D2CビジネスにおけるPRの本質とは

現代の新しい取引の形である「D2C」ビジネスモデルに今、大きな注目が集まっています。

D2Cとは、Direct to Consumerの頭文字を取った略称であり、その名の通りメーカーやブランドが直接消費者と取引を行うビジネスモデルのことを言います。

仲介業者を介さずに、ブランドやメーカーが直接販売を行うこの手法は、特にアパレル業界や美容業界で大きな広がりを見せているのです。

D2Cビジネスを展開することで、手数料などのコストを大幅に削減することができますし、顧客データを収集しやすく、さらにブランドのコアなファンも獲得しやすいのです。

D2Cビジネスを順調に成長させるために重要になるものが「PR」です。

「PR」と聞くと、宣伝する、アピールするという意味だと思われる方も多いかと思いますが、実際にはそうではありません。

PRとは、Public Relationsの頭文字を取った略称であり、直訳すると「公衆との関係」という意味になります。

ただ自社商品やサービスを知ってもらうだけではなく、ユーザーと広く良い信頼関係を作るという意味が込められているのです。

もちろんD2CビジネスにおけるPRも「信頼関係を作る」という意味で用いられます。

そこで今回は、D2CビジネスにおけるPRの本質について詳しくお話していきたいと思います。

今後D2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

従来のPRと今のPR

従来までのPRと言えば、テレビや新聞などのマスメディアでのPRが主であったのですが、今はそうではありません。

影響力のある個人がSNSを用いて、自信が発見した「良いもの」を伝播することで、マスメディアPR以上の効果を期待することができるのです。

SNS等を用いて、個人が主体となって情報を発信し、顧客に購入を促す時代になっています。

ブランドのコアな俯瞰を繋ぎとめるためには、このような現代のPRに取り組むべきだと考えられるのですが、かと言ってマスメディアでのPRは不要という意味ではありません。

D2CビジネスとしてPRに取り組む場合、従来までのPRと現代のPRの両方から考えなければなりません。

PRの2つの軸

ストーリー軸

PRでは「ストーリー軸」と「グラフィック軸」の2つの軸に分けることができますので、それぞれを見ていきましょう。

ストーリー軸に関しての1つ目のポイントは、PRで関係性を作りたい顧客増の設定、2つ目は購買要因に繋がるかという見極め、そして3つ目は情報の新規性です。

3つのポイントのうち、1つ目の顧客増の設定に関してはよりしっかりと設定しなければ、他の2つを確立させることもできません。

さらに2つ目のポイントでは1つ目で設定した顧客に対して、自社のブランドストーリーを届けた場合、購買行動に繋がるか否か、を見極めていきます。

たとえばもし、顧客にブランドの美談だけが伝わり、購買行動に繋げることが出来なかった場合はPRは失敗だということです。

3つ目の情報の新規性に関しては、サプリメントのD2Cブランド「Ritual」を例に挙げてみましょう。

Ritualの創業者は、妊娠期に信頼できるサプリがないことに困り、自らブランドを立ち上げました。

つまり「サプリを信頼できない人のためのサプリ」であるからこそ、創業ストーリーが教官を呼び、サプリの購買に至ったのです。

ですがこの場合、ブランドストーリーに新規性が無ければ意味がないので、情報の新規性が重要になってくるのです。

PRする対象のユーザーは潜在顧客だけではないからこそ、良い情報が勝手に広がっていく仕組みを作るためには、情報の新規性こそ重要な武器となるのです。

グラフィック軸

グラフィック軸のグラフィックとは、商品が梱包されている箱の見た目のことであり、箱を開封した際の見栄え、そしてメッセージカードなどを指します。

顧客にとって、商品との出会いは非常に楽しみな瞬間であるからこそ、顧客が箱を開けた際の感動を冷ますことなく、満足しその感情をシェアしたくなるよう、情緒的な設計をすることが求められるでしょう。

そのためには、顧客の最終アクションである写真からSNSへの投稿を逆算し、梱包の型、内容、梱包の順番などを決めることをおすすめします。

もちろん、想定とは異なる行動を起こすことがありますが、この設計段階ではまず論理的に顧客の行動を考えていきましょう。

まとめ

以上、D2CビジネスにおけるPRの本質についてお話させていただきました。

ペイドメディアなどが不要というわけではありませんが、D2Cビジネスを成功させるためには、PRこそ真剣に考えるべきことであることをお分かりいただけましたでしょうか。

D2Cビジネスを成功させたいと思われている方は、ぜひPRについての知識を深めてくださいね。