この手法で多くの顧客を集めることが可能でした。

実際に、SNSを巧みに活用することで、大きく成長したD2Cブランドも多く存在しているのです。

しかし、現在は、その状況が変わりつつあります。

D2C市場は、年々拡大化し、続々と新たなブランドが誕生しています。

さらに、コロナ禍において、ECの需要が大幅に拡大したことを受け、D2C市場もさらに広がっているのです。

市場が拡大すると言うことは、競合が増え、競争が激しくなることでもあります。

これにより、D2C市場は、激しい顧客の奪い合いが起こっており、これまでのように顧客を集めることができなくなっているのです。

先ほども述べたように、これまでのD2Cビジネスでは、SNSを活用したマーケティングが主流となっていました。

しかし、続々と増える競合ブランドも同じようにSNSを活用するため、SNSで存在感を示すことが難しくなっているのです。

この状況で、顧客を集めるためには、他のD2Cブランドとは異なることをしなくてはなりません。そこで、現在注目されているのが、マス広告の活用なのです。

このように、SNSだけでは顧客を集めることができなくなったD2Cが注目したのが、マス広告なのです。

このマス広告を取り入れているD2Cブランドは増えてきていますが、SNSなどのデジタルマーケティングを続けて行っています。

これまでの施策に加えて、さらに認知を拡大するために、幅広い層にアピールすることができるマス広告を利用しているのです。

しかし、マス広告には、膨大なコストがかかります。

そもそも、D2CビジネスがSNSなどのデジタルマーケティングを主体としているのは、コストがかからないことも大きな理由なのです。

新しく立ち上げられた企業が多いD2Cビジネスでは、広告にそれほどコストをかけることはできません。

そのため、コストのかからないSNSなどのデジタルを利用し、コツコツと地道に顧客を集めていくことが必要であったのです。

そのようなD2Cブランドが、簡単にマス広告に移行することはできません。

マス広告を活用できるのは、既にある程度成功しているD2Cブランドなど、資金に余裕のあるブランドです。

そのようなブランドが、さらに成長するために、マス広告を活用しているのです。

まとめ

現在もD2C市場は、日に日に拡大し続けています。その中で、これまでと同じ手法だけを行っていても、顧客を集めることはできないのです。

それゆえに、各ブランドは、それぞれ、様々な施策を行い、顧客の獲得に注力しています。

そして、その一つの施策が、今回説明したマス広告なのです。

しかし、マス広告は、コストのかかる手法であり、簡単に切り替えることはできません。

この手法を使えるのは、既に成功したブランドと言った限られたブランドであり、そのようなブランドがさらなる認知の拡大のためにマス広告を活用するようになったのです。