アパレルD2Cブランドの生存戦略

ブランドやメーカーなどの製造者が、消費者と直接取引を行う、D2Cというビジネスモデルが大きな注目を集めています。

D2Cビジネスは、流通や卸売、小売などの中間業者を介す必要がないので、コストを削減することができるだけでなく、消費者と直接関係を持つことができるので、顧客データを蓄積しやすいことがメリットとして挙げられます。

最近では、インターネットとSNSが普及し、EC市場が拡大する中で、アパレル商品や美容商品など実体のあるモノを取り扱う企業でもD2Cビジネスを導入する事例が多くなっています。

特にアパレル業界では、新型コロナウイルス感染症の影響により、来店客数の激減や短縮営業、閉店など大きな影響を受けました。

D2Cは、この状況を打破するためのビジネスとしても注目を集めているのです。

D2Cビジネスを展開するアパレルブランドがどんどん多くなる中で、自社ブランドがどうすれば勝ち残り続けることができるのか、多くのブランドの課題になっていることでしょう。

そこで今回は、アパレルD2Cブランドの生存戦略について、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後アパレルD2Cビジネスを確実に成功させていきたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

オンライン接客

アパレルD2Cブランドが今特に注力すべきことは「オンライン接客」でしょう。

Instagramを活用し、一週間に一度のペースでインスタライブを行い、実際に商品を使っておすすめのスタイリングを紹介していくことで、毎週のインスタライブを楽しみにするファンも増え、再生回数の増加にも期待することができます。

ですが、今インスタライブを始めるアパレルブランドも非常に多くなっていますので、闇雲にインスタライブを初めても再生回数を伸ばすことは難しいでしょう。

そこでポイントとなるものが「フォロワー数」なのです。

フォロワーを増やすことを考えると、公式アカウントのフォロワー数を増やすことを考えるかと思いますが、公式アカウントのフォロワー数を増やすことはそう簡単なことではありません。

ですので、個々スタッフのInstagramアカウントのフォロワー数を増やすと良いでしょう。

顧客がそれぞれ気に入ったスタッフのInstagramアカウントをフォローすることで、SNSを通じてコミュニケーションを取ることができるようになり、よりブランドに好印象を持ってもらうことができますし、結果的に購入にも繋がるでしょう。

オンライン接客を成功させるポイント

オンライン接客を成功させるためには、まず「投稿数を増やす」ことを意識しましょう。

ブランド内で売り上げが上位であるスタッフは、必ずしもInstagramフォロワー数が多い、というわけではありません。

店舗では接客しなければほとんど商品が売れることがありませんが、オンライン接客でも同様に、フォロワー数が多くても投稿しなければ、商品が売れることはありません。

平均的に見ても売り上げが良いスタッフは、投稿数を増やしてオンライン接客を重ね、その結果としてフォロワー数が増えていますので、まずは投稿を増やすことが重要です。

2つ目のポイントは「ホスピタリティあるオンライン接客」です。

店舗で接客する際、服の見た目や機能、質感、着心地など、顧客が何を知りたいのかということを考えながら接客をしていきますよね。

このような丁寧でホスピタリティがある接客を、オンラインでも実現しなければなりません。

たとえば正面からの撮影だけでなく、後ろ姿や服の質感までのすべてを写すことで、顧客が思っている課題を解決することができる可能性が高まりますよね。

その商品に対し、顧客はどのような情報が欲しいのか、ということをしっかり考え、伝えることが重要です。

さらにオンラインであっても気持ちよく商品を購入してもらうために、おすすめの着方や合わせるとより良くなるアイテムなどを、投稿で表現していく必要があります。

3つ目のポイントは、スタッフによるECでの貢献度を可視化し、EC上の売り上げ、そしてスタッフ個人や所属している店舗へ評価を加えることです。

スタッフ個人での売上額や、コーディネートによる売り上げ、ブランド内での順位などすべてをデータで確認するようにし、スタッフ個人でもいつでも自分の成績を確認することができる状態にすることで、スタッフのモチベーションの向上にも繋がりますし、スタッフ間でのやる気に繋がる相乗効果にも期待することができます。

どれだけ顧客のため、と言いオンライン接客を実施することになっても、スタッフ個人のためや所属する店舗のためにならなかったら、意欲は湧いてきませんよね。

D2Cビジネスが流行している今の時代の波に上手く乗るためにも、まずはスタッフの成功体験を上げ、そこから顧客に対し満足度の高い接客を提供するようにしましょう。

まとめ

以上、アパレルD2Cブランドの生存戦略についてお話させていただきました。

今後さらに拡大するであろうD2C市場だからこそ、確実な戦略を持って挑まなければ、競合ブランドにどんどん差をつけられてしまいます。

このようなことにならないためにも、ぜひこの生存戦略をしっかり理解し、実施してみてくださいね。