D2Cで良質な顧客体験を提供するために、理解すべきDVNBブランディングの特徴

ここ数年、日本で非常に多くの注目を集めているビジネスモデルは「D2C」でしょう。

Direct to Consumerの略称であり、企業やブランド自らが企画し、製造した商品を、広告代理店や小売店を介すことなく、直接消費者と取引を行う仕組みです。

スマートフォンの普及と、爆発的なSNSの普及があり、それらを活用することで消費者と直接コミュニケーションを取ることができるようになったこの時代、続々とD2Cビジネスを展開する企業が多くなってきています。

D2Cビジネスを行っていると、「DNVB」という言葉に出会うことがあるでしょう。

DNVBは、Digital Native Vertical Brandの頭文字を取った言葉であり、D2Cビジネスには欠かすことができない要素になっているのです。

そこで今回は、D2Cで良質な顧客体験を提供するために、理解すべきDVNBブランディングの特徴について、詳しくお話させていただきたいと思います。

D2Cビジネスの知識を増やしたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

DNVB(Digital Native Vertical Brand)とは

まずDNVBとは何か、説明していきます。

アメリカ発のメンズアパレルD2Cブランド「Bonobos」をご存知でしょうか。

2007年に創業以降、豊富なメンズパンツを取り揃え、着実にファンを増やしているD2Cブランドの代表ともいえるブランドです。

DNVBは、このBonobosの創業者Andy Dunnによる造語であり、「デジタルネイティブのための垂直なブランド」という意味を持っています。

分かりやすく言うと、生まれた時からインターネット環境の中にいるデジタルネイティブ向けに、何らかのジャンルに特化し、商品の企画や製造、販売まで垂直統合したブランドということです。

特定のプロダクトに特化しているのではなく、そのブランドが掲げるミッションやビジョンを達成するための特定領域に特化しているという理解のほうが正しいでしょう。

DNVBにおけるブランディングの特徴

ブランディングで買う意味を作る

今、モノで溢れている時代であるからこそ、課題解決型の訴求は消費者に響きにくくなっていますので、
ブランディングに求められることが大きくなっているのです。

だからこそ、課題解決以外の「買う意味」が非常に重要になってくるのです。

たとえばApple製品のiphoneの場合、iphoneを買うことの意味は「電話が必要だから」でしょうか。

きっと多くの人はそれだけではないと答えるでしょう。

電話という機能だけでなく、Appleの逸材なブランディングによって、
顧客に情緒的価値を訴え、顧客がiphoneを買う意味を作っているのです。

全方位的なブランディング

DNVBがブランドである以上、一瞬でも顧客体験を満足に提供できない場合があれば、それが失敗であったと考えるべきです。

DNVBは、Webサイトやプロダクトデザイン、ボックス、コールセンター、SNSなど、顧客とのすべての接点を最高の顧客体験に近づけるものでなければならず、この一貫した顧客体験こそブランディングに繋がるのです。

だからこそ、「全方位的な」ブランディングが非常に重要になってくるのです。

すべての接点にて、顧客に最高の顧客体験を提供することは本当に難しいことなのですが、これを叶えてこそ初めてD2Cビジネスが成長するのです。

心理的な要因からターゲット選定をする

D2Cビジネスにおいて、「誰のためのブランドであるのか」というターゲット設定は非常に重要です。

つまり、ターゲットユーザーの心理的な要因を知り、それを元に決めなければなりません。

もう少し正確に言うと、ターゲットとなるユーザーは、決めるというよりも必然的に「決まる」のです。

自社プロダクトと、さまざまなターゲットの組み合わせを考え、最適な組み合わせを見つけてみてください。

DNVBでは、情緒的価値を訴求することが大前提にありますので、心理的要因を最重視しなければならないのです

まとめ

以上、D2Cで良質な顧客体験を提供するために、理解すべきDNVBブランディングの特徴についてお話させていただきました。

D2Cビジネスを本質的に理解するためには、DNVBの理解がかなり重要です。

D2Cは、いかに長く継続して利用してもらうことができるか、いかに愛され続けるブランドであることができるか、ということを叶えて成立するビジネスモデルです。

DNVBの理解こそ、D2Cビジネスの成功に繋がると言えるでしょう。

ぜひこの機会にDNVBをしっかり理解して、デジタルネイティブと呼ばれる若者世代に良質な顧客体験を提供し、自社D2Cブランドのファンをより多く作ってくださいね。