D2Cブランド「Daily Harvest」はなぜアメリカ全土に拡大したのか

ブランドやメーカーが、独自で生産した商品を、仲介業者や店頭に置かず、ECサイトを構築して直接消費者に商品を販売するD2Cビジネスが今、多くの注目を集めています。

特にアメリカのスタートアップ企業が、SNSやブログで積極的にアピールすることで、大成功を収めたビジネスモデルであり、今日本企業でもD2Cビジネスモデルを採用する事例が多くなってきています。

インターネット環境が整い、SNSが普及したことによって、企業は広告を使わなくても多くの消費者と直接コミュニケーションを取ることができるようになっています。

さらに今、コロナ禍の時代において、店舗型ビジネスでは売り上げに期待することができませんので、EC上で完結することができるD2Cビジネスがより注目されているのです。

D2Cビジネスにおいては、マーケティングノウハウがあればビジネスの成功確立は格段に上がるものの、ブランド力がない中小企業でのD2Cビジネスはそう簡単ではありません。

そこで今回は、D2Cブランド「Daily Harvest」がどのようにしてアメリカ全土へ拡大することができたのか、ということについてお話させていただきたいと思います。

アメリカでのD2Cビジネス成功事例は、今の日本企業に非常に参考になりますので、D2Cビジネスにご興味を持たれている方は、ぜひこの記事を参考になさってください。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

「Daily Harvest」とは

Daily Harvestとは、健康的な食事を手軽に食べることができる、アメリカのデリバリーサービスです。

果物と野菜が使われた、植物ベースの食事が冷凍されて届けられますので、ユーザーは食べたいときに簡単な調理のみでいつでも健康的な食事を楽しむことができるのです。

週に約90ドルで4~12オンスのカップやボウルに入った冷凍食品が届けられる仕組みであり、商品内容は、スムージー、オーツ、スナック、スープ、ラテなどの8種類です。

すべての食事が80~500カロリー以内に計算されており、軽食として手軽に食事を取ることができます。

忙しくて食材を購入したり料理をする時間がないが、健康的な食事を摂りたいという人をターゲットとしており、今の時代、健康面を考えると、サプリメントやスーパーフードなどさまざまな選択肢があるからこそ、自分の体に本当に良いものは何かを判断することが難しくなっています。

さらに、果物と野菜をたっぷり使った料理となると、さらに手間と時間がかかってしまいますが、Daily Harvestはこの課題に対し、シンプルで健康的な食事を手軽に摂ることをミッションとしています。

アメリカ全土へ拡大した理由

Daily Harvestは、創業以来アメリカで大人気D2Cブランドとなり、ミールデリバリー分野を牽引する存在になっています。

「日々忙しい毎日を過ごしているが、健康的な食事を摂りたい人」という明確なターゲットを定めると同時に、ブランドミッションを一貫しています。

また、「シンプル」を強調しており、商品の内容も植物性食材のビーガン100%のものばかりで、添加物や防腐剤、充填剤などは一切含まれていません。

冷凍食品であるからこそ、鮮度が落ちにくくD2Cビジネスとして独自のサプライチェーンを構築しているのです。

このようなブランドバリューに共感するユーザーが非常に多く、アメリカ全国発売わずか1年の間に100万杯以上のスムージーを出荷し、10万人以上の顧客獲得に成功したのです。

なぜここまで拡大することができたのか、マーケティング活動に答えがあるでしょう。

ブランドPRはソーシャルメディアを中心とし、特にインフルエンサーマーケティングに注力しています。

数百にも及ぶ、強力なマイクロインフルエンサープログラムを構築したことにより、ニュートークからすぐにアメリカ全土へと拡大したのです。

Daily Harvestの公式Instagramの投稿の多くは、インフルエンサーのコンテンツを再利用したものであり、そしてYoutubeにおいてもアフィリエイトマーケティングプログラムを採用することで、インフルエンサーと協力してレビュー動画を制作しています。

どのソーシャルメディアにおいても、インフルエンサーコンテンツに注力していることが分かりますよね。

またPinterestに関しても、今ユーザーにとっては優れた検索エンジンになっていますので、シンプルで美しい写真を積極的に投稿し、存在感を高めており、認知拡大に大きく貢献しています。

まとめ

以上、D2Cブランド「Daily Harvest」はどのようにしてアメリカ全土へ拡大することができたのか、ということについてお話させていただきました。

ターゲットユーザーのニーズに一貫して焦点を合わせ、その課題を解決するための商品を開発しています。

この一貫性こそ、今の時代のD2Cビジネスに非常に重要なポイントになっているのです。

おそらく今後もDaily Harvestの競合は現れてきますが、利便性の面に関しては、今後長く優位性を誇ることでしょう。

ぜひこのような事例を参考に、D2Cビジネスに取り組んでくださいね。