D2Cビジネスの成功率を高くするためのリーンキャンバス

「こんな商品があれば良いな」というアイデアから、独自でブランドを立ち上げ、商品を販売する企業家がどんどん多くなっています。

ブランドやメーカー自らが商品の企画や製造、販売までを一貫して行うビジネスモデルは、「D2C」とも呼ばれており、小規模事業者や大手メーカーから多くの注目を集めているのです。

インターネットの普及と、EC市場の拡大こそ、D2Cビジネスの拡大に大きな影響を与えていることでしょう。

D2Cビジネスのように仲介業者を介さないビジネスモデルは、直販型ビジネスとしてあったものの、SNSが普及したことにより画像や動画を基本としたコミュニケーションを取ることができるようになったことが、非常に良い追い風となっていることでしょう。

ですが、D2Cビジネスを始めると、「良い商品を作ったのになぜ売れないのか」ということに悩む方も多いことでしょう。

これは、どのようなビジネスに言えるとは言え、特にD2Cビジネスの場合は、顧客ニーズに沿った顧客視点での商品を作ることが大前提となっており、ブランドやメーカーがどれだけ「良いもの」を作ったとしても、それが売れるとは限らず、ただの自己満足になってしまうのです。

なぜ商品が売れないのかなぜビジネスが上手くいかないのかそれは圧倒的なリサーチと検証不足が問題になっているのです。

そこで今回は、D2Cビジネスの成功率を高くするためのリーンキャンバスについて、詳しくお話させていただきたいと思います。

今まさに、売り上げやビジネスの進め方に課題を持たれている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

「リーンキャンバス」とは

D2Cビジネスを行う際は、まずこのビジネスや商品は誰のためのもので何のためにするのか、ということを考えなければなりません。

そもそもビジネスは、誰かの課題を解決し、そしてそのフィードバックがお金として対価になり成立します。

つまり顧客自身がお金を払ってでも解決したい課題に対し、それに最適な答えを提供することで、対価を得て成り立つのです。

商品が売れない、ということは、こんなに良い商品を作ったのだから消費者はきっと購入してくれるだろう、という思い込みによって招かれるのです。

D2Cビジネスを成立させるのであれば、よりロジカルに順序よく考察を重ねなければなりません。

この考察を助けるものこそ「リーンキャンバス」なのです。

「リーンキャンバス」のメリット

顧客の課題からビジネスを企画する上で、世界的に使用されているツールこそリーンキャンバスなのです。

リーンキャンバスを作成することで、通常時間がかかるビジネス計画書とは違い、慣れれば30分程でビジネスモデルの概要を作成することができますし、簡単に更新することができますので、「高速性」が魅力的なポイントでしょう。

また、従来までのプレゼン資料と言えば、最初の数ページ、もしくは表紙だけで興味を惹きつけることができるか、できないか、ということが決まりますが、リーンキャンバスの場合は要点がすべてしっかりまとめられているので、無駄なくポイントごとに第三者に伝えることができるので、「簡潔性」もありますよね。

そして、リーンキャンバスそのものは1枚の資料でありますので、簡単に携帯することができますし、共有することができます。

また、そこで得たデータを活用し、Webでの展開をすることもできますので、より多くの人の目に止まることができ、より簡単に理解を深めることができるでしょう。

リーンキャンバスは9つの項目に分かれており、それぞれがビジネスを成立させるためのファクターになっているので、事実検証し、しっかり構築すれば、この一枚の用紙は「自社ビジネスの全てがひと目で分かる紙」になっているのです。

リーンキャンバスの考察順序をもとに、何度もブレストを繰り返し、顧客が持つ課題に対してどのようにアプローチをすることができるのか、どうすれば自社ビジネスが成長するのか、ということを導き出していきましょう。

リーンキャンバスの項目

リーンキャンバスでは、顧客はどのようなことで喜ぶのかという「課題」、どこの誰が喜んでくれるのかという「顧客セグメント」、顧客はなぜ自分たちを選んでくれるのかという「独自の価格提案」、何を提供するのかという「ソリューション」、どのように顧客とコミュニケーションを形成するのかという「チャネル」、どのような商流で売り上げが形成されるのかという「収入の流れ」、コストはどれくらいかかるのかという「コスト構造」、顧客の満足度をどのように計測するのかという「主要指標」、競合他社の参入障壁はどれくらいなのかという「圧倒的な優位性」、以上9つのセクションの考え方をしなければなりません。

これを完成させれば、その次はそれが本当に正しい計画であるのか、ということを検証していかなければなりません。

「CPF」「PSF」「PMF」の考え方をもとに、高速で回転させていくことを意識し、より顧客ニーズに沿った商品を提供していきましょう。

まとめ

以上、D2Cビジネスの成功率を高くするためのリーンキャンバスについてお話させていただきました。

これらすべての検証の壁を乗り越えた先、今と比較するとビジネスが成功している確立は確実に高くなるでしょう。

顧客とより近くの距離でいることができるD2Cビジネスだからこそ、顧客の課題を何よりも先に吸い上げ、解決策を提案していかなければなりません。

D2Cビジネスにとって、このリーンキャンバスこそ成功のきっかけになりますので、ぜひこの機会に知識を深めてくださいね。