D2Cビジネスでの「ポイント」と「クーポン」の活用方法と、注意すべきポイント

D2Cビジネスとは、Direct to Consumerの頭文字を取った略称であり、製造者が直接消費者と取り引きを行う、という意味を持っています。

D2Cビジネスモデルは、2010年頃アメリカを中心に拡大しはじめ、アパレルや化粧品の分野において、ブランド独自の世界観を持つ多くのD2Cブランドが誕生しています。

日本でも今、SNSが普及し、顧客ニーズが多様化していますので、D2Cビジネスに注目している企業は多いでしょう。

企画段階から顧客の声を取り入れ、製造やマーケティング、販売までのすべてを一貫して行いますので、商品そのものに顧客の声が反映されやすいので、従来までのビジネスモデルとは大きく異なっています。

D2Cビジネスでは基本的にWebサイトを運営するのですが、その際売り上げ向上を目的として、「ポイント」や「クーポン」を活用することがあるでしょう。

実際にも新規会員登録などの特典などで、ポイントやクーポンを発行しているD2Cブランドも多いですよね。

そこで今回は、D2Cビジネスでの「ポイント」と「クーポン」の活用方法と、注意すべきポイントについて、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後D2Cビジネスでポイントやクーポンシステムを導入していきたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ポイントやクーポンの活用方法

ポイントやクーポンは「新規会員登録の特典」「外部サービスとのアカウントの連携特典」「優良会員のポイント還元率の優遇」「イベント月などのクーポン発行」が主な活用方法でしょう。

新規会員獲得の際は、ポイントやクーポンを付与すると効率よく獲得することができます。

商品単価によって、適切な付与額は異なってきますが、一般的にD2Cビジネスとして取り扱う商材では300~500円程度だと考えてください。

初回購入時でもそのポイントやクーポンを使うことができると、より会員登録率が高まるでしょう。

LINE IDやAmazon IDなどの外部サービスとのアカウント連携特典は、会員のアカウント連携を促進することができます。

実際にアカウントを連携させることは面倒だと感じる消費者が多いので、ポイントやクーポンの特典を設定することは非常に有効でしょう。

また、外部サービスと連携することで、そのメッセージ配信機能などを活用することができ、プロモーションやCRMを強化することができるのです。

そして、会員の購入金額や購入金額を考慮し、優良会員に対してポイント還元率を優遇することで、ロイヤリティの高い会員を増やすことに繋がります。

最後に、誕生月やクリスマスなどのイベントに使うことができる限定クーポンは、購入のきっかけを作ることができるでしょう。

ポイントやクーポンでの注意すべきポイント

・注文が増えるほど赤字の状態は避ける

会員獲得や売り上げ向上に期待することはできるものの、還元率をむやみに高く設定してしまったり、クーポンの用途を限定しなければ、予想外の損失を出してしまったり、消費者が割引価格に慣れてしまえば、定価で販売することが難しくなってしまい、注文が増えたものの赤字になってしまうこともあるのです。

商品の販売価格や利益率などのバランスをしっかり見て、思わぬ損失を出さないようにしましょう。

・「タダポチ」「お得ポチ」に注意する

「タダポチ」「お得ポチ」とは、企業やブランドが発行したクーポンを使い、実質無料で商品を注文することを意味しています。

ポイントやクーポンの還元率を高くして、お得に購入してもらおうとしすぎてしまうと、もしそれがSNSなどに拡散されてしまえば、0円の注文が殺到してしまう、ということもあり、単価アップ施策のための低価格商品の在庫が一気に無くなってしまうこともあるのです。

これがもし、プロモーションとして狙っているのであれば成功なのですが、予想外であればその後の対応も大変になってしまいますので、狙っていない場合は避けるべきでしょう。

ポイントやクーポンの還元率の設定と、自社商品の最低価格を見直す必要があります。

・リピーター増加を目的とする

そもそもポイントやクーポンは、リピーターを増やすことを目的としている意識を持つことが重要です。

例えば初回購入時のクーポンを付与し、さらに外部サービスのID連携の特典として、2回目以降の購入時に使うことができるクーポンを発行することで、新規会員登録からリピーターへとスムーズに誘導させることができます。

また、会員ステージシステムを導入し、徐々にポイント還元率を高く設定することで、ロイヤリティの高い会員を増やすことができるのです。

・利用条件を設定する

上記のことをしっかり注意しても、やはり短期的には赤字を許容せざるを得ない場合もあるでしょう。

このような場合は、赤字が無制限に拡大してしまわないよう、そのポイントやクーポンを利用することができる期間、もしくは利用時の最低購入金額を設定することも大切です。

まとめ

以上、D2Cビジネスでの「ポイント」と「クーポン」の活用方法と、注意すべきポイントについてお話させていただきました。

D2Cビジネスでポイントやクーポンを活用することは非常に有効な施策なのですが、今のコロナ禍において、実店舗の売り上げが落ち込んでしまい、少しでも売り上げを増やそうと考え、過度に発行し過ぎてしまい、失敗するケースも多くなっているのです。

リピーターを増やしながら利益をしっかり確保してくださいね。