企業が一般消費者に対し、直接取引を行う「D2C」というビジネスモデルが注目を集めています。
D2Cは、自社内で企画し、製造した商品やサービスを、仲介業者を介すことなく、エンドユーザーである一般消費者に直接商品を販売することを指しています。
D2Cビジネスのポイントは、自社が商品開発や販売、顧客へのアフターフォロー、マーケティングまでのすべてを一貫して決定権を持っていることです。
D2Cビジネスは、仲介業者によるマージンが発生しないこと、ブランドコンセプトを一貫して伝えることができること、顧客と一緒に商品やマーケティングを改良することができることがメリットであり、今D2Cビジネスを展開するブランドやメーカーが多くなっているのです。
D2Cビジネスをより良く成長させていくためには、「コーポレートガバナンス・コード」の知識は非常に重要です。
コーポレートガバナンスは、企業統治と訳され、企業経営を監視、そして監督する仕組みを意味しています。
企業の持続的な成長の実現にはもちろん、上場を視野に入れる企業の社内整備にも欠かせないものなのです。
そこで今回は、D2Cビジネスを行う上で知っておくべき「コーポレートガバナンス・コード」について、詳しくお話させて頂きたいと思います。
これからより自社D2Cビジネスの成長を見込んでいる方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
ここ数年で、テレビやネットなどのニュースでも、コーポレートガバナンス・コードという言葉を耳にする機会が多くなってきました。
コーポレートガバナンスとは、「会社は経営者のものではなく、資本の投下を行っている株主のものである」という考えのもと設置される、企業の経営を監視し、監督する仕組みです。
そしてこのコーポレートガバナンス・コードは、その原則となるものなのです。
企業が持続的な成長を実現するためには、株主が正しく権利を行使することができる環境をしっかり整備しなければなりません。
また、少数株主や外国人株主などに対しては、株主の権利や平等性を確保するための配慮も忘れてはいけません。
株主以外であっても、自社企業の運営おいて影響を及ぼす者と言えば、顧客や取引先、債権者などの利害関係者といった、ステークホルダーは多く存在するでしょう。
この存在を認識した上で、株主と同じ様にステークホルダーとも適切な協働を行わなければならないのです。
ステークホルダーの存在をしっかり認識した上で、株主と同じようにステークホルダーとも適切な協働を行わなければなりませんし、環境や社会、統治に関する問題にも、積極的に対応していかなければなりません。
上場企業として、しっかり法令に基づき、さまざまな情報を明確に開示し、株主や社会に対して透明性を確保しましょう。
企業内の財政状況や経営成績などの財務情報や、ビジネス戦略や経営の課題、リスクやガバナンスなどの非財務情報です。
上場企業は、法令に基づく情報開示以外にも、株主からの要求の有無に関わらず、主体的に情報の提示を行わなければならず、その際には提示する情報は、利用者にとって有益で分かりやすいことが望ましいでしょう。
上場企業での取締役会は、企業戦略などの大きな方向性を示すこと、経営層の幹部による適切なリスクていくを支える環境整備を行うこと、独立した客観的な立場から執行役及びいわつる執行役員を含む経営陣、そして取締役に対する実効性の高い監督を行うこと、といった責務を適切に果たさなければなりません。
このような役割や責務は、企業の機関設計が「監査役会設置会社」「指名委員会等設置会社」「監査等委員会設置会社」のいずれかの場合であっても、適切に果たさなければならないことを覚えておきましょう。
企業の経営層や取締役、そして株主は、基本的に株主総会以外で意見を交換する機会はほとんどありませんが、経営の基盤強化や持続的な成長においては、普段から株主と対話を行い、自社での経営戦略にの指針に対し、理解を得ることを忘れてはいけません。
以上、D2Cビジネスを行う上で知っておくべき「コーポレートガバナンス・コード」についてお話させて頂きました。
コーポレートガバナンス・コードは、遵守しなければならないという義務はありませんので、必ずしもすべてを守るべき、というわけではありません。
ですが、遵守しない場合であっても、その理由を株主やステークホルダーに対し、明確に伝える必要があります。
今後のD2Cビジネスでも、コーポレートガバナンス・コードの知識は必要になってきますので、ぜひこの機会に十分に理解してくださいね。