「こんな商品があれば良いな」という発想から、その商品を実際に創り上げ、独自のブランドを立ち上げ、商品を販売する起業家がどんどん多くなっています。
企業自らが商品の企画や製造、販売までを一貫して行うビジネスモデルは「D2C」と呼ばれており、小規模事業者はもちろん、大手ブランドやメーカーからも注目されています。
D2Cビジネスを展開することで、売り手のビジョンや思想を顧客に伝えることができること、1人1人の顧客の声を聞くことができること、顧客データを基により良い商品を開発することができること、自社ブランドロイヤルティを向上させることができることなど、多くのメリットがあります。
ビジネスにどんどんデジタル技術が組み込まれている今の時代、そして今後ますます成長するであろうD2C市場で生き残るためには、DX化は避けて通ることができません。
ですが、さまざまなD2CブランドがDXに取り組んでいても、すぐに成功することは中々難しいでしょう。
成功率を高めるためには、失敗する原因や理由をあらかじめ知り、対策を講じることが重要です。
そこで今回は、D2CビジネスでのよくあるDX失敗事例をご紹介していきたいと思います。
今後自社D2CビジネスへのDX化を考えている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
Contents
DXが失敗してしまうよくある要因としては、そもそも経営者がDXを理解していないこと、DXを進めるリーダーがいないこと、組織の理解を得ることができないことが挙げられるでしょう。
そもそも経営者がDXの基礎知識をしっかり得ていなければ、DXチームやDX推進リーダーは闇雲に時間と予算を費やしてしまい、結局DXプロジェクトを中止せざるを得ない状況になってしまいます。
また、今の日本企業にてDXを推進することができる人材が非常に少ないことも、DXが失敗してしまう大きな要因でしょう。
DXに関する知識を十分に持ち、DXを進めることができるリーダーが居れば良いのですが、名前だけのリーダーでは、そのリーダーが全てをアウトソースに丸投げするケースが多いので、莫大な金額を支払ったとしても、その出来上がったものを使いこなせずに終わってしまうことがあるのです。
そして、DXプロジェクトは新規事業とも考えるべきですので、全社的な取り組みが必要であるにも関わらず、企業組織自体が団結できていないとなると、人的リソースやPoCの協力がうまくいかないだけでなく、成果もでないのに無駄な費用を使っているという感覚になる人も出てくるでしょう。
このようになると、DXプロジェクトに携わるメンバーのモチベーションが下がってしまい、プロジェクトそのものが頓挫してしまいますので、経営者が従業員に対し、重要なプロジェクトであることを名言すべきなのです。
DXを進める上では、ITベンダーと付き合いをしなければなりません。
ITベンダーとユーザーでは、圧倒的に知識格差がありますので、ITベンダーから提供される情報が正しいのか間違っているのか、ということはユーザーは判断できませんので注意が必要です。
ITベンダーの言いなりになってしまうということが非常に多いことが実情ですので、自分自身でもある程度専門用語を理解する努力や、複数のITベンダーとやり取りを行い、ITベンダーを見極める目を養う必要があるでしょう。
DXのゴールが明確に設定されていないとなると、DXは失敗に終わってしまいます。
DXを進める目的、進めた先のゴールを明確にし、KGIやKPIなどの具体的な目標までも設定することは、DX成功には欠かせません。
明確なゴール設定がなければ、その評価もすることができませんので、成功か失敗かを判断することもできないのです。
ゴールを設定したら、それが企業内の各部門に共有され、共通認識としましょう。
共通認識でなければ、各々異なる方向を向いて活動を行ってしまい、不要なものや企業内で重複するものを作ってしまったりと、無駄を作ってしまうのです。
新しいことを試す上では、PoCは非常に重要なプロセスなのですが、目的がPoCを行うことになってしまい、PoCを行ってもDXが推進されない、ということがあるのです。
これを防ぐためには、何を実証するためのPoCなのか、ということをPoC毎に目標を設定し、そのPoCが成功しているのかを判断することができる状況を作らなければなりません。
当然PoCにもコストがかかってきますので、できるだけPoCコストを下げるように実行することをおすすめします。
以上、D2CビジネスでのよくあるDX失敗事例についてお話させて頂きました。
DXを成功させるためには、経営層が中心となって、各部門と協力し、目標を明確にする必要があります。
失敗には必ず学びと原因がありますので、今後D2CビジネスにDXを導入しようと思われている方は、ぜひこのような失敗事例を理解し、できるだけ失敗を避けるビジネスを進めてくださいね。