消費者経営が変化する今の時代、D2Cという新しいビジネスモデルが登場しています。
D2Cを端的に言うと、ECサイトを中心としたビジネスモデルであり、自社で商品の企画から製造、直販までを手がけるビジネスモデルです。
販売代理店や流通業、小売店などを仲介しないということが特徴であり、商品の企画や開発段階において、消費者の意見や要望を傾聴することができますので、独自性の高い商品が仕上がります。
D2C市場がどんどん拡大し、日本国内でもD2Cビジネスを展開するブランドが非常に多くなっている今の時代、企業に対する評価として、収益やサービスの内容だけでなく、社会への貢献度も注目されるようになっています。
そしてそれに呼応するかのように、ソーシャルビジネスや社会企業という言葉も広がっています。
だからこそ、多くの企業がCSR活動としてビジネスとは別の取り組みを行うようになったのですが、CSR活動のほとんどはボランティアのようなものであり、本音では積極的に取り組めみたくないと考えている経営者の方も多いかと思います。
そんな中で注目を集めているものが、社会貢献と企業活動による利益を両立することができる「CSV経営」なのです。
そこで今回は、自社D2CビジネスをCSV経営にするメリットについて、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後の自社D2Cビジネスをより良くするためにも、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
CSVは、Creating Shared Valueの頭文字を取った言葉であり、共有価値の創造という意味を持っています。
CSVの概念が出来る前までは、企業が社会活動として寄付やボランティアなどに取り組むことが多かったのですが、このような活動では、根本的な社会問題の解決には至らないと、マイケル・ポーター教授によりCSV経営が提唱されました。
CSV経営は、単なる慈善活動ではなく、ビジネスの内容に対し社会性の高い内容が伴うことで、その活動の結果が企業価値と社会価値の両方を実現させる、というものです。
環境保護活動やボランティア活動をメインとしていたCSRとは違い、自社ビジネスに取り組むことが、社会問題の解決にも繋がる、というものですので、必然的にソーシャルインパクトも大きなものになるので、CSV経営の社会性が高くなるのです。
CSV経営を行う最大のメリットは、企業イメージの向上でしょう。
同じ市場の中に、同じような商品やサービスが多くある中で、いかにイメージ戦略により優位性を作ることができるか、ということが重要になります。
特にD2Cビジネスのターゲット層になりやすい若い世代は、企業の社会性に関する関心が非常に強い傾向にあり、アメリカなどでは社会性が強い企業の商品を所有することが良いと考えられている購買行動も見られています。
少なからず、日本にもそのような意識が広がりつつありますので、消費だけでなく、ビジネスの採用にも影響してくるでしょう。
また、自社が取り組む社会問題を課題としている他社と繋がることで、新しいノウハウや技術を得ることができ、さらに競合ブランドとの差別化要素が多くなるのです。
CSV経営は実現はかなり難しいので、アプローチすべき切り口をしっかり知っておかなければなりません。
まずは「商品と市場の見直し」を始めましょう。
数多くある社会課題の中で、自社商品や自社技術によって解決することができる糸口を探し、そこから更に新しい商品やサービスを作っていきましょう。
新しいプロダクトを作成するときは、まず市場を考えるかと思いますが、そこに社会課題をプラスする、というイメージです。
日頃から社会課題に関心を持ち、情報収集しなければなりません。
そして「バリューチェーンの改善」を行います。
市場の見直しよりもやるべきことが明確であり、購買や製造の生産性を上げ、温室効果ガスの低減に繋げるという考え方です。
その他にも、製造の生産性を向上させることで、同じ庁を生産することにかかる時間が減りますので、同様の効果を期待することができるでしょう。
また、「産業クラスターをつくる」ことも重要です。
ビジネスを行う地域で、ローカルスタッフを育成し、インフラ整備を行うことで、自社活動がスムーズになるだけでなく、その地域経済に貢献することにもなりますので、企業が拠点を置く地域を支援するための、産業クラスターを作り、地域の活性化に繋げていきましょう。
以上、自社D2CビジネスをCSV経営にするメリットについてお話させていただきました。
お分かり頂けたかと思いますが、CSV経営は、社会問題を解決しながら利益を得ることができる経営戦略であり、義務的なCSRと比較しても、かなりインパクトが大きいと言えるでしょう。
CSV経営は徐々に広がっており、今後注目を集める経営戦略と言われていますので、社会全体を巻き込み、関係者すべてが同等の対価を得ることができるよう、効率よくビジネスを進めてくださいね。