D2Cビジネスを行う上で知っておくべきIR戦略

企業や個人が商品の企画や製造、販売までを一貫して行う、D2Cというビジネスモデルが注目を集めています。

D2Cビジネスは、ECサイトを中心とした通信販売のビジネスで、自社内で企画し、製造した商品を、自社チャネルを通して消費者に直接販売する仕組みです。

コロナ禍による通信販売需要の高まりもあり、近年多くの注目を集めているビジネスモデルでしょう。

仲介業者を介さずに、消費者に直接的に販売することが特徴ですので、商品の企画や開発段階で、消費者の意見や要望に直接耳を傾け、これまでにない独自性の高い商品を作ることができます。

D2Cビジネスのように、ネットを通じた金融取引が多くなり、クラウドファンディングなどの新しい手段での投資も多くなってきました。

これに伴い、D2Cビジネスを行う上では、投資家と適切なコミュニケーションを取り、個々の投資家と良好な関係を構築していかなければなりません。

最近ではESG投資などの社会課題解決に向けた企業の役割が大きくなるにつれ、ステークホルダーの価値観も多様化しています。

日本でもM&Aが盛んにおこなわれている中、企業にとってIR活動がより一層重要性を増していることをご存知でしょうか。

そこで今回は、D2Cビジネスを行う上で知っておくべきIR戦略について、詳しくお話させていただきたいと思います。

効率よくD2Cビジネスを進めたい、と思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

IRの目的

IRは、企業や株主などの投資家に対して行う情報提供などの広報活動であり、IR活動の目的は、経営状態や財務状況、業績動向など、投資判断に必要な企業情報を発信し、企業の証券が正しい価値評価を受けることをいいます。

IRの活動として代表的なものは、決算発表後の説明会やマニュアルレポート発行でしょう。

通常のPRとは異なり、投資家の判断材料としてネガティブ要因は重要な意味合いですので、IRはポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も積極的に開示することが求められています。

ですが、だからと言って全てを開示すれば良い、というわけではなく、ポジティブな内容であってもネガティブ内容であっても、何を開示すべきで何を開示すべきでないのか、ということを戦略的に考える必要があるでしょう。

IRの手法

IRの最大の目的は、投資家に向けて企業や株主が企業情報を広報し、自社に投資や協賛をしてくれるよう促すことです。

どのような情報をどのようなタイミングで、そしてどのようなかたちで開示するか、ということは企業の任意ですので、自由度が高い分、企業の努力次第で大きな違いが出ると考えられるでしょう。

一般的なIR活動は、「企業説明会や決算説明会」と「企業情報のまとめ」です。

企業説明会や決算説明会は、株主や投資家と対面して情報を開示する方法であり、質疑応答などにより、直接的にやり取りを行うことで、利害関係者と密度の濃いコミュニケーションを取ることができるのです。

そして企業情報のまとめは、WebサイトにIRページを設け、インターネットを駆使した活動であり、Webサイトでの情報開示はリアルタイムでニーズに即応して、明確な伝達を行うことができるのです。

これら2つの手法以外にも、あまり取り組まれていませんが、営業活動も効果を期待することができます。

自社の投資機関に赴いて説明をしたり、既存投資家に対して定期的なミーティングを開くなど、投資家に対しIR担当者が自社の株の売り込みを行うなどの営業活動を行う企業も多くなってきました。

評価されやすいIR活動

一般社団法人日本IR協議会が選定する賞である「IR優良企業賞」の受賞マークがある企業とない企業では、認知拡大に大きな差が出ますので、IR優良企業賞に選ばれたいと思われる方も多いかと思います。

IR優良企業賞は、高水準に株価や時価総額を保つ傾向にありますので、企業にとどまることなく、個人投資家などの市場関係者からも注目を集めています。

IRに対し、真摯に取り組む企業は適正な企業評価を得ることができ、結果的に企業価値を向上させることができているのです。

どのようなIR活動を行えば、評価されやすいのか、それは「経営トップが自ら積極的にIRに関わり、自らの発信に努めていること」「IR活動で得られた情報や意見が経営に反映されていること」「企業説明会や決算説明会などが積極的に開催され、細かいコミュニケーションが実現していること」「投資家に向けた自社WebサイトIR情報などが充実し

いること」です。

そして投資家に喜ばれる情報としては、「会社概要」「強み」「競合との比較を表すポジショニングマップ」「マーケットへの参入障壁」「展望」「リスク」です。

特に昨今、経営トップが積極的に継続してIRに関わり、自らが情報発信に努めているということは非常に重要視されており、投資家からの信頼を得るための重要なIR活動だということを覚えておきましょう。

まとめ

以上、D2Cビジネスを行う上で知っておくべきIR戦略についてお話させていただきました。

IR活動は、企業を売り込む営業活動のようなものですので、地道で労力が必要な活動です。

ですが今現状日本企業の多くはIR活動に活動に積極的でないので、これをいかにビジネスチャンスだと捉えるか、ということが重要なのです。

よりよいD2Cビジネスを行うためにも、改めてIR活動の重要性を見直してみてはいかがでしょうか。