D2Cビジネスは、当初はミレニアル世代をターゲットとしていましたが、現在は、ターゲットがその次のZ世代に移行しつつあります。
この2つの世代は、デジタルに精通していると言う共通点もありますが、異なる点も多く、価値観にも違いがあります。
そして、このZ世代が、最も重要と考えるのが、情報の透明性であり、この点に重きを置いてアプローチする必要があるのです。
そこで今回の記事では、Z世代が求める情報の透明性について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
D2Cでは、これまで主なターゲットはミレニアル世代であり、その世代の特徴に合わせた戦略に基づいてマーケティングが行われてきました。
しかし、徐々にそのターゲット世代がさらに若いZ世代に移行しており、既にメインのターゲットとなっているケースも見られるのです。
このZ世代は、ミレニアル世代と同様にデジタルネイティブと呼ばれるデジタルに精通した世代ですが、その特徴は異なる点も多く、Z世代をメインターゲットとする場合には、戦略を変える必要があるのです。
Z世代は、1995年以降に誕生した世代であり、ほとんどが誕生の時点で既にインターネット環境が整備されていました。
早い段階でスマートフォンも普及したため、ミレニアル世代よりもさらに、デジタルに親和性の高いデジタルネイティブであり、スマホネイティブであるのです。
この違いは、価値観にも大きく影響し、両者の価値観は大きく異なります。
Z世代は、価値観が形成される思春期の段階で、当たり前のようにスマホを利用し、あらゆる情報を収集しています。
そのため、何か行動を起こす前には、必ず必要な情報を収集し、それに基づいて行動を起こすのです。
これが消費活動の場合、まず欲しい商品の情報を収集、そして実店舗で商品を確認、その後オンラインにて複数の店舗で商品を比較検討し、さらに商品レビューや店舗のレビューを確認し、問題がなければ商品を購入すると言うように、慎重に検討を繰り返し、商品を購入するのです。
この時に、特に重要視するのが、商品のレビューや店舗のレビュー、SNSなどでの口コミです。
Z世代は、どの世代よりもこのレビューや口コミを重要視する傾向があります。
買い物だけに限らず、何においても失敗をしないように念入りに準備をするZ世代にとって、一般の消費者の忌憚のない意見が最も重要な役割を担っているのです。
このレビューや口コミは現在でも重要視されており、レビューのない商品よりもレビューのある商品のほうが3倍近くも購買確率が高いと言う調査結果も報告されています。
さらに、その商品が高価格帯の商品であった場合には、4倍近くも購買確率に差が出たと言う結果もあるのです。
この調査結果は、幅広い世代に対し行われたものであり、どの世代においてもレビューが重要視されているのが分かります。
しかし、先ほども述べたように、Z世代はどの世代よりもレビューを重要視する傾向があり、そのため、Z世代に限って調査をすれば、この結果よりも、さらに購買確率が高くなると考えられるのです。
そのため、Z世代をメインのターゲットととして捉える場合、これまで以上にこのレビューや口コミを重要視し、戦略を立てていく必要があるのです。
実際に、現在では、Z世代がメインのターゲットとなることを見越して、レビューや口コミの仕組みに対する改善に取り組んでいるブランドも存在しています。
これまでレビューや口コミと言うのは、一般の消費者が一方的に投稿したものが提示されているだけでした。
しかし、現在では、消費者のレビューに対しコメントを返しているブランドも増えています。
また、レビューの近くにQ&A機能を設置していることも多く、商品についての質問と回答のやり取りができるようになっています。
そして、このやり取りは、消費者と企業やブランド側だけに限られておらず、消費者の質問に、商品を購入した消費者が答えることも可能なのです。
つまり、これまで一方通行であったものが、多方向のコミュニケーションとなってきているのです。
この流れは、Z世代が消費の中心となるにつれ、ますます強まっていくと考えられるのです。
このようにZ世代は、一般の消費者の意見を参考にする傾向が、他の世代よりも高いのです。
これは、先ほども述べたように、早い段階からスマホを日常的に使用し、あらゆる情報を簡単に入手していたからと言うのが大きな理由です。
その背景には、インターネット上にある膨大な情報の中には、間違った情報や、ステルスマーケティングなどの悪意に満ちた情報も溢れていることがあるのです。
常にそのような情報に触れているため、この世代は、信頼できる情報であるのかということ、つまり、情報の透明性を強く求めます。
しかし、企業やブランドが発信している情報は、一般の消費者が容易に信頼できるものではありません。
そのため、Z世代は、自身と同じ立場である一般の消費者の意見を重要と考えるのです。
現在、消費の中心とされているのはミレニアル世代であり、多くのビジネスがこの世代をターゲットととしています。
しかし、時が流れば、ターゲットが変わるのが必然であり、徐々にターゲットが次の世代へと移行しているのです。
これはD2Cビジネスでも同様です。
これからのD2Cビジネスでは、Z世代を取り込むことが必要となり、そのためには、Z世代を正しく理解することが重要となります。
そして、このZ世代は、今回説明したように、情報の透明性を強く求める傾向があり、一般の消費者のレビューや口コミを重要視しています。
そのため、D2Cにおいても、実際の消費者の声や意見と言った、信頼できる情報を発信していくことが必要となるのです。