D2CビジネスにAIを導入する際の準備とステップ

近年「D2C」という言葉を耳にする機会が多くなったのではないでしょうか。

D2Cとは、Direct to Consumerの略称であり、商品を直接消費者のもとへ届けるビジネスモデルです。

商品の企画や製造から、商品を販売するためのアプリ、Webサイトの運営までの全てを自社で行い、消費者と直接取引を行うということが特徴です。

基本的なパターンとしては、商品だけでなく、自社ブランドそのもののファンを獲得するために、インフルエンサーマーケティングなどを行い、インフルエンサーから発信された情報を消費者が知り、それをきっかけにアプリやECサイトから商品を購入します。

消費者に直接情報が届けられますので、自社ブランドの立ち上げやマーケティング、商品購入までのすべてがデジタルで完結しています。

今の時代のビジネスモデルであるD2Cを行う上では、「AI」に関する知識は欠かすことができません。

実際にも多くの企業がAIとの付き合い方に悩んでいるのではないでしょうか。

そこで今回は、D2CビジネスにAIを導入する際の準備とステップについて、詳しくお話させて頂きたいと思います。

今後自社D2CビジネスにAIの導入を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

AIにできること

そもそもAIに何ができるのでしょうか。

AIは大量のデータや資料を学習することができますので、それらの処理はもちろん、定められたルールに沿った作業を行うことができますし、大量のデータから分析することで、ある一定の法則を導き出すことができるのです。

ですがAI自体は、自らこれらを提案することはありませんので、分析のために大量のデータから学習しなければなりません。

今現在AIが実用されている分野は、音声認識自然言語処理画像認識であり、AIの得意分野と言えるでしょう。

AI導入の準備

・課題特定

AIの導入により、解決したい課題を整理していきます。

この段階ではあまりAIの活用法に捉われることなく、自社が今抱えている根本的な課題を見つけ、特定することが大切です。

・AI活用時の業務内容決定

人が何を行うのか、AIが何を行うのか、という作業を整理し、AIを活用する範囲を定めていきます。

AIによって自社の課題を解決することがすることができるか、ということを見極めるためには、類似する事例がすでに存在するかどうか、ということを確認すると良いでしょう。

・学習データの準備

自社の解決したい課題が明確に定まり、AIを導入する範囲を特定することができれば、そこから学習データの準備を行いましょう。

AIを活用する上では学習データがなくてはどうにもなりませんので、より多くのベースとなるデータを用意しましょう。

学習するためのデータが多ければ多いほど、AIはより性能の高い提案をすることができるのです。

AI導入のステップ

・活用するAIを選定する

AIを利用する目的や、自社の現状、コストをしっかり考えて、実際に活用するAIを選定していきましょう。

たとえば、工場における検品を自動化するAIを導入するのであれば、画像認識に特化したAIを導入すると良いでしょう。

・AIの試験運用と評価

AIとデータを用意することができれば、AIにデータを学習させていきます。

このステップでは絶対的に専門的な知識が必要になりますので、AIに詳しい人材は必須です。

試験運用して得ることができた結果をもとに、AIを評価し、その評価に応じて必要であれば、追加の学習データを用意したり、導入範囲を見直していきましょう。

・本格導入

試験運用と評価が終われば、いよいよAIを必要とする現場に導入し、運用を開始していきます。

AIの精度はデータの量に応じて高まりますので、新しいデータをどんどん学習に活用し、精度の改善のための良い流れを途切れさせないような運用を行いましょう。

AI導入時の注意点

今現状のAIを導入するビジネス業界では、どうしてもAIを扱うことができる人材が不足していることが課題になっています。

AIでは、大量のデータを蓄積しなければなりませんし、何らかの不具合が生じた際にはシステムの管理を行わなければなりませんので、概念実証や学習データの準備には、人材や時間、コストも多く必要であると考えておきましょう。

また、条件が揃っていなければ、上手く学習に活用できない場合もありますので、そのような場合は業務フローそのものを変えなければならないことがあるのです。

だからこそ、AIの導入に固執しすぎない、ということが大切なのです。

自社が解決したい課題は、AIが最適であるとは限りませんし、AI導入後、最終的には大きな利益をもたらすとしても、短期的なスパンで見た場合には、費用対効果が見合わない可能性もあるのです。

AIはあくまでも「課題を解決する方法のひとつ」であるという認識を忘れずに、柔軟に手段を選んでいきましょう。

まとめ

以上、D2CビジネスにAIを導入する際の準備とステップについてお話させていただきました。

AIの導入は、正しく環境を整えることで、より効果を発揮し、さまざまな場面で利益をもたらすことが期待できます。

D2C市場においても、今後もさらにAIの導入と活用が増えていくことが予想されますので、ぜひ競合他社から一歩リードするためにも、しっかり準備を行って、チャレンジしてみてくださいね。