D2Cビジネスに重要な「ランチェスター戦略」の視点

D2Cビジネスとは、Direct to Consumerの略称であり、従来までのように仲介業者を挟まずに、製造から販売までを一貫して自社内で行うビジネスモデルのことを言います。

D2Cビジネスの特徴としては、自由なブランディングを行うことができること、そして仲介業者が不要のため、利益率が高いので、自由なブランディングを行い、ブランドのイメージを高く保つことができることでしょう。

一貫したブランディングにより、このブランドだから、という理由で選んでもらうことができますので、特別感を演出することができるのです。

1990年代前半までは、オンライン上における強者と弱者が明確に分かれていたのですが、インターネットとマーケティングの変化、そしてスマートフォンの爆発的普及により、大きな変化が起こり、大手ECショッピングモールと小規模EC事業者の境界線が曖昧になっています。

このような中でD2C市場が年々拡大しており、競合となるブランドが多くなり、検索結果などで横並びになったとき、自社ブランドが選ばれる自信はありますか?

消費者が自社ブランドを選び、商品を購入してもらえなければ、SEOに注力していたとしても、売れるブランドになることはありません。

このような状況において重要になってくる戦略が、「ランチェスター戦略」なのです。

そこで今回は、D2Cビジネスに重要な「ランチェスター戦略」の視点について、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後D2Cビジネスに挑戦しようと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ランチェスター戦略の視点

ランチェスター戦略の視点としては、「一点集中」「局地戦」「接近戦」「差別化」「一騎打ち」「陽動線」でしょう。

一点集中については、強者と弱者では経営資源にどうしても大きな差が出来てしまいますので、弱者がリソースを分散しても意味がありません。

だからこそ、リソースを一点集中する必要があり、その際に「商品」「市場」「ターゲット」へ一点集中すること、そして「ビジネス・インパクト」の最も高いポイントに一点集中することが重要です。

たとえば、売上向上を目的としてWebサイトの商品ページを改善する場合、すべての商品ページに手を加えたいと考えるかと思いますが、現実的ではありません。

そこで、ビジネス・インパクトが最も高いところを見た場合、商品ページの中でもアクセス数は多いものの、転換率が低いページを改善することで、売上向上に貢献される可能性が高く、そこにリソースを集中して進めていきます。

次のポイントは、「局地戦」「接近戦」です。

インターネットマーケティングにおける局地戦は、地域セグメントと時間セグメントによって、効率的に広告集客を行うことです。

そして接近戦は、リスト集客とマインドシェア、ブランド化の視点を持ちましょう。

ブランディングとマーケティングでは、これらが非常に密接な関係にあります。

そして、競争戦略という観点においては、差別化や一騎打ち、陽動線が重要です。

差別化に関しては、バリューチェーン分析を活用し、競争優位性を発見するためのフレームワークを活用し、一騎打ちではSEOを活用していきましょう。

陽動戦は、自社の成功要因を他社に知られてしまわないよう、Webサイト運営のコツを掴まなければなりません。

模倣商品に顧客が流れてしまわないよう、新商品のリリース頻度を上げることが最も効果的でしょう。

ランチェスター戦略による売上構成比率とキープロダクト

ランチェスター戦略の場合、ターゲットの絞り込みが非常に重要なのですが、絞り込みすぎてしまうと、顧客数が少なくなってしまい、売上が上がらなくなってしまいます。

STP分析や6Rなどのフレームワークを活用して、どこまで絞り込めば良いのか、そして絞り込んだ後はどのように成長すれば良いのか、ということを判断していきましょう。

売上構成比率とキープロダクトは、膨大な事例を用意し、長い時間をかけて分析を続けた後に、成果をあげているブランドとあげていないブランドを判断します。

そして、分析されたデータから判断されるものこそ、売上構成比率なのです。

売上構成比率の中でも、下限目標値と安定目標値、上限目標値を重要視し、これらの数値から、自社の販売戦略を導いていきましょう。

売上構成比率がどの割合であればまだ成長することができるのか、どの割合であれば月商最高記録を作ることができるのか、どの割合までいけばそれ以上の成長を見込まず、新商品開発が必要なのか、ということを自社内でしっかり判断することが重要です。

まとめ

以上、D2Cビジネスに重要な「ランチェスター戦略」の視点についてお話させていただきました。

D2Cビジネスにはランチェスター戦略が非常に役に立ちますし、ビジネスの方針を決めることができる重要なポイントを知ることができるでしょう。

ぜひこの記事を元に、ランチェスター戦略をD2Cビジネスに活かしてくださいね。