ヴィジュアルですべてを伝えるD2Cブランド

D2Cは、10年ほど前にアメリカで誕生し、その後世界中で急速に成長し続けているビジネスモデルです。

現在では、数多くのD2Cブランドが誕生していますが、ブランドが激増しているため、似たようなブランドが多くなっているというのが現状です。

この中で生き残るためには、他のブランドとは一線を画す独自性が必要となり、そのために重要と言われているのが、ヴィジュアルなのです。

そこで今回の記事では、D2Cにおけるヴィジュアルについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

D2Cビジネスの現状

D2Cは、商品の企画から販売までを自社で内製し、従来のように中間業者を介することなく、消費者に直接販売をする仕組みのビジネスモデルです。

このD2Cは、2010年頃にかけてアメリカで誕生し、その後、中国などを中心として世界中に広く普及しました。

現在では、世界中に多くのD2Cブランドが誕生していますが、中でも、D2Cの初期に誕生したアメリカのD2Cブランドは大きく成功しているケースが多く、ユニコーン企業と呼ばれる、10億ドル以上の企業価値を持つ企業に成長しているブランドも存在しています。

日本国内でもD2Cは広く普及し、様々なD2Cブランドが誕生しています。

日本のD2Cブランドは、アメリカのD2Cブランドほど大きく成功しているケースはありませんが、世界的に注目されているブランドも出てきています。

D2Cはこのように、世界的に広く注目を集め、急速に成長を続けているビジネスであり、それ故に、どこの国においてもブランドの数が激増しています。

日本国内のD2Cブランドもその数を大幅に増やしているため、似たようなブランドが増加し、D2Cブランド間においても差別化が難しくなっています。

しかし、それらのD2Cブランドを注意深く観察して見ると、明らかな差が見受けられます。

そして、この差が、成功するブランドとそうでないブランドを分けているのです。

D2Cにおけるヴィジュアルの重要性

D2Cブランドは、そのほとんどが、ブランドの世界観やイメージを大切にするため、ヴィジュアルに力を入れています。

このヴィジュアルとは、商品そのものもですが、ECサイトや運用しているSNSもヴィジュアルに注力しているのです。

そのため、ECサイトやSNS上で投稿される画像などは、どのブランドも一見おしゃれでスタイリッシュな雰囲気のものばかりとなっています。

しかし、D2Cにおいて重要となるのは、おしゃれであることでもスタイリッシュであることでもありません。

そのおしゃれでスタイリッシュな中に、ブランドの世界観やメッセージが訴求されていることが重要なのです。

ブランドの世界観が明確に定められ、しっかりとブランディングが行われているブランドのECサイトやSNSは、どこから見てもブランドの強いメッセージを受け取ることができるようになっています。

一方、ブランドの世界観が曖昧で、ブランディングがされていないブランドのECサイトやSNSは、ただおしゃれな雰囲気をまとわせているにすぎないのです。

そして、ただおしゃれなだけでは、消費者を引き込むことはできません。

おしゃれなECサイトなどインターネット上には山ほど存在しています。

消費者の関心を引き、心を掴むためには、ECサイトやSNSに、はっきりとブランドの世界観やメッセージを反映させることが重要なのです。

ブランドの世界観を伝えるヴィジュアル

アメリカのD2Cブランドには、ヴィジュアルの中に世界観やメッセージを反映させ、消費者の支持を得ることに成功しているブランドが多くあります。

その代表的な例としてよく取り上げられるのが、女性用生理用品を取り扱うD2Cブランド「LOLA」です。

このブランドは、オーガニックコットンのみを利用し、女性の体に負担をかけない生理用品を作り出しています。

このブランドがヴィジュアルの中で表現しているのは、生理は恥ずかしいものではなく、隠すものではないということです。

そのためにこのブランドでは、モデルが着けた下着から羽根つきナプキンの羽が見えている写真を何種類もECサイトやSNSで公開しています。

このようなヴィジュアルの写真は、これまでにないと言うほど衝撃的ではありますが、ブランドの強いメッセージを感じることができるものとなっており、多くの消費者を惹きつけているのです。

まとめ

世界観を大切にするD2Cブランドにとって、ヴィジュアルは消費者にその世界観を伝えるために重要なものとなります。

しかし、ただ奇麗な写真やおしゃれな写真では何も伝えることはできません。

実際に、多くのD2Cブランドがおしゃれな写真を並べて、消費者の関心を引こうとしていますが、メッセージ性がない写真を見ても、消費者は何かを感じ取ることはないのです。

消費者の支持を得ているD2Cブランドは、このヴィジュアルでブランドの世界観やメッセージを消費者に伝えることに成功しています。

今回説明した成功事例のように、写真一つにも強いメッセージを込めているのです。

このヴィジュアルの差が、成功しているD2Cブランドとそうでないブランドの差となっているのです。