D2Cは、消費者に直接商品を販売することが特徴の直販モデルと認識されていますが、D2Cの最大の特徴はその仕組みではありません。
D2Cは、デジタルを最大限に活用するビジネスであり、その点で従来のビジネスとは大きく異なるのです。
そして、そのデジタルを活用する最大の利点が、データを容易に収集でき、それを活用できるという点なのです。
そこで今回の記事では、D2Cにおける顧客データの活用について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
D2Cは、商品の企画から販売までを自社で内製し、消費者に直接販売をする仕組みのビジネスモデルです。
このモデルは、基本的には、SNSを中心としたデジタルマーケティングを主とし、実店舗を持たずに、自社ECを販売の軸とすると言う、デジタルを最大限に活用すると言う特徴があります。
現在は、D2C市場が拡大し、競合のブランドが増えていることから、実店舗を持つブランドも増え、様々なマーケティング手法が取り入れられてはいますが、デジタルを最大限に活用とすると言う基本的な仕組みは変わっていません。
デジタルを活用することで、D2Cはデジタルの恩恵を最大限に受けているのです。
現在、日本はデジタル化が急速に進み、ECに転換する企業やブランドが増えています。
しかし、単にECサイトを開設しただけで、消費者を取り込むことはできません。
現代は、市場が成熟し、モノが売れない時代と言われています。
そこに、昨年から続く新型コロナウイルスの流行が加わり、さらにモノが売れない状況となっているのです。
この危機的状況から、企業はデジタル化を加速させている訳ですが、ECだからと言ってモノが売れるようになるわけではないのです。
モノが売れないのは、当然ですが、消費者モノを買わないからです。
では、なぜ消費者が、モノを買わないのかと言うと、今の市場が現代の消費者のニーズにそぐわないものとなっているからなのです。
消費者のニーズは、従来から大きく変化しています。
これまでは、企業やメーカーが商品を提案すれば、それが受け入れられてきました。
しかし、現代の消費者は、個々の嗜好や関心を優先させます。
自身が本当に欲しいと思った商品や必要と判断した商品、強く興味をひかれるような商品だけを求めるようになっているのです。
そして、その個々の嗜好は、それぞれ異なります。従って、企業やメーカーは、その多様化したニーズに合わせていかなくてはならないのです。
D2Cが、消費者の支持を得ているのは、この多様化したニーズに合わせて、商品を提供しているからです。
そして、そのためにD2Cブランドが活用しているのが、データなのです。
D2Cの特徴である、マーケティングにSNSを利用し、自社ECで販売すると言う、デジタルを活用することの大きな利点は、データを容易に収集することができる点です。
この利点を有効に利用しなくては、デジタルを活用し商品を販売する意味がないとさえ言えるのです。
実際に、多くのD2CブランドがSNSやブログなどを利用し、多くのデータを収集しています。
例えば、とあるアパレルD2Cブランドでは、ブランドの立ち上げ以前からブログを開設し、訪れるユーザーと積極的にコミュニケーションをとることで、消費者の実際の声を集め、それを商品の開発にフィードバックしています。
これにより、このブランドは、消費者が実際に求める商品を提供することが可能となり、今では消費者から圧倒的な支持を集めるD2Cブランドとなっているのです。
そして、このブランドは、成長した現在においても、ブログを継続しており、日々消費者とコミュニケーションをとりながら、消費者の声を集め続けているのです。
この消費者の意見を積極的に取り入れようとする姿勢が、多くの消費者の心を掴み、ブランドのファンを生み出しているのです。
このブランドのように、ブログを活用するケースもありますが、D2Cブランドの多くが活用しているのがインスタグラムです。
インスタグラムは、ブログよりも手軽に投稿でき、ユーザーも手軽に閲覧が可能なSNSです。
画像や動画でアピールすることができるため、アパレルD2Cブランドや化粧品、コスメのD2Cブランドが多く利用しています。
実際にとあるコスメD2Cブランドは、インスタライブと呼ばれる、インスタグラム上で行われる、リアルタイムの動画配信を毎日のように行っています。
このインスタライブは、一方的な動画の配信ではなく、ユーザーとコミュニケーションをとりながら行うことが可能で、ユーザーの生の声を聞くことができるのです。
これにより、このブランドは、日々ユーザーの生の声を集め、それを商品の開発やサービスの改善に役立てているのです。
このように、成功しているD2Cブランドは、そのほとんどがデジタルを活用して顧客とコミュニケーションをとり、多くの顧客データを収集しているのです。
そして、それを素早くフィードバックし、商品の開発やサービスの改善に役立て、顧客の心を掴んでいるのです。
D2Cブランドを含む、現在のEC市場では、このデータの活用が必須であり、データを活用することが成功への近道となっているのです。