ビジネスを成功させるためには、あらゆる面で可視化が必要であり、その基準となる指標が重要となります。
そして、この指標には様々な種類があり、そのビジネスごとにそれぞれ重要視すべき指標は異なるのです。
この指標が重要とされるのは、D2Cビジネスでも同様であり、D2Cビジネスの特徴から必要な指標を導き出し、向き合っていくことが必要なのです。
そこで今回の記事では、D2Cに重要な指標について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
どのようなビジネスであっても、経営面を可視化することのできる指標は重要となります。
そして、この指標には様々な種類があり、ビジネスの特徴によって重要視すべき指標は変わってきます。
D2Cビジネスは、商品の企画から製造、販売までを一貫して行い、消費者に直接販売をする仕組みのビジネスです。
スタートアップ企業が多いため、顧客の囲い込みが重要となり、デジタルを通じて顧客と積極的にコミュニケーションをとることが求められます。
つまり、D2Cビジネスは、顧客との関係性を長く継続していくことが重要であり、継続することで収益を上げることができるビジネスなのです。
この特徴から、D2CビジネスではLTVという指標を重要視すべきと考えられています。
このLTVとは、LifeTimeValueの略称で、日本語では顧客生涯価値と訳され、一人の顧客が取引の初めから終わりまでの期間にどれだけの利益をもたらしてくれるかという、収益の総額を算出する指標となります。
一人の顧客を獲得するために、企業は様々な施策を行い多大な投資を行っています。
そのようにして得た顧客との関係を一度限りの取引で終わらせるのではなく、継続して良好な関係を維持していくことにより、収益を上げることができるようになるのです。
そして、効果を測るために重要となるのがこのLTVという指標なのです。
このLTVは、現在D2Cに限らず、様々なビジネスにおいて注目されている指標です。
ここまでこの指標が注目されるようになったのには、いくつかの理由があります。
その一つが顧客のデータの収集が容易となったことです。
ビジネスのデジタル化が加速するにつれ、企業と顧客との接点は大幅に増えました。
従来では、店舗やカスタマーセンターなどでしか顧客と直接接する機会はありませんでしたが、現在では、ECやSNS、ブログなどオンライン上で顧客と直接コミュニケーションをとることが容易となり、多くの情報を得ることが可能となっています。
収集できる顧客データが増えたことにより、どうすればLTVを高めることができるかを、データに基づいて分析し、それを活用することが可能となったのです。
これにより、LTVを効率よく高めることができるようになり、多くの企業がLTVに注目するようになったのです。
また、サブスクリプションというビジネスモデルが、広く普及したことも理由の一つと言えます。
サブスクリプションビジネスは、D2Cと同様に、継続して利用してもらうことにより収益を上げることができるビジネスモデルです。
消費者のニーズがモノを所有することではなく利用する事へと変化したことで、このビジネスは広く普及しました。
このニーズの変化によって、顧客に継続して利用してもらうことがビジネスの最重要事項となったのです。
従来では、商品を売ったら、そこで企業と顧客との関係は終わりとなっていましたが、このサブスクビジネスが普及したことにより、顧客一人一人と向き合うことが重要となり、顧客と長く継続して関係性を構築していくことが求められるようになったのです。
そして、このビジネスによりカスタマーサクセスという概念も生まれました。
このカスタマーサクセスとは、直訳すると顧客の成功という意味であり、顧客からの要望を受動的にサポートするのではなく、顧客の成功と自社が得る利益の双方を両立させるために、能動的に顧客にアプローチしていく取り組みを指しています。
つまり、企業側から積極的に顧客とコミュニケーションをとり、顧客に関わっていくことで、顧客を商品の購入やサービスの利用というゴールへ導いていくことを表しているのです。
そして、このカスタマーサクセスを追求することで最大化されるのがLTVなのです。
さらに、企業と顧客の関係性が大きく変化していることも、LTVが注目される理由と言えます。
前述のように、従来では企業と顧客は商品を取引する際のみ接点を持ち、その取引が終われば関係も終わりとなっていました。
しかし、新規の顧客獲得が難しくなっている現代では、顧客と良好な関係を構築し、それを維持していくことが重要となっており、関係性が大きく変化してきているのです。
従来のように、企業が一方的に情報を発信するというような縦の関係ではなく、双方に利がある横の関係となり、さらに、D2Cビジネスにおいては、SNSなど接点が増えたことにより、顧客を商品やブランドを作り上げる仲間と見なすようになっているのです。
こういった関係性の変化により、ビジネスにも変化が求められ、その変化したビジネスに必要となるのがLTVと言う指標なのです。
ビジネスにおいて、指標は欠かせないモノであり、これはD2Cビジネスにおいても同様です。
そして、D2Cビジネスにおいて重要となるのが、今回説明したLTVという指標なのです。
このLTVは他のビジネスにおいても注目されている指標であり、顧客を重視するビジネスでは欠かすことのできない需要な指標となります。
D2Cビジネスを成功させるためには、このLTVがなぜ必要なのか、LTVを高めるために何をしたらよいのかということを考え、注力していくことが大切となるのです。