近年、EC業界ではさまざまなビジネスモデルが登場し、右肩上がりの成長を続けています。
中でも特に注目を集めているものが、D2Cというビジネスモデルでしょう。
D2Cは、メーカーやブランドの製造者と消費者を直接結ぶことが特徴であり、D2Cビジネスが顧客に対し、ライフスタイルや文化、価値をお提案する傾向が多く、従来までのECビジネスよりも、ターゲットを絞り、世界観やコンセプト、ブランドメッセージを明確にしています。
「イミ消費」に対して価値を感じているユーザーが多くなっている今だからこそ、D2C市場は今後もより拡大していくことが予想されています。
D2C市場拡大と共に、ネットを通じた金融取引も増えてきており、「クラウドファンディング」などの新しい手段での投資が出現しています。
特にスタートアップとしてD2Cビジネスを始めるのであれば、これらの知識は必要不可欠ではないでしょうか。
日本でもM&Aが盛んに行われるようになり、企業の資金調達先のグローバル化が加速していく中、企業にとってIR活動の重要性は非常に増しています。
そこで今回は、D2Cブランドの価値を変えるIR戦略について、詳しくお話させて頂きたいと思います。
今後D2Cビジネスを着実に成功させていきたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
今、D2C事業者はクラウドファンディングを行う上で、投資家との適切なコミュニケーションを取ることが求められており、個々の投資家と良好な関係を構築していかなければなりません。
IRとは、企業が株主などの投資家に対して行う情報提供などの広報活動のことであり、経営状態や財務状況、業績の動向など、投資判断に必要な企業情報を発信し、企業の証券が公正な価値評価を受けることを目的としています。
IR活動の代表的なものとしては、決算発表後の説明会や、マニュアルレポートの発行などがあるでしょう。
IRが通常のPRと異なるのは、ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も積極的に開示するということでしょう。
ネガティブ要因は、投資家の判断材料としては非常に重要だからです。
ですが、全てを開示すれば良いというわけではありませんので、何を開示すべきで、何を開示すべきでないのか、ということも戦略的に考えましょう。
IRにて、企業が株主や投資家に向けて情報を広報し、自社に投資や協賛を行ってくれるように促します。
どのようなかたちで、どのタイミングで開示するかは企業の任意ですので、自由度があるからこそ、企業努力で大きな違いが出るのです。
一般的なIR活動は、企業説明会や決算説明会などで、株主や投資家と対面して情報を開示する方法と、企業情報をまとめる方法があります。
直接対面し、質疑応答などでやり取りを行う場合は、利害関係者と密度の濃いコミュニケーションを取ることができるでしょう。
そして企業情報のまとめは、Webサイト上にIRページを設けるなど、インターネットを駆使した活動が多くなっており、リアルタイムでニーズに即応している明確な情報伝達を行うことができます。
また、営業も効果が期待されています。
実際に営業に取り組まれている企業は少ないのですが、IR担当者が自社の株を投資家に営業する活動は、地道な活動でありながらも重要な手法として考えられます。
最近では個人投資家の存在も大きくなってきていますので、そこまでを対象としたIR活動も求められています。
たとえば個人投資家であっても参加できる企業説明会の開催や、直接説明会に参加できない個人投資家向けに説明会資料の公開やオンライン中継、画像配信などを行うことも良いでしょう。
どのようなIR活動をすれば評価され、株主や投資家の心に響くのでしょうか。
それは経営者が積極的にIR活動に関わり、積極的に自らの発信をしていること、IR活動によって得られた情報や意見がビジネスに反映されていること、企業説明会や決算説明会などが積極的に開催され、細かなコミュニケーションが実現していること、投資家に向けた自社WebサイトのIR情報などが充実していることです。
投資家に好まれる情報としては、会社概要や強み、競合との比較を表すポジショニングマップ、マーケットへの参入障壁、展望、リスクなどです。
以上、D2Cブランドの価値を変えるIR戦略についてお話させて頂きました。
IR活動は、企業を売り込む営業活動ですので、商品やサービスを売ることと同様に、地道な労力が必要です。
今実際に、日本企業の多くはIR活動に積極的でないことが現状ですので、ある意味ビジネスチャンスとも言えるのではないでしょうか。
今後さらに拡大するD2C市場だからこそ、IR戦略の知識をしっかりつけ、より良いビジネス活動を進めてくださいね。