優秀事例から学ぶD2Cでファンを作る方法

今、EC業界では「D2Cビジネス」が非常に大きな注目を集めています。

D2Cは、企業が顧客に対し直接商品やサービスを販売するビジネスモデルであり、企業内で商品開発や製造から販売までの一連の流れを行います。

ECサイト上で完結させることができるという点がD2Cの強みなのですが、ここ数年ではEC市場がかなり拡大しているためECサイトを運用し、オンラインのみでの顧客獲得がかなり厳しくなっています。

だからこそ実店舗を展開する企業が非常に多くなり、実店舗があってこそのECサイトの運営に注目する企業が多くなってきました。

このような企業が多くなりましたので、実店舗を運営することで客単価や売上を向上させる成功事例も非常に多くなってきているのです。

実店舗の運営は、顧客体験やブランディングにもかなり優れていますので、消費者の印象に残りやすいので、リピーターの育成に繋がり、その企業やブランドの「ファン作り」につながるのです。

そこで今回は、優秀事例から学ぶD2Cでファンを作る方法について、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後D2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

「Casper(キャスパー)」

アメリカでD2Cサービスとして寝具を提供するCasperは、マットレスをはじめとした寝具をオンライン直販しています。

徹底的にマーケティングを行い、寝心地の良さを訴求したため、高級寝具ブランドよりもはるかに低価格ではありながら、寝ている体をしっかり支える高品質なマットレスの開発に成功したのです。

このCasperはミレニアル世代を中心に、多くのファンを抱えており、今ではかなり大きなブランドへと成長しているのです。

自社内で顧客データを収集し、リピートの分析、アップセルの分析を徹底的に行うことで、実店舗にて枕やシーツ、羽毛布団などのマットレス以外の寝具もアップセル販売を行い、確実に売上を積み上げ他結果、実店舗を回転してから投資回収まで1年半から2年の間に終わらせたのです。

実店舗を運営することで、そのブランドの世界観を空間全体で表現することができ、消費者の生活シーンを想像させるようなディスプレイにすることで、それぞれの商品の使用イメージを持つことができますので、さらにアップセルに繋がります。

また、Casperのように徹底的なマーケティングを行うことで、同時に購入されやすい商品を同じ場所に陳列させるような工夫をすることができるのです。

また、仮眠ルームが設置されており、45分25ドルで夜空を演出した部屋で昼寝体験を行うことができます。

店舗へ訪れた消費者が「試してみたい」という気持ちになるような演出を行うことで、多くのファンを獲得したのでしょう。

「b8ta(ベータ)」

アメリカにてデジタルガジェットを中心に販売しているb8taは、体験型小売店舗です。

新興企業が手がけるD2Cブランドであり、店舗に訪れた消費者は実際に商品を手に取って試すことができますし、商品ごとに用意されているタブレットより、それぞれの商品の詳細情報を確認することができます。

つまり消費者は、オンラインで見た新商品を、実店舗で体験することができますので、かなりイメージしやすいと考えられるでしょう。

またこのような方法でD2Cビジネスを行うことで、企業はかなり詳細な顧客データを得ることができます。

そうなるとその顧客データをもとにまたマーケティングを行うことができますので、さらに顧客ニーズに沿った商品開発や改善に活かすことができるでしょう。

「FABRIC TOKYO(ファブリックトーキョー)」

FABRIC TOKYOは、D2Cサービスとしてオーダースーツを提供しているアパレルブランドであり、アパレルD2Cビジネスとしては先駆者として着実に成長を続けています。

「オーダースーツの民主化」をスローガンとして掲げ、リーズナブルな価格でありながらも顧客一人一人に合ったオーダースーツが提供されています。

FABRIC TOKYOは、企業が顧客によりリアルな情報を届けるために、ショールーム型の実店舗を設けており、採寸や商品提案が行われています。

また渋谷の店舗では無人カウンターオーダーが設置されており、初回時に採寸を行いその情報を登録しておくことで、2回目以降はワンタップで商品の注文が行えるようになっています。

このようにできるだけ顧客の手間を最小限にすることで、ターゲットとする忙しいビジネスパーソンから選ばれるサービスになり、リピート率が向上したのです。

さらに来店直後、購入直後、商品到着後毎にアンケートが送信され、顧客満足度を都度確認し、商品やサービスの改善に繋げ、さらに会員制のファンクラブイベントを開催し、新作発表会やファンとの交流を行い、顧客理解をより一層深めているのです。

オンラインとオフライン、両方の強みを生かしたD2Cサービスといえるでしょう。

まとめ

以上、優秀事例から学ぶD2Cでファンを作る方法についてお話させていただきました。

上記から分かることといえば、いかにして顧客との接点をより多く持つか、その顧客との関係性をいかにして長期的なものにするのか、ということこそD2Cビジネスを行う上では重要であり、その業界で生き残るポイントになるでしょう。

常に顧客満足度を高める取り組みを常に忘れず、成長し続けることをしっかり意識して、D2Cビジネスを成功させましょう。