D2Cビジネスで優良顧客を増やすための、5つの顧客分析方法

昨今、EC業界は右肩上がりの成長を続け、さまざまなビジネスモデルが登場しています。

中でも特に、ブランドと消費者を直接繋ぐ、D2Cというビジネスモデルが多くの注目を集めていることでしょう。

D2Cは、アメリカで発祥したビジネスモデルであり、製造者と消費者をダイレクトに結ぶ仕組みです。

主にアパレルやコスメ、嗜好品などの分野で用いられることが多く、今後もさらに小売業界に普及していくことが考えられているのです。

ECビジネスにおいて、CRMが重要視されていますが、D2Cビジネスでは、顧客とより近くでコミュニケーションを取ることができるので、さらに重要なものになっているのです。

自社商品を購入してくれる顧客はどのような人が多いのか、ということを考えることは、自社の売上を継続的に増加させるためにも必要不可欠でしょう。

そのためには顧客分析を行うことが非常に重要でなのですが、顧客分析のための手法は分かりにくいものが多く、なかなか理解し辛いという方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、D2Cビジネスで優良顧客を増やすための、5つの顧客分析方法をお教えしたいと思います。

D2Cビジネスを効率よく行いたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

顧客分析の必要性

顧客分析には2つの考え方があり、1つ目はマーケティング調査です。

商品を新しく売り出す際、そのターゲットとなる市場はどこなのか、どのような商品にすれば良いのかを考えるための分析です。

そして2つ目は、もう既に自社商品を購入したことのある顧客に対して行うものであり、実際の購入者はどのような人物なのか、今後も継続して利用してもらうことができるのか、ということを把握していかなければなりません。

CRMでの顧客分析として考えるのであれば、基本的には2つ目の考え方になるでしょう。

なぜ顧客分析をしなければならないのか、企業によってさまざまな目的があるかと思いますが、大前提としては、企業の競争力の向上でしょう。

売上額や数量、単価などの集計のみでは、商品が売れた、もしくは売れなかった、という結果を把握するだけですので、常に結果を出し続けるための再現性のある施策へと結びつけることは難しいのです。

なぜその商品が売れたのかという「理由」をはっきりとマーケティングの現場が把握すること、そしてPDCAを回すために顧客分析により現状を把握することが必要不可欠なのっです。

顧客分析を行う目的を明確にしていなければ、手法やツールに溺れてしまいますし、顧客分析そのものが目的となってしまっては本末転倒でありますので、しっかり意味を考えなければなりません。

顧客分析方法

デシル分析

デシル分析は、顧客分析方法の中でも最も基本的な分析方法であり、顧客の購買情報をもとに、顧客の購入金額を10等分します。

この10等分したものから分析を行い、全体の売上に対し、貢献度の高い優良顧客を見つけていきます。

RFM分析

RFM分析は、「Recency(直近購買日)」「Frequency(購入頻度)」「Monetary(購入金額)」の頭文字を取った言葉であり、上記3つで顧客のランク分けを行い、分析していきます。

過去に購入回数が多かった、元優良顧客に対する掘り起こしのためのDMなどには非常に有効な手法でしょう。

CTB分析

CTB分析は、「Category(カテゴリ)」「Taste(テイスト)」「Brand(ブランド)」の頭文字を取った言葉であり、これら3つの指標を用いて顧客をグルーピングしていきます。

高度で難易度が高い分析であり、POSなどの顧客情報ではあまり理解することができないのですが、成功すれば顧客がどのような商品を購入するのか、ということを、高い頻度で推測できるようになるでしょう。

LTV分析

LTVは、企業にとっての顧客の生涯価値のことであり、顧客が自社商品やサービスを利用する上で、生涯どれくらいの金額が使われているのか、いかに継続利用されているか、ということを知ることができます。

つまり、継続的に利用している顧客はロイヤルカスタマーであり、LTVが高いと考えられるでしょう。

LTVが高いユーザーはどのようにすればプロモーションから流入しやすいのか、ということを広告別に算出することで、短期的なCPOでの評価だけでなく、どのような広告媒体であれば継続利用されやすいのか、ということを分析することができ、コストを抑えながら効率よく新規顧客獲得チャネルを可視化することができるのです。

PB分析

最近ではアパレル業界もD2Cビジネスを採用するブランドが多くなってきましたが、このアパレル業界での分析法の定番と言えば、このPB分析でしょう。

定価で購入する顧客と、セール時に購入する顧客に分類し、全体の売上から見る比率を把握し、それぞれに合った施策を考案するための指標になります。

アパレル業界での最大の課題は、在庫ロスなのですが、PB分析を活用することで、この在庫ロスを軽減するだけでなく、新たな顧客層を見つけることもできるのです。

また、ブランドイメージを落としてしまう過度なセールも、バーゲン時を求める顧客のみに実施することができますので、離反を防ぎながらも売上に繋げることができるのです。

まとめ

以上、D2Cビジネスで優良顧客を増やすための、5つの顧客分析方法をお教えいたしました。

今は、多くの企業がD2Cビジネスを導入し始めているので、それぞれの企業の規模や目標によって合う分析方法は異なってきますが、D2Cビジネスでは顧客分析は非常に重要なことですので、ぜひこれらの方法を参考にしてみてくださいね。