D2Cビジネスは「M&A」を選択すべき?メリットとデメリットとは

最近、ビジネスの場において「D2C」という言葉を耳にすることが多くなってきました。

D2Cとは、Direct to Consumerの頭文字を取った略称であり、日本語では「直販」と訳されます。

D2Cビジネスは、モノを作って直接顧客に届けるという仕組みであり、企業内で商品の企画や生産、流通、販売までを一気通貫して手がけます。

顧客がブランドに対する理解を深め、継続的な顧客になる確立を高めることを目的として、SNSやオウンドメディアにて、顧客とブランドコミュニケーションを取ることが主流になっています。

D2Cビジネスを行うブランドは、スタートアップ企業が多いかと思いますが、会社を企業する際の目標として、上場かM&Aかどちらにしようか、考えられることでしょう。

上場した企業は、資本を多く獲得することができますので、事業拡大へ挑戦することができますし、社会的にも上場のタイミングは注目を集めることでしょう。

そして、その一方であまり注目を集めないM&Aを選択する事業者も存在します。

ですがアメリカと比較すると、日本ではスタートアップ企業のM&Aの事例が少ないことをご存知でしょうか。

そこで今回は、D2Cビジネスは「M&A」を選択すべきなのか、メリットとデメリットについて、お話させて頂きたいと思います。

D2Cビジネスの方向性に悩まれている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

M&AのExitの仕組みとは

企業が売却された場合、創業当初の出資者の手元には、所有している株式の割合に応じて売却金が残ります。

そして、企業がいくらで売却されるのか、ということを判定された企業価値や双方の話し合いをもとに決められますので、将来性を見込むことができる場合は、高額での買収の可能性が高くなりますので、売買契約が結ばれた時点で、創業者などの出資者は、確実に投資回収することができる見込みが経ち、利益を手にすることができるのです。

メリット

・時間とコストがかからない

IPOの場合、準備期間は最低でも2年程かかってしまいますが、M&Aは、企業内での体制を整備するなどの、時間と手間がかかってしまうことが必要ありませんので、パートナー企業を見つけることができれば、3ヵ月程の準備で売却することができ、非常にスピーディにExitをすることができるのです。

また、国内D2CビジネスでのExitでは、設立からExitまでの平均年収は、買収や子会社化、主要株式取得、もしくは事業譲渡の平均年数は8年であり、IPOの平均年数は16年です。

・シナジー効果を生む

買い手企業のビジネスノウハウや施設や技術などの経営資源を活用することで、よりスピーディに、そしてビジネス拡大に期待することができるでしょう。

また、大手企業のグループに入る場合は、金融機関や取引先への信用力が増しますので、新規顧客開拓や銀行借り入れなどの資金調達力が上がります。

・素早く利益を確定することができる

もし、1つのビジネスだけでなく、他のビジネスにも挑戦したいと思われているのであれば、よりM&Aが適切です。

買い手が欲しいと思うまでビジネスを成長させることができれば、その段階で手放し、出資者にも利益を確立させることができるでしょう。

事業者はその利益を元手に、また新しいビジネスを立ち上げることができるのです。

デメリット

・経営権が無くなる

M&Aによる最大のデメリットは、経営権がなくなるということでしょう。

M&Aの場合のほとんどは、買収する方が株式の過半数を持つ、という場合がほとんどですので、この場合の経営者は、雇用主から非雇用主になりますので、買収した企業の経営方針に従わなければなりません。

そしてもし企業合併がある場合は、元の会社がなくなってしまうのです。

・企業間で摩擦が生じる

買収側の文化やルールが適用されますので、統合後に社員間や部門間で摩擦が生じてしまうことがあります。

もし統合がスムーズにいかなければ、M&Aのメリットが無くなってしまう上、従業員のモチベーションが下がってしまい、最悪の場合は離職に繋がってしまうということも理解しておかなければなりません。

・情報漏洩の危険

M&Aを行う場合、買収する方は何の調査も行わずに買収することはありません。

しっかりデューデリジェンスなどを行い、買収を判断しますので、その際は売却する方は買収する方に一定の情報を提供しなければならないのです。

これにより、情報漏洩の危険が伴いますので、情報漏洩が起きてしまわないように、しっかり秘密保持契約を結んでおかなければなりません。

まとめ

以上、D2Cビジネスは「M&A」を選択すべきなのか、メリットとデメリットについてお話させていただきました。

それぞれの企業やビジネス方針によって、最適なビジネスの進め方は異なりますが、もしM&Aのメリットが大きいと思われるのであれば、ぜひM&Aのビジネス方針を導入すべきでしょう。

今はまだ事例が少ないものの、D2C市場では今後M&Aとしてビジネスを進めるブランドも多くなると予想されていますので、ぜひこの機会にしっかり知識を得てくださいね。