企業や個人が、小売店舗や流通業者を介すことなく、自社Webサイトで消費者に対し、直接商品やサービスを提供する、D2Cというビジネスモデルが今話題になっていることでしょう。
アメリカではここ数年で、多くのD2Cブランドが登場し、巨額の資金調達を達成し、ユニコーン企業となっています。
日本でもスタートアップを中心に、D2Cビジネスを始めるブランドが多くなってきましたね。
D2Cビジネスでは、その独自のブランドストーリーをオンライン上で伝えることを重視しており、どのような背景で、誰が、何のために作った商品やサービスであるのか、ということを伝えなければなりません。
D2Cビジネスを行う上では、顧客関係の管理をしながら、顧客志向のマネジメントを行う「CRM」は欠かせません。
顧客重視のマーケティングをいかに効率よく行うか、ということを重視しなければならないビジネスであるからこそ、D2CにはCRMを導入すべきなのです。
そこで今回は、D2CビジネスにCRMを導入するメリットと活用方法について、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後D2CビジネスにCRMの導入を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
CRMとは、顧客関係管理や顧客管理を意味しており、その意味通り、顧客との関係を管理し、より深めるためのマネジメント手法です。
CRMの目的は、個々の顧客に合った適切なアプローチを行い、一人の顧客から得ることができる利益を最大化することであり、CRMによって得ることができる、顧客一人あたりの利益はLTVという指標で算出されます。
CRMシステムを導入することで、そのブランドの顧客データを一元管理することができるようになりますので、CRMによって分析した結果から、顧客に商品をおすすめし、クロスセルやアップセルを増やすことで、長期的な利益に繋げることができるのです。
きめ細かな対応を継続して行うことができますので、リピーターの育成と共に、LTVが向上し、優良顧客の育成に繋がっていくのです。
CRMは、顧客に関する情報を一元管理して可視化しているため、すぐに顧客情報を取り出すことができます。
顧客それぞれの購入時期や年齢などの要素によって検索し、抽出することで、より顧客ひとりひとりに適した商品の提案を行うことができるのです。
上記で説明した通り、顧客情報を一元管理することによって、もしECサイトの運営担当者が複数人いたとしても、スムーズに顧客情報を共有することができます。
また、必要な情報をまとめて管理することができますので、担当者引継ぎの際もスムーズに行うことができるでしょう。
CRM上でのデータに基づき、より良いアプローチ方法や適切なタイミングを考えることができますので、効率よくマーケティングを行うことができるでしょう。
また、顧客ひとりひとりに満足してもらいやすいことから、顧客満足度の結果にも直結していきます。
CRMは顧客情報の管理だけではなく、マーケティングツールやセールスツールとしても活用することができるのです。
まずはじめに顧客情報をしっかり分析し、アプローチすべきターゲット顧客を決めましょう。
過去の購入金額が〇〇円以上、最終購入日が〇〇日以上前など、条件を定め、その条件に合った顧客を抽出していきます。
顧客を抽出することができれば、その次はアプローチ方法を考えていきます。
アプローチに関しては、メールマガジンやLINE、DMなど、それぞれの顧客に合わせた手段を選定し、商品のレコメンドを発信したり、購入から遠ざかっている顧客に対して特別なクーポンを発行したり、ECサイトの更新情報など、再度訪問したくなるようなきっかけを与えていくと効果的です。
顧客セグメントとは、属性や特性が似ている顧客をグループに分けたものであり、そのグループであるセグメントに分けて分析していきます。
顧客セグメント分析を行うことで、顧客のニーズや行動が可視化されますので、見えなかった情報が明確になりますし、細分化された情報を顧客アプローチに活かすことで、より強く商品やサービスを訴求することができるようになり、結果的にLTVや顧客満足度の向上に繋がります。
ECサイト上で顧客セグメント分析を行うには、顧客全体から目的に合わせてセグメント化していきましょう。
目的を、新規顧客の維持、優良顧客の抽出、既存顧客のリピーター育成などに分け、さまざまな角度から分析をすることで、一人の顧客であってもいくつかのセグメントに分けられるので、そのセグメントに合わせてアプローチ方法を考案することができるのです。
以上、D2CビジネスにCRMを導入するメリットと活用方法について、お話させていただきました。
D2CビジネスにCRMを導入することで、PDCAを素早く回すことができ、効果をより早く実感することができます。
LTVの向上、さらに短期的な利益にも期待することができるでしょう。
ですが、あくまでもCRMを導入するそもそもの目的は、顧客とより良好な関係を築き、そしてその良好な関係を長期的に継続することですので、これを忘れることなく、CRMを上手く活用してくださいね。