D2Cビジネスの「生活者起点」という考え方の重要性

コロナウイルスの影響による外出自粛要請を経た今、ますます大きな注目を集めているビジネスが「D2C」でしょう。

D2Cビジネスとは、Direct to Consumerの頭文字を取った略語であり、企業内で商品を開発、製造し、襲来までのような小売店などを介すことなく自社ECチャネルを用いて、直接顧客に商品販売を擦るビジネスモデルです。

もうすでに日本国内においても導入している企業が多く、今後もさらに多くの企業が導入することが予想されている、今トレンドのビジネスモデルなのです。

D2Cビジネスを開始する際、「直販できるチャネル」という認識だけでは、今までのECサイトと変わらない、シンプルに新しいチャネルができるだけに留まってしまうでしょう。

同時に最近このようなブランドも多くなってきたのですが、D2Cビジネスを行う上で何よりも重要になることが「徹底的に生活者起点に立ちビジネスを構築すること」なのです。

既存ビジネスの拡大や延長として企業起点に立ち、プロダクトアウトでD2Cビジネスに取り掛かってしまえば、D2Cビジネスが成功することはないでしょう。

D2Cビジネスを構築するのであれば、まずは過去の事業成功体験や企業の歴史から得た概念など、一度すべて排除し、徹底的に「生活者起点」に立つことが重要です。

そこで今回は、D2Cビジネスの「生活者起点」という考え方の重要性についてお話していきたいと思います。

今後D2Cビジネスを展開し、成功させたいとお考えの方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

「Warby Parker」から考える生活者起点の重要性

生活者になりきる

まず最初に、生活者になりきることが重要です。

たとえば、アメリカD2Cビジネスの代表的な成功事例である眼鏡ブランド「Warby Parker」を見てみましょう。

このWarby Parkerの誕生には、創業者の自らの体験が多いに影響していると考えられます。

創業者が学生の頃、旅行に行った先で眼鏡を無くしてしまい、新しい眼鏡を購入しようとしたところ、金額が高額すぎて購入することができず、大変不便な思いをしたんだそうです。

この自らの体験を元に、高品質でありながらスタイリッシュな商品を、中間コストを抑えて適正価格で販売することを実現させたのです。

Warby Parkerはこのことから多くのユーザーからの信頼と共感を得て、今もまだ成長を続けているD2C企業なのです。

生活者に「驚き」「感動」「共感」を与える

Warby Parkerでは、つい友人に自慢したくなるようなおしゃれなデザインのパッケージデザインの眼鏡が用意されています。

ユーザーの好みの眼鏡を無料で5本まで試着することができるシステムになっているため、顧客は「驚き」と「感動」を得ることができるでしょう。

またさらに、Warby Parkerは「見る権利はすべての人にある」という理念を掲げており、発展途上国の寄付や支援活動を企業自らが積極的に行っていますので、この点に「教官」する人が多いのです。

生活者は「仲間」である

Warby Parkerは生活者と仲間になることも重要視しています。

たとえばユーザーの元に届いた眼鏡をかけ、その写真をSNSに投稿することで、フォロワーからのアドバイスが届きます。

これは、眼鏡をかけて投稿する人、眼鏡を選ぶ人、それを見てアドバイスをする人すべての人がWarby Parkerの「仲間」であることを意味しています。

SNSで寄せられたコメントを拡散したり、セールストークを行ったり、さらには要望や期待を込めた新商品に関するヒントまでも生活者が行っているのです。

上記3つのことは、コストをかけた広告や、企業のみで行う新商品の開発、それに必要なコストや人材、時間すべてを削減しているのです。

D2Cビジネス開始時に重要なポイント

Warby Parkerのように、ユーザーに確実にファンになってもらい、さらに生涯顧客価値を向上させるためには、D2Cビジネス開始時にポイントを覚えておくと良いでしょう。

そのポイントとは、「商品を開発することから始めない」ということです。

D2Cビジネスは、あくまでの生活者起点のビジネスモデルだからこそ、企業からみた商品を売る方法を考案するのではなく、その商品がいざ生活者の元に届いた際の不満や課題、驚き、喜びなどの顧客体験を重視しなければなりません。

その商品やサービスはユーザーのどのような悩みを解決するのか、どのような体験で喜びを与えるのか、どのような価格設定を行い、どのような売り方をしていくのか。

これらはまさにユーザーにとっての「あったら良いな」を集め、実施することから始まるのです。

従来までのビジネスモデルのような、インタビュー調査やWeb調査ではなく、生活者のSNSコミュニティに溶け込んでから、生活者起点に立つことが求められるでしょう。

まとめ

以上、D2Cビジネスの「生活者起点」という考え方の重要性についてお話させていただきました。

D2Cは単なるECではなく、生活者を最初と最後においたサプライチェーンの構築により成立しているビジネスモデルだからこそ、生活者が築き、生活者が支持するブランドでなければいけないのです。

D2Cビジネスにご興味を持たれている方は、ぜひ「Warby Parker」の成功事例を参考にしてみてはいかがでしょうか。