D2CビジネスでのWebサイト構築の際、知っておくべき4つのパターンとそれぞれの特徴

近年新しい販売方法として、顧客と直接取引を行うD2Cビジネスモデルが大きな注目を集めています。

D2Cビジネスの特徴は、商品の企画や製造、販売までを一貫して行うことが特徴であり、2010年頃からアメリカを中心に始まりました。

特にアパレルや化粧品などの業界で、独自の世界観を持つD2Cブランドが多くなっており、日本でもD2Cビジネスを導入するブランドが増えてきています。

D2Cビジネスを行う上では、ECサイトを立ち上げることが必須であり、その際にECサイトの構築システムを選択することは非常に重要な経営判断です。

スタートアップとしてD2Cビジネスを行う場合には、初期費用や機能数をメインとして考えてしまいますが、それは失敗してしまうもとになるでしょう。

ECシステムを比較し、十分に検討を行い、そしてECビジネスの売り上げ目標や目指しているビジネスモデルを実現することができるシステムを行わなければなりませんし、EC市場のトレンドを察知し、そのトレンドに合ったマーケティング施策を実行するための視点も重要です。

そこで今回は、D2CビジネスでのWebサイト構築の際、知っておくべき4つのパターンとそれぞれの特徴について、詳しくお話させていただきたいと思います。

これからD2CビジネスのWebサイトを構築しようと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

D2CビジネスWebサイト構築の4つのパターンと特徴

フルスクラッチ

フルスクラッチは、大規模なWebサイトに向いている構築方法です。

ゼロからECサイトシステムを作る方法であり、構造やデザイン、機能、データベースなどを独自に自由に構築することができるので、オリジナルの機能やサービスを提供することができるでしょう。

フルスクラッチの最大のメリットは、機能開発の自由度が非常に高いことです。

ECサイト内の機能を自由に設計することができますので、理想のサービスが実現しやすく、基幹システムや倉庫管理システムなどの連携も対応しやすいでしょう。

デメリットとしては、システムをゼロから構築するからこそ、初期費用が非常に高くなってしまいます。

安くても数千万円からとなっており、もし大規模なWebサイトを構築するとなると、数億円規模になることもありますし、Webサイトの構築機関も1年以上と長くなってしまいます。

また、自社内でECサイトを立ち上げた後のセキュリティ対策やメンテナンス、システム改修などの管理をしなければなりませんので、そのためのエンジニアと開発コストを確保しなければなりません。

ECパッケージ

ECパッケージは、基本機能を改善として使用する構築方法です。

ECサイト構築や運用のために必要な機能がパッケージ化されているソフトウェアですので、ベースとなるソフトウェアを使い、ECサイトを立ち上げます。

初期費用やライセンス費用、メンテナンス費用、システム管理費などが発生しますので、基本的には数百万円、カスタマイズ次第では1,000万円以上かかりますが、フルスクラッチよりも初期費用を抑えることができます。

ECパッケージのメリットは、標準機能のみでECサイトを構築することができること、そしてカスタマイズ次第では独自のサービスを実現することができることでしょう。

また、ソフトウェアやメンテナンスに関するカスタマイズは、パッケージベンダーが行うことが多いので、エンジニアを雇用する必要がありませんし、セキュリティ対策やサーバー管理も委託することができる場合があります。

デメリットとしては、ECサイトに実装した機能が数年で陳腐化する場合があることでしょう。

フルスクラッチと同様の課題なのですが、ECサイト構築時は最新機能であっても、数年後にはその機能が古くなってしまい、トレンドに合わなくなってしまいますので、新機能追加時にはその都度システムの改修とコストが必要になります。

SaaS・ASP

SaaSとASPは、常に最新機能を使うことができる構築方法です。

クラウドで提供されているECサイト構築システムをEC事業者が利用し、ECサイトを構築し、運用していきます。

機能や製品によって必要な費用は無料から数十万までの幅があります。

SaaSとASPのメリットは、初期費用が圧倒的に安く、ECサイトを構築まで短い期間で行うことができますので、手軽に立ち上げることができることでしょう。

また、クラウド環境で提供されますので、バージョンアップやメンテナンス、セキュリティ対策などはシステム提供元がかんりしますので、EC事業者は常に最新のシステムを利用することができます。

デメリットとしては、基本的に機能をカスタマイズすることができないこと、そして基幹システムやWMSなど、外部システムとの連携に制限があることでしょう。

オープンソース

オープンソースは、ライセンスコストが無料の構築方法です。

ソースコードが公開されているソフトウェアですので、システム開発技術があれば、無料でECサイトを構築することができるのです。

オープンソースのメリットは、ライセンスコストが不要のため、プログラミング技術さえあれば、無料でECサイトを構築することができることでしょう。

独自の機能をカスタマイズさせて実装させたり、第三者が開発、そして公開したプラグインを用いて機能を追加することができます。

デメリットとしては、Webサイトの構築やセキュリティ対策を自社内で行わなければなりませんので、高い技術力が求められますし、ソースコードが公開されていますので、サイバー攻撃の標的になりやすく、不正アクセスなどのリスクが高いのです。

ライセンスコストは無料なのですが、外部に委託する場合はその都度コストが発生してしまいます。

まとめ

以上、D2CビジネスでのWebサイト構築の際、知っておくべき4つのパターンとそれぞれの特徴についてお話させていただきました。

D2Cとして取り扱う商材やブランドによって、適切な構築方法は異なっていますので、ぜひこの記事を参考に、自社D2Cビジネスの目標を達成することができるようなシステムを選定してくださいね。