D2Cブランド「Care/of」から学ぶ、パーソナライズを成功させるポイント

インターネット機器と技術が発達した令和の現代、注目を集めるビジネスモデルと言えば「D2C」ですよね。

D2Cとは、Direct to Consumerの頭文字を取った略語であり、顧客に対して直接商品を販売することを言います。

企業がD2Cを導入することで、利益を上げやすい、そして24時間商品を販売でき、ブランドのファンを作りやすいことがメリットとして挙げられるでしょう。

今D2Cブランドが非常に多くなり、さまざまな形態のD2Cビジネスが展開されているのですが、中でも特に注目を集めているものが、パーソナライズD2Cでしょう。

パーソナライズD2Cを展開することで、時代性を捉えることができ、LTVを向上させやすく、さらにリッチな顧客データを収集しやすくなると言われています。

パーソナライズD2Cビジネスを成功させている、代表的な事例である「Care/of」をご存知でしょうか。

そこで今回は、D2Cブランド「Care/of」から学ぶ、パーソナライズを成功させるポイントについて、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後パーソナライズD2Cの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

「Care/of」とは

Care/ofは、まだ国内では認知度が低いので、ピンと来ない方も多いかと思いますが、パーソナライズ型のサプリメントを提供している、ニューヨーク発のスタートアップブランドです。

ユーザーがCare/ofの公式Webサイト上で、約40問の質問に答えることで、それぞれのユーザーごとにカテゴライズされたサプリメントが毎月届きます。

質問の回答後はすぐにユーザーに合ったビタミン剤が提案され、そのサプリメントがもたらす効果も詳細に説明してもらえるのです。

ユーザーは提案されたサプリメントをすべて購入することができますし、もし必要ないと思ったのであれば、その組み合わせから除くこともできますので、安心感があり、さらにビタミン剤に関する知識も獲得することができます。

パーソナライズを成功させるポイント

サプリメント×パーソナライズ

パーソナライズを提供するD2Cブランドは、日本国内でもすでに導入事例があり、特に認知度が高いブランドは「FUJIMI」でしょう。

海外の事例に関しては、社会課題やブランド背景、創業者のストーリーなど、感情的で情緒的な要素により、商品自体のイメージだけでなくブランドイメージもあわせて創り上げる場合が多いですよね。

ですが、日本の事例に関してはモノ作りやモノ自体に強くフォーカスしたブランドの創り方が強いという印象があるでしょう。

パーソナライズと言っても、それぞれの顧客に応じて最適化するだけでは当然ファン作りをすることはできません。

モノを含めた良質な体験が必要でありますので、ここから訪れるパーソナライズの時代には、モノ作りに特化した国内D2Cブランドこそ、海外ブランドとは違う意味で大きな成長を遂げることが予想されます。

Care/ofのWebアンケートはかなり多くの設問が用意されているのですが、クイズ形式になっており、ゲーム感覚で楽しく答えることができ、膨大な顧客データを得ることができますので、それらを最適化してサプリメントを提供しています。

顧客の名前を印刷する

パーソナライズサービスの本来の意味は、「モノに名前を付ける」ということであり、Care/ofの特徴の一つに、顧客の名前をパッケージに印刷していることが挙げられます。

名前を印刷するということに対し、なんてことも思わない方も多いかと思いますが、相当のコストがかかっており、製造ラインを工夫されていることが考えられるでしょう。

パーソナライズサービスは画一性とは逆の志向を持っており、数が増えれば増えるほど、原価がかかってしまうという課題がありでしょう。

だからこそCare/ofは、コストと顧客満足度を比較し「名前を印刷すること」を選択したのです。

ユーザーのリテンション

Care/ofでは顧客情報はクイズにて取得し、得たデータをもとにパーソナライズをしていきますが、クイズはあくまで「入口」に過ぎないのででそれだけではユーザーの継続利用を期待することができません。

そこでCare/ofは、独自アプリ「Care/of Vitamins」を開発し、LTVを向上させユーザーの継続を促しているのです。

Care/of Vitaminsでは、サプリメントの注文、リマインダーのセット、サプリメントを飲んだ記録、配送されるサプリメントの種類変更、定期購入のタイミングの変更などを行うことができ、これらによってユーザーのサプリメント利用を習慣化することができるでしょう。

パーソナライズと言っても、ユーザーにとっては本当に自分のことをしっかり見てくれているか、ということに敏感ですので、いかに良質なパーソナライズ体験を提供し、ユーザーのリテンションを続けられるか、ということが重要なポイントになるでしょう。

まとめ

以上、D2Cブランド「Care/of」から学ぶ、パーソナライズを成功させるポイントについてお話させていただきました。

Care/ofを紐解けば、D2Cビジネスとしてのマーケティングのフレームワークを活かし、さらにD2Cの経験が十分にある創業者がいることで、初めて成功への道筋ができることが分かりますので、なかなか一筋縄ではいかないビジネス領域でしょう。

だからこそ、このような成功事例や特徴的なポイントをしっかり理解することで、よりスムーズにビジネスの展開を行うことができるのです。

D2Cビジネスを展開される方は、ぜひCare/ofのような事例を元に、しっかり知識をつけてくださいね。