仲介業者を介すことなく、製造から販売までを一貫して自社内で行うビジネスモデルが今、多くの企業から注目を集めていることでしょう。
D2Cブランドの場合、他のビジネスモデルと違い、一貫したブランディングを行うことができますので、消費者から「この企業だから」「このブランドだから」という理由で選んでもらうことができますので、特別感を演出することができるでしょう。
D2Cビジネスを展開することで、仲介コストを削減することができ、自由なブランディングを行うことができますので、今非常に注目度が高まっているビジネスモデルなのです。
だからこそ、今後D2Cビジネスの展開を検討されている方も多いでしょう。
参考にすべき海外D2Cブランドはさまざまあるのですが、今回は飲食D2Cビジネスにスポットを当て、冷凍食品をD2Cビジネスとして展開する「Daily Harvest」をご紹介したいと思います。
アメリカ全土に拡大したD2Cブランド「Daily Harvest」から学ぶ、D2Cビジネスの成功法をお教えいたしますので、これからD2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
Daily Harvestは、アメリカで拡大しているD2C冷凍食品ブランドです。
健康的な食事を手軽においしく食べることができるデリバリーサービスに、人気がどんどん集まっているのです。
果物や野菜で作られた食事が冷凍食品として自宅に届くサービスであり、食べたいときには簡単な調理で、いつでも簡単な調理のみで健康的な食事を楽しむことができるのです。
今現在展開されている商品は7種類あり、それぞれ80~500カロリー程です。
今現代は、スーパーフードやサプリメントなど、多くの選択肢がある中で、消費者にとって本当に自分の体に良いものは何か、ということを判断することは難しくなっています。
さらに、野菜や果物を使った料理となると、どうしても手間と時間がかかってしまうのですが、週間約90ドルを支払うことで、4~12オンスのカップやボウルに入った冷凍食品が届けられますので、ユーザーの課題に対し「野菜と果物を多く使用した健康的な食事を手軽に取れるようにする」という解決策を提案しています。
Daily Harvestでは、日々忙しい毎日を過ごす人でもシンプルで健康的な食事を取ることができるという一貫したブランドミッションを掲げています。
新鮮で健康的な食事内容と冷凍食品の技術を組み合わせることによって、D2Cとしての価値を提供しており、シンプルさを強調しているのです。
食事内容に関しても、植物性の食材を100%使用したビーガンであり、添加物や防腐剤や重鎮剤は一切含まれておらず、冷凍であるため鮮度も落ちにくく、D2Cとサブスクリプションを組み合わせ、独自のサプライチェーンの構築にも成功しているのです。
これに共感する消費者が多く、ビジネス開始後わずか一年後には100万個を超える数のスムージーを出荷する結果になったのです。
なぜDaily Harvestはここまでの成長を遂げたのか、それにはDaily Harvestのマーケティングに答えがあります。
Daily HarvestではSNSでのPR活動に注力し、特にインフルエンサーが重要な要素になっています。
数百にも及ぶ強力なマイクロインフルエンサーを構築することで、すぐに拡大したのです。
また、公式Instagramに関しても、インフルエンサーが投稿したコンテンツを多く再利用しており、さらにYouTubeにおいてもアフィリエイトマーケティングプログラムが採用されています。
YouTubeでもインフルエンサーと協力し、視聴者に対する割引コードを配布するなどを行っており、ブランド独自コンテンツよりもインフルエンサーコンテンツに注力していることが分かります。
また、健康的でシンプルかつ美しい写真をPinterestに投稿することで、ブランドとしての存在感をさらに高め、これらの写真の数々はユーザーにとっても優れた検索エンジンとなっており、ブランドの認知拡大に大きく貢献しているのです。
Daily HarvestがD2Cビジネスとして成功したポイントは、ユーザーの課題に一貫して焦点を当て続けたということでしょう。
日々忙しいが健康的な食事を手軽に取りたい、という課題を解決するための商品を開発し続けています。
これこそ、ブランド設立当初から変わらぬバリューポジションであり、ターゲットユーザーのみに焦点を当てることで、長期的な成功を可能にしているのです。
Daily Harvestは今後もさまざまな新商品を開発し提供しますが、新商品であったとしても、「忙しい日々を過ごすユーザーが健康的な食事を手軽に取ることができる」というバリューは変わらないでしょう。
そして多くの競合ブランドはミールキットサービスを提供していますが、Daily Harvestは冷凍食品を提供していますので、食べたいときにいつでも食べることができるという利便性に関しては圧倒的に優位性を誇っています。
誰が自社のユーザーで、そのユーザーは何に課題を抱えているのかということをしっかり理解し、そしてその課題と一致する商品を作ったことこそ、D2Cビジネスを成功に導いたのでしょう。
以上、アメリカ全土に拡大したD2Cぶらんど「Daily Harvest」から学ぶ、D2Cビジネスの正攻法についてお話させていただきました。
これからD2Cビジネスを始めようと思われている方は、Daily Harvestは非常に良い事例であることでしょう。
ぜひDaily HarvestのD2Cビジネスの進め方を理解し、参考にしてみてくださいね。