D2Cブランドはモノを売るブランドではない!

D2Cは、オンライン上でこだわりの商品を手ごろな価格で販売しているブランドと思われています。

これは間違いではありませんが、それらよりもさらに重要な要素があり、それが世界観やストーリーです。

D2Cは商品を売ることもよりも、この世界観やストーリーを消費者に訴求し、それを通して実際に消費者に価値のある体験してもらうことを重要と考えているのです。

そこで今回の記事では、D2Cブランドの目的について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

D2Cに必要なものとは?

D2Cは、商品を消費者に直接販売する仕組みの新しいビジネスモデルです。

従来のように、中間業者を介することがなく、SNSや自社ECなどのデジタルを通して、消費者と直接繋がりを持つことが可能であり、それにより、消費者を取り込んでいくと言うのがこのビジネスモデルの大きな特徴です。

このビジネスモデルは、アメリカで誕生し、世界中に広く普及しました。日本国内においても、多くのD2Cブランドが誕生しており、年々市場を拡大しています。

そして、このビジネスモデルには、その特徴を語るうえで、欠かせない要素があり、それがブランドの世界観やストーリーです。

ブランドの世界観やストーリーと言うのは、ブランドの価値を高めていく上で非常に重要であり、D2Cブランドはこれを徹底して追求していくことも重要視しています。

D2Cブランドは、スタートアップ企業が立ち上げるケースが多く、認知度が全くない状態からスタートするために、ブランドの世界観やストーリーを消費者に強く訴求することが欠かせないのです。

D2Cはモノを売るだけが目的ではない!

そして、実際に成功しているD2Cブランドの多くが、この世界観やストーリーを徹底して追及することにより、多くの顧客の支持を得ているのです。

その代表的とも言えるブランドが、アメリカのD2Cブランド「Casper」です。

このCasperが取り扱うのは、マットレス、シーツ、ベットフレームと言った寝具関連の商品です。

これらの寝具を扱う業界と言うのは、そもそも老舗のブランドが多いため古い感覚が根強くはびこっており、新たなブランドが入りこむのは難しいと言われていました。

しかし、Casperはあえてこの業界に、新しい感覚を持ち込み、勝負を挑んだのです。

その新しい感覚と言うのが、オンラインでオーダーが可能であり、商品の品質は高いにも関わらず、販売価格が従来と比較すると手ごろという点、そして、無料のトライアル期間10年と言う長期の保証期間使用後も返品可能という点なのです。

これらは、従来の寝具業界では、考えられないような販売条件です。

これにより、Casperは良質な寝具を手ごろな価格でオンライン購入できるのに加え、充実したアフタフォローまで付いてくると言う、強いインパクトを消費者や寝具業界に与えることに成功したのです。

そして、Casperがこれらを実現することができたのには、圧倒的な商品開発力のおかげと言えます。

そもそも、マットレスは大型であるうえ、内部にスプリングがあるために配送が困難であり、配送する際には多額の配送料が必要となっていました。

しかし、Casperは、スプリングを取り除いたマットレスを開発し、真空パックで圧縮するという方法でこの問題を解決したのです。

そして、Casperは、寝具業界のトップと言われるほどにまで登りつめたのです。

しかし、これらはCasperと言うブランドの一部にしかすぎません。

このブランドが成功したのには、ブランドの世界観やストーリーを徹底して追及したことも大きな理由なのです。

Casperは、先ほども説明したように、圧倒的な商品開発力により、寝具業界に新たな感覚を持ち込むことに成功しましたが、このブランドを従来と同じような単なる寝具メーカーと認識するのは間違いです。

Casperは、単にマットレスなどの寝具を販売することだけを目的としているのではありません。

マットレスなどの寝具を通して、消費者に最適な眠りを提供し、それにより消費者のライフスタイルをより良いものとする事を目的としています。

そして、その快適な眠りを実現するために、マットレスだけでなく、枕やシーツ、ブランケット、ライト、ベッドフレームなど睡眠に関わるあらゆるプロダクトを次々と提案し、さらには、睡眠に関する雑誌までも創刊しているのです。

さらに、Casperは、これらのプロダクトを体験してもらうために、世界観を徹底して追求した実店舗をオープンしています。

消費者に、プロダクトを体験してもらうだけでなく、世界観を実際に体感してもらうことで、さらにブランドのファンを生み出すことに成功したのです。

まとめ

このCasperのように、成功しているD2Cブランドは、商品を売ることだけを目的とするのではなく、商品を通して、世界観やストーリーに触れ、良質な体験を提供する事を目的としているのです。

単に、マットレスと言ったモノを売るだけでは、得られない体験を提供することにより、D2Cブランドは多くの消費者の支持を得ることに成功しているのです。